2話転校生
私は普通でなんの取り柄もない、そう中1の時から言われてもいた。
ほんとになにもないんだ自分でも思ってしまう。
成績も普通運動神経はまあまあ、学校で遅刻する回数も殆どないが...
今絶賛遅刻中である。
「やってしまった、新学期早々遅刻は何が何でもやばい」
そう、今日は新学期の日もうすぐSHRが終わって授業が始まる。
そんな状態で私は全力疾走していた。
「あと2分間に合うかな」
学校はもう目の前だが校門には先生がいて、門を閉めようとしている。
「やば!」
私はスピードを上げてなんとか滑り込む。
ギリギリセーフ?だ。
「おい、山田もうSHRは始まってるんだぞ、遅刻として扱うからな。」
あー、結局遅刻になってしまった。
でも、校門閉められる前に入れてよかった。
そう思い急いで自分の教室にはいる。
「おはよ、」
「おはよー来季」
「はよっ!」
「はよー」
友達が口々に挨拶を返してくれる。このクラス自体が平凡なのだ。
「ねえねえ、来季知ってる?」
「何を?」
話しかけてきたのは私の一番の友だち田中 紗加だ。
「えー、やっぱり知らないんだ」
「そりゃSHR受けてないからね」
「あーそっか知らないのも当然か」
結構焦らされる、一体何なんだろう。
「で、何?」
「来季ちょっと怖いよー、そんなに結果を急かさなくてもいいじゃん」
「じゃあ聞かないわ」
「ごめんごめんいうね、なんと...!このクラスに転校生が来ることになりました!いえーい!」
私は無言で紗加を見ていた。
まじか、こんなにイベントがないうちのクラスで転校生、それは結構一大イベントだ紗加が焦らしたのもわからなくはない。
そんな事を考えていると紗加が言ってきた。
「ねえ!せっかくなんだからさあいえーい!くらい言おうよー」
「ああ、ごめん...いえーい」
「声ちっさすぎ!ノリ悪いよー」
「良いじゃん別に」
「そんなこと無いもん!」
こんな感じで会話をしていると遅れてきた先生が入ってきた。
「すまん、転校生の手続きで遅れてしまった。今から授業を始める」
「起立!礼!お願いします!」
学級長は今日も元気だ。
「では早速だが今日このクラスに転校してくることになった転校生を紹介する」
「「「「いえーい!」」」」
皆思ったよりノリが良かった。
「うるさいぞー、では入ってきてくれ」
そう先生が言うと女の子が教室に入ってきた。
そして丁寧にお辞儀をすると
「はじめまして五月雨 凛桜です」
思わず見とれてしまうかと思った。
まずきれいな顔立ちそして丁寧な仕草名前の珍しさ、どこをどうとってもうちのクラスに絶対に会わないキャラだったのだ。
しかし、本当に美人だ女子の私でも見とれてしまうくらいに。
「今日からよろしくおねがいします」
「では、凛桜の席は...来季のとなりあいてるからそこで、来季ー手えあげろー」
そう言われて私は手を挙げる、その子がこっちに歩いてくる。
そして隣に座ると言った。
「よろしく、山田さん」
「よろしくね」
初めてのビックイベントは私の隣で始まった。




