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だからぼくは漫画が好きだ

あらすじ 

ひょんなことから本ばかりの世界に迷い込んだK。元の世界に戻る為の手がかりをさがすが……


ポイント

魔法や力技などの能力を本を熟読すると得ることができる不思議な世界。中途半端に読み終えると120%効力が出ないしくみになっている。主人公Kは大の本嫌い。果たして彼はこの全く興味のない世界から出ることが出来るのか?


冒険読書アドベンチャー「苦手世界から必死に抜け出す方法を考える」いよいよそのページが開かれる。


登場人物

本タイプの宇宙人?妖精?

主人公/K(けい元の世界ではケンタ、迷い込んだ世界でではKとなってしまう。首から【K】の首飾り。登場するキャラは皆首から1文字をぶら下げている。

本妖精8(えいと)/元の世界(Kの世界)に来た時には、ハチベエという名前を勝手に付けられてしまう。

ハヤテ/ Kが初めて読んで召喚した本獣ほんじゅうホバークラフトの様な身体からにょろにょろと沢山の脚が生えている摩訶不思議な生き物。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■


暗闇の中から徐々にKの全体が見えてくる。

K 「うぅ……え?……なんだよ、ここ……」 (どこからか落ちてしまったのか頭が痛い)

K 「て……わわわわわ!?なんだよお前。」(5m程後ずさりする)

8 「やっと気が付いたか。やれやれ。君ね勝手にこんなとこに来てどおやって帰るつもりだよ」

K 「え?帰る?……あ!!俺、今日剣道の試合だったんだ!!い、今何時だよ!!」

8 「夜8時」

K 「よ、夜8時ぃ?!俺、家出たの朝7時だぞ!!そんな訳ないだろっ!!」

8 「そんなこと言われたって知らないよ。僕は君が上から落ちてきたのを受け止めてあげたんだよ?お礼言われてもいいくらいさ。受け止めた。というか、押しつぶされた。と言ってもいい。大事故だった……」

K 「そ、それはごめん。」

8 「ま、いいけど。それで君が気を失っている間、僕はずっと君を呼んでいた。でもピクリともしないから、あ、死んだんだ。と思って一旦おうちに帰った」

K 「え?この場所にほったらかして帰ったの?薄情だなぁ……なんてやつだ」

8 「なんてやつだはないだろう。気になって戻ってきてやったんだからさ」

8 「これを観てごらんよ。僕が君のとこに再び来た時の映像だ」

ピピピピ 携帯らしきものにムービーが映し出される。


ムービー映像

8 「ふぅ、おなかいっぱい!!もう食べられないよ。6のやつここぞとばかりに沢山作って。あぁ、今週はずっとカレーだなぁ……とほほ」

「あれ?もしかして、やっぱ死んでるのかな?ブラックブックの魔物たちが群がってる……」

K 「うぐぐぐぐぐぐ、ぐがああああああああああああああああああああ!!」

8 「げげ!!あいつ、もしかして、この世界の人間じゃないのか?あの白いオーラ、やばい!!」

一目散に駆け出しKのところへ近づく。

BB「ギッギギギギギ!!こいつ人間だよな?なぜこんな力があるのだ?人間のくせに」

逃げるようにブラックブックたちはKから遠ざかっていく。

8 「ふぅ。よかった。とりあえず、ここで目が覚めるまでそばにいてやろうか」

ムービー映像終わり

8 「と、言う訳だ。わかったか!!僕は君の命の恩人なんだぞ!!感謝しろろろろろい!!」

K 「そうみたいだな、あんがと。てか。君なに?犬?ネコ?尻尾も2本も生えてるし、そのマスクみたいなのもなんだか奇妙だし。宇宙人にも見えるし……」

8 「宇宙人とはなんだ!!僕は、えいと。お前のことは、けいと呼ぶことにしよう」

K 「けい?そういや首からぶら下がってるやつKって文字だよな。じゃあKなのか。よし。僕はKだ。」

8 「うん。それで、K、君はどこから来たんだ?この世界の人間では無さそうだ。さっき激しいオタケビと共に白いオーラが出てた。あれはホワイトといって、ある書物に書かれていた伝説のオーラだ。」

K 「伝説のオーラねぇ。すごいのかなそれ」

8 「そりゃすごいさ、いくつかの世界をそのオーラで包み込み真っ白な世界にしてしまったという恐ろしい魔法みたいなものさ。君はどこでそのホワイトを手に入れたのかはわかっていないだろうけど。かなりの力の持ち主の様だ」

K 「そうか、俺が伝説の勇者って感じか?はは、ヒーローだな」

8 「ヒーローではない、どちらかっていうと悪。という感じだね。全くとんでもないやつが落ちて来たものだ。はやいとこ帰ってくれ」

K 「な、なんだよ、その言い方。で、元の世界へはどうやって帰ればいいんだよ」

8 「知らないよ、そんなこと。エレベーターとかで帰ったらいいんじゃない?」

K 「エレベーター?……そのエレベーターはどこにあるんだよ」

8 「ふぅ……全く、何も知らないんだな。あれだよ、あれ!!」

ずっと遠くを指差す8、その先には白く光る塔の様なものが見える。

K 「めちゃめちゃ遠いじゃんか!!」(漫才のツッコミのように)

8 「ん。まぁ、たいした距離ではない」(自信満々に)

K 「そうか。んじゃあ、行くとしよう」

K 「ん?俺のスケボーどこ行った?」

8 「スケボー?あぁ、あの車輪の付いた板のことか。さっきブラックブックのやつらを追い払うときにホワイトで消し飛んだよ。まぁ仕方ないさ。」

K 「消し飛んだって……歩きかぁ。めんどくさいなぁ……」

8 「仕方ない。じゃあ他の乗り物で行くことにしようか」

K 「あるならさっさと言えよ。」

8 「無いよ。君が作るのさ」ガサゴソガサゴソとウエストバックから何かを取り出した。

8 「はい。これ。」

K 「へ?ドライブスケーター?なにこの本。」

8 「この世界では、読んだ本の能力。すなわち知識や力、魔法などを自分のものに出来る世界なんだ。まずはこの本を熟読して必要な知識を得てもらう。」

K 「ちょ、ちょっと待て。俺は、大の本嫌いなんだ!!そんな分厚い本読んでいられっかよ!!」

K 「無理無理ムゥーーーリィーーー」

8 「そ?じゃあ歩いていくんだな。わざわざ出してあげたのに勿体無い。ごめんよドライブスケータの本。こいつ本が嫌いなんだってさ。残念なやつだね」

(本の表紙が見る見るうちに悲しい顔をしはじめたように見える)

K 「なぁ、その本て感情とかあるのか?なんか、今、悲しい顔をした様に見えたんだけど表紙が」

8 「そう、この世界の本、一冊一冊にはしっかりと個性がある。同じ本でも個性があるから、読みやすい本、難しい文字や記号が並べられている、性格がややこしくてめんどくさいやつもいる。」

K 「へぇ、だったらもっと読みやすい本にしてくれよ」

8 「……これが、その一番読みやすいやつだ」

K 「げ!!……そうなのか……」




---つづく

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