2話 ツムギのお悩み
痛い。この赤い液体はもしかして血か?
何故だ?電車にひかれたなんて有り得ない。だって自分の目で通り過ぎる電車を見たじゃないか。
その時、ドアの閉まる音がして、若い男性が近づいてきた。
車、か。
そうして、私は広大な草原の上で目を覚ました。私は最悪の事態を想定した。そう、異世界に転生したかもしれないということを。私はたとえ死んだとしても異世界にはいくまいといつも考えていた。悔しい。
だが、ここは本当に異世界なんだろうか。わたしを引いた人間が、何とか私を隠そうとしてはるばる運ばれてきただけであって、実は日本でした!!なんてオチではないか。または一時的な昏睡状態に陥っていてただの夢なのではないかと。ほかにも私はいくつかのケースを考えたが、考えても仕方がないのでここはひとつ、異世界転生をしてきた先人たちに習おうと考えた。
まずは言語だ。たいていの作品は、神様の配慮か何かで言語は通じるようになっている。仮に通じなかったとしても今の段階ではどうすることもできないので、この問題はパスだ。
次に、この世界にはどのような概念が存在するのかだ。魔法なのか、化け物なのか、考えられるものはこんなものだろうか。だがこれも言語と同様に、今からどうしようとできるわけではないのでパスだ。
さあどうしようか、全く見当がつかない....