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 部活の終わりを告げるチャイムが鳴ると、子供達が使っていた道具を片付け始めた。ハルを使って、キャッチボールをしていた子供達は、新入部員だったようで、バッティング用のカゴにハルを入れた。

 ハルはバッティング用のカゴに入れ、嬉しくなり、その事をソウに早く伝えたくて、見える範囲でソウを探したが、その中にソウはいなかった。

 ハルは、投げられながら、レンに言われた意味を自分なりに考え、出した答えが「お願いすれば、叶う」だった。だから、「ソウが自分と同じ、バッティング用のカゴに入ってきますように」と、念仏を唱える様に、繰り返し思っていた。それなのに、自分だけが、バッティング用のカゴに移ってしまった。だから、ハルはレンに裏切られたような気がして、素直に喜べなかった。それにソウがいなくて急に心細く感じた。

 ハルが相反する2つの感情に浸っていると、いつの間にか、校庭から道具倉庫入れの中に移動していた。そこには、既に片付けられたソウがいて、バッティング用のカゴの中に入れたハルを見つけると「よかったな」と、声をかけてきた。

「……うん。明日から、もう怖い思い、しなくて済む……」

「……それにしても今日はどうしたんだ? 途中から叫び声が聞こえなくなったけど……」

「それは……、レンにアドバイスをもらって、その事を考えてたら、声を出さずにいられたんだ」

「そうか。明日から、役目は違うけど、お互いがんばろうな」

 それを聞いたハルは、バッティング用のカゴに移れて嬉しい感情は心から追い出され、寂しいという感情で心が埋め尽くされてしまい、ソウにかろうじて聞こえるぐらいの声で返事をした。

読んで頂きありがとうございました。

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