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8話 なんか町が騒がしい?

 次の日の朝、今日もギルドへ向かうルカ。


 昨日は帰り道に美味しいオーク肉を食べたけど、たまたま出てきただけだろうし、住処が分かればもっと食べれるかもしれない。


 それをまたオカミサンに持っていけば美味しい焼き肉を食べれるかもしれない。


 生肉も美味しいのだけど、ニンゲンが食べている料理というのをした食べ物はより味が濃くて美味しいと最近分かったきたので、お土産をもっと持っていこうと考えるルカであった。


 そこで、冒険者ギルドへ向かってオーク討伐をする冒険者を探そうと思ったのだった。


 そういえば、昨日の冒険者達はどうしたのだろう?

 あれから見かけていない気がする。


 この町は結構広いから、あまり気にしていないがまだ戻ってきていないのだろうか?


 そんな時だった。

 町で警鐘が鳴り響いた。


「魔物の襲撃だああ~っ!みんな建物の中に逃げろ!冒険者は討伐を!」


 一人の冒険者が西門からボロボロになりながらギルドに走り込んできた。

 よく見ると、あのアローンのようだ。


「アーロン!?お前どうしたんだ?襲撃ってなんだ?」


 そのあと、アーロンがギルド職員に急いで説明した。

 どうやら調査の途中で、ホブゴブリンを見つけたのでそのまま報告するのに戻ろうとしたが、その途中でオーガとホブゴブリンの集団が武装し、町の方へ進軍するのを見かけたらしい。


 流石に拙いと思い、急いで町に戻ろうとしたところに1匹のオーガに見つかってしまい戦闘。

 辛くも勝利したが、アーロン以外はまともに動ける状態ではなくなったので一人で町まで戻ってきたのだという。


 残った3人も治療が終わったら戻ってくると思うが、まずはこの状況を知らせるため戻って来たのだが…。


「それよりも先に奴らが町のすぐそばまで来てしまったのか」


「済まない、もっと早くついていれば対策できただろうに…」


「こうなったら仕方ない。西門は既に閉じられているが、オーガに破られるのは時間の問題だろう。急ぎ冒険者を集めて対抗しよう。ハンター協会にも通達して、協力を仰げ!」


 ギルドの中でも偉い感じの人が出てきて、他の職員に指示を飛ばす。


 そんな喧噪の中、ルカはポカーンとしていた。


(何がなんだか分からないけど、大変な事になったのかなぁ?)


 頭に昨日見た恐ろしい魔物達を思い出す。

 人々の会話の中に、オーガとかホブゴブリンなどのキーワードが飛び交っている。


 ルカは昨日見た魔物がどれなのか依頼書を見て確認することにした。


(最近は結構文字も読めるようになったし、これくらいなら読めるんだよね~)


 ひとり(一匹)でふんふん言いながら、今は誰も見ていない依頼書が張ってある紙を順番に見ていく。


 上の方には、レッドドラゴンやらワイバーンやオークキング等の怖そうな絵の魔物が張ってある。


(あれは…こっちが餌になりそうだし無理)


 そこから順にしばらく見ていくと、真ん中の方にそれはあった。


(あった!あれがボクが見た魔物だ。名前は…オーガ。これだね)


 ルカが見つけた魔物にそっくりな絵が描いてある張り紙にはオーガと書いてある。

 詳細の方はまだ分からない文字ばかりで読めない所が多かったが、それでも少しだけ読んでわかったのが強いという事だった。

 しかも推奨レベルが15以上となっている。


 ルカのレベルが今10しかない。


(こいつは無理だよぅ!美味しくなさそうだし、狩るのはムリ!)


「もう西門に迫っている、先頭に2体のオーガだ!絶対に町の中に入れるんじゃないぞ!」


「ホブゴブリンも武装しているらしい、突破されたら町の人々を喰い殺されるぞ!全員西門に急げ!」


「ゴブリンが壁をよじ登って来ている!警備隊が応戦しているが、彼だけでは抑えれない、応援に行くぞ」


 冒険者達の言葉が耳に入る。

 魔物達が続々と町に迫っている。


 そして、それは町の人々に危害を加えようとしているという。


(アーニャやオカミサンが危険?!早くあそこに戻らないと!)


 ルカはギルドを飛び出し、酒場の裏口へと急ぐのだった。



 町は騒然としていた。

 ここ数十年起きていなかった魔物の襲撃。

 今まで全くなかったことは無いが、ここまでの大群は初めてだ。


 皆家の中に閉じこもり、鍵を閉める。

 ゴブリン一匹でも普通の人にとっては恐ろしい化け物でしかない。


 一匹ならまだしも、集団で襲ってくるゴブリンは普通の人間に敵う相手ではないのだ。

 遭遇すれば死。

 誰もがそう思い、息を殺して家に閉じこもった。


「アーニャ!早く家の中に入りな!魔物どもが町に来ているらしいよ!」


「女将さん!でも、でもルカがいないの!」


「バカ言うんじゃない!あの猫は野良なんだよ?!きっとどこかに隠れているに決まってるさ!私らよりも勘がいいんだよ野良ってのはね!」


 そう言うと、引き摺る様にアーニャを家の中に入れるのだった。


 丁度その時、ルカが戻って来た。

 オカミサンに引っ張られ家の中に入っていくのが見えたルカは、ちょっとホッとしていた。


(家の中なら大丈夫。ボクが見張って魔物が近づかせないから!)


 普通なら、どう考えても子猫のルカが叶う相手ではないが、ルカは神様から授かった不思議な力を持っている。

 そのおかげで子猫とはかけ離れた能力を備わっている。

 それを知っているのは、ルカ本人だけであったが。


「おい!そっちにゴブリン達が入り込んだぞ!囲んで倒すんだ・・・・ぐぇえっ」


 ギギギギギギ!!


 一人の兵士が町の中に入り込み逃げ回っていたゴブリンを追い込んでいた。

 しかし、それは囮で逆にまんまと囲まれてその首を落とされる。


 ギギッギギギ!

 ギャギャギャギャッ!


 下品な笑い声を上げて、いたぶる様にして死んだ兵士に剣を突き刺すゴブリン達。

 どうやらあちこちで同じような惨劇が起こっているようだった。


 西門のオーガやホブゴブリン達に気を取られている内に、違う城壁から上って来たゴブリン達がかなり入り込んだようだ。


 人を見つけては襲い掛かるゴブリン達。

 その光景は見るのも憚る凄惨たるものだった。


(あんなのを近づちゃダメだ。アーニャが食べられちゃう!!)


 ルカは『潜伏』を発動し、こっそりと後ろから近づく。

 兵士の遺体に意識が向いているゴブリン達は全く気が付いていなかった。


(ここだっ!)


 ビュウンッ!と強烈な風を切る音が鳴ったかと思うと、数体のゴブリンの首が宙に舞った。

 それと同時に、ドサリと残った体が地面に倒れる。


 グギャッ!?ギャギャギャ!!


 残ったゴブリンは2体。

 慌てて振り返るも、そこには何もいない。

 そう思った時には既に遅かった。


 ビュウンッ!

 ゴロン…ドサッ。


 残るゴブリン達も、首を無くしその場に倒れるのだった。


【ルカは、経験値を獲得しレベルが11になりました。更に、スキル"風刃"を覚えました。】


 5体のゴブリンが絶命し、その遺骸を晒す。

 その姿をアーニャは窓からこっそり見ていた。


 最初に首が飛んだ時は、『ひっッ』と小さな悲鳴を上げたが、その後にルカが違うゴブリンに向っていったのを見てそれをやったのがルカだと分かったのだった。


 慌ててルカを中に入れようかと扉を開こうと思うが、既に閂が掛けられた上に板が釘で打ち付けられた後だったので扉を開ける事すら出来なかった。

 無理に開けようとすれば怒られるくらいでは済まない。


 しかし、すっと去っていく姿を見てアーニャは思ったのだった。


「ルカは神様が遣わした、神獣なのかな…」


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~~~~~~~~~~~~

やっと話が広がっていきます!

~~~~~~~~~~~~


ルカ:L11

種族:霊猫 職業:野良猫

ステータス:

 力:55(+30) 魔力:33(+30)

 体力:33(+30) 精神:33

 速度:110(+30) 技量:66

 運:22

所持スキル:

【危険察知】【高位成長促進】【言語理解】【知識強化】

【急所狙い】【爪強化】【牙強化】【大喰い】【潜伏】

【跳躍強化】【筋力強化】【耐久強化】【魔力強化】

【風刃】New

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