6話 いざ冒険者についていく?
白ローブについて行ったルカはどんな話を聞くのか?
ルカが二人を追いかけると、ギルドの職員と真剣に話をしている所だった。
ルカにしてみたら、難しい話をしているな~程度の感想ではあったが。
「巣じゃなくて、ゴブリン達の大集落がある可能性があると?」
「そうです、かなり規模の大きい集落がある可能性があります。先遣隊の報告ですと上位種のホブゴブリンが数体いる事も確認しています。ただ、あまりに数が多くて途中で引き返してきたみたいですが」
真剣な表情でギルド職員が事の経緯を詳しく説明している。
その表情から、かなり危険な状況だという雰囲気が伝わる。
「なるほどなぁ。だとすると、1パーティーだと厳しいか?」
「そうですね。ですのでまずは討伐を出す前に調査という形になっています」
「そうだとしても、見つかったら私達でも危ないわよ?」
「とりあえず、メンバー募ってから合同でやるパーティーを探した方がいいかなぁ」
「そうね、そうしましょう」
二人は、話し合った後にギルド職員から募集するための紙を貰って掲示板に貼り出した。
それを見た他の冒険者がわらわらと集まりだし、なんだかんだと話を始めていた。
(なんだか、騒々しくなってきたなぁ。あの二人はまだ出かけないみたいだし、他の人の話を聞いてみよっか)
そう思い今度は併設の酒場の方へ移動するルカ。
その容姿と懐き具合からすぐに酒場の冒険者から可愛がられるのであるが、その場にいても追い払われないので都合がいいとわざとすり寄っていく。
ここで拒否する人間は、何もしなくても攻撃してくることが多いので判別にも丁度いいのだ。
「なんだ、腹減ったのか?ほれ、これでも食いな」
一人の男が、ルカに食べかけのベーコンを1枚寄こした。
(んん、ベーコン! これは普通のお肉よりなぜか美味しいんだよね~)
そう思いつつ食べているルカを見て、男は満足そうに笑っていた。
「なんだか、今日は騒がしいな」
「ああ、なんでも大きいゴブリンの集落が近くの森に出来たみたいだぜ?」
「ああ、なんか調査しにいった奴が逃げ帰って来たとかいうやつだろ?ホブゴブリンくらいで逃げるようじゃ大したことねーなぁ」
男はガハハハッと笑いながらエールで喉を潤す。
そんな男を窘めるわけでもなく、一緒に笑っている男が話を続けた。
「そういってやるなって。俺らのようなオーガを相手に出来るやつなんて、ここらじゃあまり居ないんだ。ゴブリンだって、初心者なら十分脅威なんだからよ」
「そりゃあそうか。おかげで食い扶持が減らねーから助かってるがな」
そこにいる男たちはゴキゲンな様子でエールを飲み続けていた。
あんまりいい情報はないなぁと思って、違う冒険者の所に行こうとしたときだった。
「そういや、おまえレベル上がったんじゃないか?」
「ええ兄貴。やっとこレベルが上がりまして、これで少しはお役に立てるかと!」
「バカ言うな荷物持ちがよ。Lv2で役に立つなら誰も苦労しねーよ!で、ステータスは何が上がった?」
ぽんと『レベル』に『ステータス』の話が出てきた。
(『レベル』の話がやっと聞けるかも! でも、『ステータス』ってなんだろう)
ルカがそんな事を思っていると、答えをすぐに教えてくれる。
「へへへ、俺も早く兄貴達みたくモンスターをバッサバッサ倒したいもんですよ。あ、ステータスですか?そういや、どうやって自分で確認するんで?」
「おめーはそう言うところがバカだって言うんだ。こりゃあ先はまだなげーなぁ。ギルド職員に教えて貰っただろう?ステータス確認の呪文をよお」
「ああっ!そういやそうでしたね。ええと…『我が力と証を神の鏡に映し、我に示せ!』でしたっけ?…おおっ!これがステータスですか!登録の時から、力が1だけ上がって”11”になりやしたね」
「それだけか?」
「…それだけです」
それを聞いて全員がガハハハッと笑っている。
左右の男に背中を叩かれつつ、『これからガンバレ!』と慰められているようだった。
(ステータス…さっきの『呪文』?を言えば何かわかるのかな? 確か…『われが力とアカシをカミの鏡にうつし、われにしめせ!』だったよね?…わわわっ!!!)
ルカの目の前に紫に色に光る文字が浮かび上がった。
そこには、こう表示されている。
ルカ:L6
種族:霊猫 職業:野良猫
ステータス:
力:30 魔力:18
体力:16 精神:18
速度:60 技量:30
運:12
所持スキル:
【危険察知】【高位成長促進】【言語理解】【知識強化】
【急所狙い】【爪強化】【牙強化】【大喰い】
(うーん、なにがなんだかわかんない。でも、さっきのヒトより”力”が高いみたい!)
ルカは、自分のステータスを見る事が可能になったが、それぞれがどんな意味があるかは分からなかった。
ただ、そこはアテがあるので後でそこに行こうと考えていた。
にゃ~と鳴いて、その場を離れたルカ。
「おう、もう行くのか?また、腹減ったら来いよ~」
と男に見送られて、ギルド職員がいるカウンターの所まで来た。
ここには、新しく登録する冒険者が毎日のようにやってくる。
その際に色々と職員が説明するのだ。
さっきの男が言っていた、登録する際にギルド職員にステータスの『呪文』を教えて貰ったと。
それならばもっと詳しく説明してくれるかもしれないと、新しく来た冒険者の話を聞こうと思ったのだった。
「…で、これから登録します。まずは最初のステータスを登録します。ステータスの『呪文』はしっていますか?」
「いいえ、知りません!」
「元気だけはいいのね…。では、私と同じ事を言ってくださいね。『我が力と証を神の鏡に映し、我に示せ!』」
「我が力と証を神の鏡に映し、我に示せ!…わっ、何か出た?ええと、これってどういう意味なんですか?」
冒険者登録をしている少年が、ギルド職員にステータスの見方が分からないとぼやく。
一応最低限の文字は読めるという事が冒険者の条件になっているらしい。
その為、文字が読める事は読めるらしいが…。
「はぁ…。では、説明しますね。上から…」
名前、レベル、種族、職業、ステータス、所持スキルの項目に分かれている。
名前は自分が名乗っている名前が適用されるらしく、他人が勝手に別名を言っても変わらないらしい。
レベルは、自分と同等もしくは上位の相手を倒すと手に入る経験値が蓄積されると上がる。
レベルが上がるとステータスが上がる。
ステータス上昇は個人差があるので、まったく上がらない人はいないが1しか上がらない人もいれば一気に10上がる人もいる。
そこは才能によるらしい。
ちなみに魔力が0だと魔法は使えない。
ここに表示されない生命力と魔力量というのがあるらしいが、高位の鑑定使える人以外は確認出来ないので、自分の感覚で危なくなったら逃げるようにと強く言われていた。
どんな生き物も、頭や心臓を失って生きている者はいないから、レベルが上がっても用心するようにと念を押されていた。
(なるほど、それを”急所”というんだにゃ。じゃあ、スキル欄にある”急所狙い”は、そこに当たりやすくなるって事かにゃあ)
─── その後も、色々な冒険者の話を聞いて、自分のスキルやステータスの把握が出来た。
但し、【高位成長促進】【言語理解】だけはどんな効果があるかが分からなかった。
ただ、自分をこの町に送った綺麗な顔の男が言ってたのがこのスキルの事だったかもしれないと思い出すことが出来た。
まあ、そのうち分かるだろうと思っていたところに、アーロンとリリアが違う二人の人間を連れて外に出るところだった。
(ん、狩りにいくのかな? じゃあ、ついて行って美味しい獲物を見つけるぞぉ~!)
こうして、自分のステータスが確認出来るようになったルカは、4人の冒険者のあとをコッソリとついて街の外へ行くのだった。
気ままに更新継続中。
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※レベルが間違っていたので修正しました。
ルカ:L6
種族:霊猫 職業:野良猫
ステータス:
力:30 魔力:18
体力:16 精神:18
速度:60 技量:30
運:12
所持スキル:
【危険察知】【高位成長促進】【言語理解】【知識強化】
【急所狙い】【爪強化】【牙強化】【大喰い】