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4話 おみやげはウサギがいいかも?

 やっぱり、ウサギが食べたくなったので狩りを続ける事にしたルカ。


 ルカは気にしていないが、さっきのよく分からない声が聞こえた後に走るスピードが上がっていた。


 そのおかけで、かなりの速度で森を駆け回る事が出来るようになっていた。


 以前なら、ウサギがルカに気がついてしまったなら逃げられてしまっていただろう。


 たが、今なら…


 ヒュンッ、ザザザザッーーー!


 ウサギには、ルカが消えたように見えた事だろう。

 次の瞬間には、口にぐったりしたウサギを咥えていた。


(ウサギなら簡単)


 自分が思っていた以上に簡単に捕まえられて浮かれるルカ。

 仕留めたウサギを味見しつつ、次の獲物がいないかあたりを見渡した。


(あそこに何かいる?)


 草むらでガサゴソ音を立てている何かを発見する。

 慎重に音を立てないように近づいて行くと、そこには緑色の子供くらいの人がいた。


 いや、それは…


(あれはニンゲンでは無い…よね。何か危険な感じがするかも)


 ルカが持つあるスキルが、危険な相手だと警鐘を鳴らす。

 まだ、それが明確に何かを理解していないが、良くない事だとは理解していた。


(この感じは、地下の大きなネズミに初めてあった時以来だよ…)


 そんな事を考えながら、そろりと近づくルカ。

 しかし、その緑の生き物が急に声を出した。


 グギャギャギャ!とニンゲンとは違う発音で警戒の声をあげているみたいだ。


 すると、ルカと反対側から何かがやって来た。


 それは、ニンゲンの男だった。


「ちいっ、ゴブリンがこんなとこにいるなんて、群れと逸れたか?街に流れても危険だ、仕留めていこう」


「ああ、一匹なら取るに足らない。一応、周りに仲間がいないか警戒してくれ」


 よく見ると、先程の二人のハンターだった。

 モンスターは専門外なのにとぶつくさ言いながらも、ゴブリン目掛けて弓矢を射る。


 グギャッ!?


 流石に弓矢のプロとあって、外すことなく一発で脳天を射抜いた。


「おみごとだ」


「まぁ、これくらいはな。さっきの大熊はこいつがやったのか?」


「どうだろう?そんないい得物を持ってないし、あの切口だ。近くに冒険者が来ているのかもよ?」


 そんな事を言いながら、ゴブリンの耳を削ぎ落とし、死体をそのまま捨てて去っていった。


(何か分からないけど、助かった~!)


 二人の気配が消えてから、そろりとゴブリンの死体に近づく。

 試しに一口肉を食い千切ってみたが、味も肉質も良くなかった。


(こいつは食べても美味しく無い! やっぱウサギの方が美味しいね)


 ルカはそう思い、再びウサギを探して森を散策するのだった。


 小一時間ほど狩りを楽しんだルカは、お土産にウサギを2羽咥えて街に帰っていくのだった。



 いつも通りの酒場の裏にある定位置に帰ってきた。

 ()()()は、いつもアーニャが出てくる扉の横に置いてある。


 いつもご飯をくれるお礼のつもりだ。

 先程仕留めたばかりなので、捕れたて新鮮なので喜ぶだろう、そうおもっていたのだが…。


「ふぁ…、もうちょっとで夕方だぁ。あ、ルカ!今日はもう来てたんだね〜…」


 ルカを見つけてから、足元に違和感を覚えるアーニャ。

 ふと下を見ると…


「ぎぁーっ!?って、ウサギ!?お、おかみさ〜ん!!」


 おや?逃げてしまった?

 ウサギは嫌いだったのかとしょんぼりするルカ。


 すると…


「なんだい!?今度は虫でも捕まえてきたのかい?いいかい、猫っていうのはね…。おや、ウサギじゃあないか。しかも新鮮だ!いま捕って来たのかい?よくやったよルカ!処理は私に任せておきな、あんたにも後で食わせてやるからね!」


 と、オカミサンが出てきてルカの獲物を見た瞬間ゴキゲンになった。

 躊躇せずに2羽のウサギの耳をむんずと掴むとそのまま中に持って行ってしまった。


 まぁ、アーニャはびっくりしたてたけどオカミサンが喜んでいたし良しとしよう。

 そう思うルカであった。


 しばらくアーニャもオカミサンも戻ってくる気配が無かったので、そう言えばと思いダッシュでさっきの大熊の所まで戻って来た。


 まだ大部分が残っていたので、なるべく柔らかそうな所を()()()()()()()()、また口に咥えて持ってきた。


 人間は地面に落ちた肉とか食べない傾向にあるようなので、毛皮の面を下にしてまた入口に置いておいた。


「おや、ルカまだなんか持ってきた…。う~ん、これは何の肉だい?あー、熊かねぇ。この毛皮は全身あれば売り物になるんだが…肉だけだと臭みが強くてあんまり食べれれないんだよねぇ」


 さっきと違って、あまり良い反応では無かった。

 それを見てルカは、熊はやっぱりお土産に合わないんだと学習するのだった。


 それでも、ルカを撫でて『ありがとうね』と言ってから熊肉は持っていったが、その時にも『でも、ウサギの方が嬉しいよ私は。って言っても通じないかねぇ』と困った顔で言っていた。


 ちなみにオカミサンは熊肉は拾ったのだろうと思っているようだった。



(やっぱり、ウサギが一番かも)


 と、アーニャが持ってきてくれた、冷ましてあるウサギ肉と熊肉入りシチューを食べながら思い耽るのだった。


「これ、女将さんが作ってくれたんだからね!お肉とっても喜んでたわ。もちろん、私も嬉しかったよ。ちょっとウサギさんの死体はびっくりしたけどね…あはは」


 と、美味しそうに食べるルカを優しく見守りながら、アーニャは今日酒場であった事や、聞いた話などをルカが食べ終わるまで話しかけてくれるのだった。


 そしてルカにとって、そんな時間がとても心地よいと感じるようになっていたのだった。


以下は、メモ要素があります。

ルカ:L5

種族:猫(?)

ステータス:不明

所持スキル:

【XけXさっX】【XX成長XX】【知識強化】

【急所狙い】【爪強化】【牙強化】【大喰い】

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― 新着の感想 ―
[良い点] ルカくんが倒したウサギやクマのお肉を持って来て、アーニャちゃんや女将さんに褒められて良かったですね。ちなみに今のルカくんならゴブリン相手に1人や複数ならあの大熊より簡単に倒せそうですね。 …
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