表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

15話 一緒に町でお買い物出来るかな?

 あれから、トーマスは何回か住処にやって来たよ。


 その度にお土産だと言って、町で買ってきたパンやお菓子など自然では手に入らない物を持ってきてくれた。

 流石にタダで貰うのは気が引けるからと、テトは干し肉や燻製した魚などと交換をしていた。


 パンとお菓子はあんまり食べないけど、甘いものは結構美味しいと感じた。

 特にクッキーは歯ごたえが良くて、お気に入りなんだ。


 あれから3か月経った。

 そうそう、なんとなくヒトが話している会話で1年とかひと月とかの言葉を知ってたけど、テトに教えて貰ったんだ。


 ああ見えて、テトはとっても物知りで努力家みたい。

 色んな本を読んで勉強してたんだってさ。


 1年は4つの季節があって、それぞれが3つの月に分かれているみたい。

 冬が1~3月、春が4~6月、夏が7~9月、秋が10~12月なんだってさ。

 ひと月が30日らしいから、30回の夜が明けると1月経ったことになるんだにゃ!って言ってた。


 あと、テトは精霊魔法っていうのを使えるらしくて、その魔法で今の季節や日月が分かるんだって。

 凄いなぁ。


 僕も魔力があるから魔法を使えるらしいんだけど、精霊魔法はムリみたい。

 生まれつき精霊と会話が出来るひとじゃないと無理なんだってさ。


 だけど、普通の魔法とかなら魔術書を読んで覚えれたりするらしいので、今度魔術書が置いてないか町の図書館を見に行こうということになった。


 僕が魔法覚えたら、より狩りがしやすくなるっていうし、とっても楽しみだよ。


 町にはアーニャに会いに3~4日に一回は行ってる。

 そうしないと、どっかで死んでるんじゃないかと心配するみたいで、10日以上姿を見せないで会いにいったら沢山泣かれてしまった。


 猫で言うと僕も立派な大人になったので、これからはアーニャを心配させないようにしようと考えているんだ。

 だから、お土産を持って(咥えて)定期的に会いに行ってるんだ。


「ルカもいつの間にか大きくなったんだね!最初見たときは、今の半分くらいだったのに…」


 にゃ~。(そうだったかなぁ?)


「うんうん、今も可愛いけど、どっちかと言うとカッコイイになってきたね!今のルカも勿論大好きだよ!」


 合ってるようで噛み合ってない会話だけど、それでもこうしてアーニャにぎゅっと抱きしめられるのは幸せなんだな。

 ずっとされると、ちょっと苦しいけど…。


「前よりも毛艶もいいし…、もしやどっかで浮気してるの!?…う~、ご飯一杯くれるところでも、ちゃんとここに帰って来てね?」


 にゃ~?(うわきって、何??)


「うん、分かってくれる?いいこいいこ~」


(よくわかんないけど、安心してくれるならそれでいいか~)


「アーニャ!いつまでサボってるんだい!ルカを構ってないで仕事しておくれ!」


「うう、じゃあまたねルカ。ばいばい」


 そうして女将さんに呼ばれて仕事に戻るまで、アーニャに沢山もふもふなでなでされていたルカ。

 アーニャが立ち去ると、そのままふらっと町を散策する。


 たまに美味しそうな匂いがする。

 どうやら屋台というやつが、冬もやっているみたいだ。


(店の人によっては、近づいたら怒る人がいるからな~。テトが言うには食べるには"お金"が必要で、そのお金を手に入れるために毛皮を売りに来てたんだよね)


 ちなみに今日もテトは毛皮を売りに来ている。

 冬前に用意したものはそのまま使っているが、たまに狩りした時にどうしても余る毛皮を鞣した状態にしてから売りに来ているのだ。


 そのお金を使ってテトが生活に必要なものを揃えてるのだが、ルカには寝床と食べ物があれば問題ないのでお金を持つ理由が無い。


(僕がお金持ってても、使いようがないんだよね~、買い物出来ないし。…そうだ、テトに頼んで買い物して貰えばいいんだ!さっすが僕、頭いい!)


 ルカはそんな能天気な事を考えてつつ、テトを探しに商業地区へ足を運ぶのだった。



 テトはというと、毛皮と余った肉類の買取を済まして町中をふらふらしているみたい。

 ハーフリンクとの混血なのもあり、獣耳さえ隠せば案外バレる心配は無いみたいだと知って堂々と歩けるようになっている。


 テトの顔はハーフリンクそのもので、人間と大差がないらしい。

 少し異国風ではあるが、外から来ているのは町に住んでる住民なら分かるので、誰も気にしないんだという。


 というのも、この町にもたまに旅人は来るからだ。

 人族から見てもテトは美人という事らしくて、もっと可愛い服買ったらいいのにと言われてる。


 (ただ、それだと『獣耳を隠せなくなるからバレないようにする為にも買えないんだにゃ』と悲しそうに言ってたらダメみたい。色々大変そうなんだよね~)


 僕には服なんてものは、邪魔そうにしか見えないから理解してあげれない。

 だから、そこはテトが自分でどうにか解決するしかないだろうね。


(さーて、何処にいるかな?)


 しばらく商業区を歩いていると、野性味あふれる毛皮のフード付きコートを着ている人物を発見した。

 いくら冬でも、あそこまで分厚い毛皮を着ている人はおらず、逆に目立っているように見える。


(あれは、逆に目立っているんじゃないかな~?)


「ん?あ、ルカだにゃ!」


 テトは僕を見つけると小走りに駆け寄ってきた。

 近くに来るなり抱きかかえて、もふもふしてくる。

 僕も気持ちいいけど、ちょっとは遠慮して欲しい。


「買い物は終わったから、帰るかにゃ?」


 周りには聞こえないくらいの小声で僕に話しかけてくる。

 なるほど、このもふもふはカモフラージュってやつなんだね。

 その割には、本当に気持ち良さそうにしているけど…。


「(テト、広場にある屋台で美味しそうな匂いがいっぱいするんだよ!何か買ってよ)」


「え~、屋台の食べ物は量から考えると安くないんだにゃ。…でも、ルカが仕留めた獲物が多いし、今回だけだにゃ?」


「(ありがとうテト!大好き!)」


「むふふ~、しょうがないにゃぁ」


 言葉ではそういいつつ、嬉しそうなテト。

 こういうのを人間ではチョロイっていうらしいよ。


「む、何か今失礼な事を考えたにゃ?」


「(ううん、そんなことないよ?テトは優しいなって思ってただけ)」


「ほんとかにゃ~?」


 怪しむ、テトからするりと飛び降りて、くるりと回ってからシュタっと着地。

 我ながら華麗なる一回転だったね。


 テトを先導するように、そこからスタスタと歩いていった。


「あ、ルカ待ってくれにゃ~」


 しばらく歩くと、屋台が見えてきた。

 後ろから抱っこされた。


「あーっ!ルカこんな所にいたのね?すぐ居なくなっちゃうんだから〜」


 抱っこしてきたのは、さっき別れたばかりのアーニャだった。


「女将さんに買い物頼まれてきたの!ルカは、散歩かな?」


 にゃ〜。(そうだよ〜)と返事をした風に鳴いてみた。


「そっかそっか、じゃあ他の猫と喧嘩しないようにね〜」


 そういうと、アーニャは僕をおろしてからまた撫でた。

 アーニャに撫でられると、なんでか気持ちいいので自然とゴロゴロと喉が鳴ってしまう。


「ありゃ、ルカと仲良しかにゃ?」


「ん?ルカを知っているの?」


 後から声を掛けてきたのは、テトだった。

 魔力感知で気が付いてたけど、その前にアーニャに抱きかかえられてしまったので、反応出来なかったよ。


「にゃ〜(この子が、酒場のアーニャだよ)」


「あ、この子がそうなんだね!」


「ん?」


(あっ、声に出てるよ!)


「あっ、しまったにゃ?」


「??何が〜?それより…君はルカを知ってるの?」


 ルカって呼んでるのは、酒場に通う人しか知らない。

 だから、テトがルカと呼んでるのを変に思ってるみたいだ。


 普段は警戒心が強いのに、たまにこういうところが抜けてるんだよテトは。


(僕と会話出来るの人間はいないんだから、バレたらテトはマズイんでしょう!)


「あ…えっと…。そうそう、トーマスさんて人に聞いたんだにゃ!凄い猫って言われてるって!」


「にゃ?君は変な話方なんだね…?その声は、女の子?」


「私はテトっていうにゃ!これは、口癖なんだにゃ。えっと、君は?」


「私はアーニャ!酒場で住込みで働いてるの!…もしかして、テトが浮気相手!?」


「浮気!?一体なんの話にゃっ!!?」


 それから、二人は少し話をしていた。

 どうやら、テトの身長が低いので歳が一緒くらいだと思ってたらしいアーニャ。


 産まれたばかりの仔猫だった僕にご飯をあげて名前を付けた話や、僕が色んな物をとって持ってきたとかを自慢気に話をしている。


「私は森にある小屋に住んでいるんだにゃ。そこにルカも遊びに来てて、トーマスさんに教えてもらったんだにゃ!」


 と、嘘を散りばめて話をした事で変な疑いは晴れたみたいだった。


(危なかったにゃ…、危うくルカの誘拐犯にされるとこだったにゃ)


(口を滑らせたテトが原因じゃないか!)


「そっか、ルカはそんな所まで行ってたんだね!でも、テトのお陰で凍えないで済んだんだね!テト、ありがとうね!」


「ううん、私も猫が好きだから大歓迎だにゃ!ルカが来たらちゃんと世話をするから安心してにゃ!」


 すっかり打ち解けた二人だったが、内心はドキドキもんだったよ。

 本当に口には気をつけて欲しいよ。


「いっけない!女将さんに買い物頼まれてきたの忘れてた!じゃ、行くね?バイバイ、テト、ルカ!」


 自分の用事を思い出したアーニャは、慌ててその場を後にした。


「あの子、いい子だったにゃ。ルカが懐くのも分かる気がするにゃ」


「(そうでしょ?僕がまだ弱い時に飢え死ななかったのはアーニャのお陰にゃ…あっ、そうだ!あそこの屋台で食べ物買っていこうよ!)」


「も〜、しょうがないにゃ。どれがいいんだにゃ?」


 その後は小声で話をしつつ、屋台で売ってる食べ物をいっぱい買ってもらえて、僕は満足するのだった。

気ままに更新中!


面白いと思った方は是非ブックマークをお願いします!

あとは、広告の下の評価ボタン★★★★★も宜しくお願いします~!

~~~~~~~~~~~~

ついにアーニャとテトが出会いました。

そして二人は仲良しになりましたが、一緒に冒険する日は来ないと思いますが…

~~~~~~~~~~~~

ルカ:L15


種族:霊猫 職業:野良猫

ステータス:

 力:75(+50) 魔力:45(+50)

 体力:45(+50) 精神:45(+50)

 速度:150(+50) 技量:90(+50)

 運:30(+50)


所持スキル:


【危険察知】【高位成長促進】【言語理解】【知識強化】

【急所狙い】【爪強化】【牙強化】【大喰い】【潜伏】

【全能力強化】【強運】【精神耐性】【魔力感知】




テト:??


種族:半獣人 職業:猛獣使い(見習い)


 力:?? 魔力:??


 体力:?? 精神:??


 速度:?? 技量:??


 運:??


所持スキル:

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ