第1話 今日もまた、、、
RiRiRiRiRi!!!!!!!!
「あーもう、うるさいなぁーもう少し寝かせt....」え!?!?!?
大音量で音が鳴っている目覚まし時計をぶっ壊したい衝動に駆られつつも時間を見ると針がさしている時間は8時30分。
「あ、これ詰んだわ・・・」
桜の花びらが散りつつあるが、朝は心地よい風が吹いている4月末。窓から差し込む光に当てられ、そんなことを考えてた。
大抵の大学では一限は9時から始まることであろう、そして俺が通っている桜花大学もその例に漏れず一限は9時からとなっている。
そして、今日は月曜日俺の時間割では今日は一限と2限、そして4限が授業である。つまり何が言いたいかというと、、、、、
「もっかい寝るかー」
俺こと、神崎空は今年から大学に通うピチピチのいっちねんせい〜〜キャピ☆☆である。
高身長でイケメン!人生の勝ち組!!、、、
というわけではなく、黒紙で、身長は164センチ55キロと平均よりだいぶ小さく、特別イケメンというわけでもない。
家族だって両親共にフツメンであり、唯一の兄弟である姉も特別美人というわけではなく、ただおっとりしているどこにでもいそうな人である。
ただ親父が会社の中で少し偉い役職についているという点に関しては一般家庭と違うのか?しかし、だからといって大豪邸に住んでいたり昔から甘やかされていたりはしていない。
うちの両親の教育方針として高校を卒業してからは自由にしてはいいが、それまでに常識とマナーを叩き込まれるのだ。
なんて、訳わからないことを考えているとだんだんと目が冴えてきて、動こうという気持ちになった。
俺は今絶賛一人暮らし中である、世の中の大学生諸君は一人暮らしという言葉に心躍るのではないだろうか?
俺もそのうちの1人であり、大学では一人暮らしをしたかったためにわざわざ県外の私立大学を受験したのである。ビバ!!自由!!!
「うーん、1限行ったほうがいいかな?」
俺が住んでいるアパートから大学までは徒歩でおよそ十分。しかし、寝癖がフィーバーしているため髪をセットし、服を着替え、授業の準備をするとなると最低でも20分はいる、、、
現在の時刻は8時55分であり遅刻はもはや確定事項である。
「どうせ遅刻するならもっとゆっくりして行こうかな」なんてことを考えていると、
ピロん!
「ん?今携帯が鳴ったような、、」
枕のそばで充電していた携帯の画面を見てみると、大学で初めてできた男友達の坂之上淳からのlime(通称ライム)がきていた。
淳「おはようさん」
空「ん?どうした?」
淳「いや、教室にいないからどうしたのかと思って」
空「目覚ましが仕事しなかったんだよ、俺は悪くない」
淳「また寝坊したのかよ笑」
空「寝坊じゃない、布団が俺を愛しすぎて離さなかっただけだ、、、」
なんてアホな会話を繰り広げていると、
淳「今日の授業って途中にアンケートするって言ってたよな?紙に書くタイプの、しかも平常点に入るから来たほうがいいって教授言ってなかった?あと、授業終わってからじゃ提出受け付けないって」
あーーーー!!!!!やっべーー!!!!完全にわすれてたぁぁぁぁ!!
空「待っていろ、光の速さで行くから俺の分までプリントもらっておいてくれ、、、」
よく寝坊をする俺みたいなやつからすれば、アンケートだけで平常点がもらえるなんて夢のような話だ。そんなだいじなことをわすれてるなんてぇぇぇー、、
「とか考えてる場合じゃない!!!」
一刻も早く大学へ行きプリントが回収される前にいかなければ!!
そこからは、朝ごはんはもちろん抜きで、朝風呂なんて入ってる暇ねーー!!!水かけて終わりじゃーー!!!そこからファッション、なにそれおいしいのと言いたげなレベルで適当に服を着ていざ大学へ出発!!!!
「はぁはぁはぁ、、、授業開始から15分遅れか、ギリギリだな」と考えつつ教室の扉を開ける。
高校の時とは違い、大学とは割と遅刻者も多く教授もいちいち相手していないのでさほど注目を集めることはない。
えーーーと、淳はどこだろう、、、なんて考えていると教室のやや後ろの方の窓際に座っている淳を見つけたのでそこへ行き、隣へ座る
「おうおう、だいぶ社長出勤じゃねーかこの野郎」
「主役は遅れて登場するもんなんだよ」
「その主役さまは偉く汗をかいているようだが?笑」
「しかたねーだろ、走ってきたんだからよ」
そんな会話を繰り広げつつも、淳から受け取ったプリントを受け取り、質問に対して記入していく。
そしてそのまま授業を聞き、授業が終わるとプリントを提出し教室を出た。
「空って確か2限も授業だったよなー?」
教室を出てそのまま歩いていると隣を歩いていた淳がそんなことを言い始めた。
「あーそうだけどそれがどうした?」
すると淳が、「俺は2限が空きだからテキトーなとこで時間潰してるわー、昼飯の時間にまたライムしてくれなぁー」と言ってきたので、
「おっけー」
ちなみに4限は同じ授業なのでいつも一緒に受けている。そんなことを考えていると次の授業の教室に着いたので、「それじゃまたあとでな」と淳に言うと、「あいよー」と言いながら淳はそのまま歩いて行った。
次の授業がある教室へ入り、後ろの方に行くのも面倒なので前の方に座った。いや、別にぼっち授業だからとかじゃねーし、ただ後ろまで行くのがめんどくさいからだし、、
なんて、誰得の脳内ツンデレを1人で繰り広げていると急に隣から「よーーーーっっす!!」なんて掛け声と共に肩を叩かれた。
いったい誰だ?と思いつつその人物の顔を見てみると、「あー!雪菜かよ!!、びっくりしたー」そこには身長はおそらく150センチ半ばであろうが、顔は整っており、少し明るめな茶髪をポニーテールにしており、足は長くて、出るところは出ているアイドル顔負けの抜群のスタイルを誇る美少女がいた。
「てか、空もこの授業取ってたんだーー!よかったー知り合いいて、ぼっち授業になるんじゃないかって心配だったんだよねー」と、圧倒的陽キャ感を出しながらも自然に隣に座ってくる美少女さん。
ん?先週俺は入り口の近くに一人で座っていたけど雪菜は見なかったような、、、もし雪菜が入ってきたらなんか、こう、オーラで分かるし、、なんて思いつつ「ん?先週の授業いたか?」と、雪菜に尋ねてみると、「先週はねー寝坊しちゃてさぁーー」あはは〜と誤魔化すように笑う雪菜である。こんな美少女と俺がなぜ接点があるのかは後で説明するとして、
まぁ大学生あるあるでもあるし、納得もしたところで、ちょうど教授も教室に入ってきチャイムとなった。ちなみに俺は、寝坊さえしなければ比較的真面目に授業を受けるタイプの人間である。雪菜はというと、、、
「むにゃむにゃ〜〜、もう食べれないよ〜えへへ」
…まぁ、想像通りである。そしてそのまま時間は過ぎていった