幼馴染なんだから付き合ってよ!
まさかあんなに高評価を頂けるなんて思ってませんでした(ガクブル
「幼馴染ってだけで付き合えるとか思うなよ?」の美香(幼馴染)視点です!
私、九重美香は幼馴染の結城志音の事が大好きだ! 志音は誰にでも優しくて聡明で文武両道の完璧さんだ。
結婚しようと今すぐプロポーズされても何の戸惑いもなくうんと言える自信がある。
私はそれぐらい志音の事を愛してるのだ!
昔のことだけど私は志音に一度告白されている。告白された時はただの幼馴染にしか思ってなかったけど、中学校に上がってから志音のことが気になって気になってしょうがなかった。
私は志音に惚れていたのだ。でも、告白を断ってから私は志音に避けられるようになってしまった。
告白を断ったのは悪いと思うけど、それは酷いと思うな! ぷんぷん!
多分志音には嫌われてしまったけど、志音にまた好かれるように努力しているのだ。
朝は毎日志音を起こしに行く。一度、あまりにも志音の寝顔が美しすぎて思わずキスしようとしてしまった。そして、キスをする寸前で志音が起きてしまったのだ。
そのせいで今では私が来る前に志音が起きているのだ。はぁ……もう鍵も何回も変えられたしなぁ。変えられても義母さんに愛鍵、もとい合鍵を作ってもらうからいいけどね。
そして、起こしたら朝ごはんを作るのだ。これも毎日やっている。志音の両親は共働きで朝早くから仕事があるから朝ごはんが作れない。だから私はが志音の将来の嫁として志音のご飯を作っているのだ!
志音には嫌われているけど、これでも料理の腕はいい方だから、志音もちゃんと美味しいと言ってくれる。
私は志音の笑顔でご飯三杯は余裕だからそれだけで満足だ。
学校も一緒に行く。と言っても、志音は私に合わせてくれないから私が付いて行く感じになるんだけどね。でも、最近少しだけ志音がペースを落としてくれる。進展ありかと思ったけどよくわからなかった。
学校に着いたら志音を見て女子生徒とが「きゃー! 志音様ー!」と甲高い声を上げて志音の登校を喜ぶ。
実は志音のファンクラブはかなり大きい。私は会員ナンバー1だけど、一番下は千を超えるとか。他校の生徒や教師、更に男子も……加入しているらしい。やっぱり、志音は凄い!
そんな志音が靴箱を開けると大量のラブレターが落ちて来る。いつの時代だよ! ってツッコミたくなるけどそれは気にしちゃいけない。
あっ、私の靴箱にも入ってる。
私はラブレターを志音に見せつけながらチラチラと視線を送ってみた。けど、完全スルーだったよ……
そんなこんなで授業が終わってお昼休みになった。私はチャイムが鳴って日直の号令が終わった瞬間にお弁当を持って駆け出す。場所は勿論愛する志音の元だ。
「志音! お昼一緒に食べよっ!」
「うぅ……私も志音君と食べたいけど……」
「美香ちゃんが相手じゃなぁ……」
「くぅっ! 結城が羨まし過ぎる!」
「くそっ、九重さんという美少女幼馴染とかズルすぎだろ!」
私は志音の隣の人に席を借りて机をくっつけて一緒に食べる。
「はい、あ〜ん」
志音に食べさせてあげようとするがスルーされてしまう。なんでぇっ!
そんなことを思っていたら志音が笑顔で私にあ〜んをしようとしてくれていた。
「はいあーん」
「おぉ、神よ」
私が食べようとした瞬間に志音は真顔に戻って箸を自分の口に運んだ。
私が絶望していると志音がまたとびきりの笑顔で言ってくれた。
「あげると思った?」
くっ、酷い! でも、なんだろう……この気持ち……なんだか気持ちいい……?
新たな扉が開きそうだな。
「じゃあ、もう食べ終わったから帰って」
うぅ、酷い……。
私は志音の教室をポイと投げ出されるようにして追い出された。
そのまま授業も終わって放課後になった。志音はまた用事で校舎裏に行くらしい。やっぱり志音はモテるからなぁ……告白だよね。絶対。
だから、私は何も言わずに待つことにした。十分ぐらいしたら志音が戻ってきたけだ、女の子と一緒じゃないから付き合ってはいないよね! そう思って私は志音に声をかけた。
「シーオンっ! 一緒に帰ろ!」
「……」
えっ!? スルーされたぁ!?
「ちょ、ちょっと! なんで無視するの! 一緒に帰ろうよ!」
それでも無視して帰ろうとするから私は必死に志音の腕を掴んで志音の了解を求めた。
「お願いぃ! 志音ぅ!」
「なぁ、美香。何故俺と一緒に帰ろうと言うんだ? それに別にお前俺の彼女でもないだろう?」
私の必死のお願いも虚しくそう一掃されてしまった。でも引き下がるわけには行かないのだ!
「そ、それはそうだけど……私は志音のこと大好きだよ! 親愛とか家族愛とかそういうのじゃなくて、異性としてだよ!」
「はいはい、分かったから」
「もう! 本当だよ!」
絶対分かってない……志音のことが好きだから何回も告白はしてるのに全部振られちゃうし……よし、もうプロポーズだ! それ以外に方法はないかもしれない!
「志音! 愛してる! 結婚しよう!」
ふふっ、多分志音は告白じゃなくてきっとプロポーズを待っていたんだ。だからプロポーズすればきっと!
「なぁ美香」
志音が笑顔で言った。こ、これは! やっぱりそうだ。志音は私にプロポーズをして欲しかったんだ!
そんな期待を向けて志音の次の言葉を待っていたら、返ってきた言葉は全く想像も付かない言葉だった。
「幼馴染ってだけで付き合えるとか思うなよ?」
うぅー! もう何でさ!
「幼馴染なんだから付き合ってよ!」
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