試験開始!
「おや?皆さん驚きましたか?
急ぐ者はこの救世主に入りません。
急げば死が訪れますよ、救世主というものは落ち着きというのが必要ですので。」
マトさんは何も無かったように普通に歩き出した。人が消えた場所を通っても何も起きなかった。多分そうゆう仕組みになっているんだろう、俺達もマトさんの後ろに付いていっても何も起こらなかった。
多分これも試験なんだろう、
俺達は長い白い通りを通り大きな扉が開かれた
「此処が、試験場です。
ここで試験するのは己の力、
皆さん〝能度〟は知っていますよね。」
能度?何だそれ
俺は隣にいたノアに聞いた。
「能度ってのは簡単に言うとその人の力を数値で表す事を能度と言う。
五十以下は一般人ぐらいで、五十以上は騎士レベルだ。
高ければ高いほど強いという証だ。
それが能度だ。」
なんとなく分かった。
いわゆる人の力を数字で表すことという事だろう。多分、
マトさんは番号順に並んでくださいと声をかけた。
このカードはこのためのヤツだったの?
「あ!言い忘れてました。
五十以上いかないものは不合格ですので。」
マトさんがそう声をかけても誰1人不合格にならないと言っているように見えた。
さすが、救世主になろうとしている人達だなと俺は思った。
ノアとケインを見てみるが
ノアは自信がある表情をしていた。
ケインはどこか不安な表情だった。
俺なんかバックバクだぜ?心臓持たないわ。
俺は異世界に来たただの一般人、でももしかしたら特典が付いてるかもしんね!
と自信をつけていた。
30人ぐらいの人が試験を受けたが全員不合格だったらしい。
どんだけ厳しいんだよ…
「32番。」
「う、俺だ……」
どうやら32番はケインらしい。
大丈夫かな……と呟きながら、マトさんの前にたった。
マトさんは眼鏡をつけていた。
ノアから聞くにあの眼鏡を付けたら数値がわかるらしい。便利だな。
そしてマトさんから出た言葉は
「132……」
百を超えていた。
ケイン嘘でしょ!マジで!と大声をあげていた。
周りの人達は嘘だろ!あの餓鬼が!などと驚きを隠せなかった。
「次、38番」
俺は38番と呼ばれた男を見た。
男は高身長でヒールを履いているから余計に背が高く見える。服装は胸元は見えないがへそが見えるような服装だった。なかなか奇抜だ。
マトさんは男を見ると細い目を大きく開けた。
顔は驚いているようだ。
「……3140……」
ドワ!マトさんが男の能度を言うと、周りは騒ぎ始めた。
当たり前だ、騎士も超える力ナニモンなんだあの男は……。
俺も驚きを隠せずにいた。
ノアを見ると変わらず冷静だった。
やっぱりすげぇなノアは、びっくりする所でも落ち着いているって俺には無理だなーと俺は思った
「兄貴と互角か……」
ボソッと聞こえたノアの声。
ノアに兄貴がいるんだなーって互角!?
え!ノアの兄ちゃんとあの男と互角ってどんだけ強いんだよノアの兄ちゃん!!
俺はあんぐりと目を見開いてノアを見ていた。
世の中は……広いな。
「79番」
とうとうノアの番だ。
ノアなら余裕でいきそうだ俺の気持ちには不安はなく行ってこーいという気持ちだけだ。
ノアは強いと思っているからだ。
「1080」
やっぱりなでも予想外だった。
まさか1000まで行くとは思っていませんよ!?
どうしよう!俺絶対無理!!!
あーだこーだ思っていると次は俺の番だと気づきマトさんの前に立った。
「今年は優秀な人が多いいですね。
君も」
「え?」
「1112、そのぐらいの歳でそんなにはいきませんよ。」
俺の能度は1112だと…!!!
想像超だった。ケインと同じぐらいだろうなーって思ってたけどバリバリ強いじゃん!俺!
あー!
ユダヤ嫌な奴だと思ってたけど今は有難うー!
嫌いだけど。
クククと不気味な声を上げながら、俺を見つめる38番というカードを持つ男は舌を舐め回していた。