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五行国物語 作者:maya
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本番

これから、本番が始まる。

「嫌だなあ…」
はっきり言って全く気乗りしない。修行はしたものの、したくてしたというより、必要に迫られたからだ。
しなくては殺されただろうし。
でもなんだろう。変に余裕があるというか、ガチガチには緊張してないな。

「来たわね」
凛とした声が、鼓膜を揺らす。
「それはまあ、そういう雰囲気だしね。後、逃げ出すのは、勇者らしくないし」
出来る限り虚勢を、張る。
そうでもしていないと、足が竦んでしまいそうだから。
そうでもしないと、逃げ出してしまいそうだから。
だから自ら、退路を断つ。

でも、はっきり言って、僕がこんなにも義理立てて、彼女と戦う理由なんて、無い気がする。
別に命を救われた訳でも、共に戦った訳でも、なんでもないのだ。
何故この場に、立ち続けているのだろう。

「…やろっか」
「あら、準備は何もしてなさそうに見えるけど、いいの? そんなにも急ぐ必要は、何処にも無いのよ?」
少しだけ、薄ら笑いを浮かべた彼女の顔は、煌煌とした炎に照らされて、この世の物とは思えないほど、美しかった。
その笑みに含まれた意味は、冷笑だろうか、嘲笑だろうか、失笑だろうか。何にしても、良い意味ではないんだろう。

「…いいよ、別に。君に何を考えても、通用しそうにないし」
初めて出会った頃の彼女は、とても頭が良さそうには見えなかった。完全にアホ丸出しだったし。
でも、今の彼女には、そんな面影は無い。
彼女もリリイみたいに、演技をしてたのだろうか。

「……2人とも準備は良いみたいだな」
様子を伺っていた老婆が、重たそうに口を開く。
なんだか随分と久々に声を聞いた気がする。
「私は準備してない時なんてないわ」
薄く笑うアマリリスに、少しだけ恐怖した。戦闘態勢に入ったといったところだろうか。
「僕も、さっき言った通りだよ」

僕の言葉を聞き終えた老婆は、深く頷く。
「あいわかった」
そう言うや否や、アマリリスの周り以外の松明に、火が灯った。

「………ゆくぞ、存分に殺しあえ」

…物騒だ。

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