表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亡国のレガリア  作者: 望月まろ
2/4

地図にない場所

長期連載予定です。よろしければ最後まで見てやってください

ー時は流れ100年後の世界。





世界は未だに人間同士の争いが絶えず、北の帝国「オラド」と南の商業大国「ウーダン」によるお互いの利益の為の戦を繰り広げていた。



一説にはオラドとウーダンの国境付近には未だに観測できていない「地図にない場所」があり両国はそこに眠るとされている絶大な魔力を持っている財宝を取り合っているという。


だが財宝を求めその地に踏み入った者たちは誰1人として戻ることはなく、送り込んだ先遣隊は次々に消息を絶った。両国は次第に睨み合いの状況になり、不毛な争いが長引くばかりだった。





財宝の名は「レガリア」と呼ばれていた。





そしてまた、レガリアを求め地図にない場所に足を踏み入れようとする影があった。





オラド領土・ウーダン国境付近〜オドニミ平原〜





「…ふぅ、どうやらこの辺りのようだな。」

そう言って立ち止まり青年は地図を広げる。


「リーオ様。この辺りはウーダンとの国境付近でもあります。フードを被り、周辺の注意を怠らぬよう。」




「ん?」




そう言われた青年、リーオは声のしたほうを振り返る。皮で作られた旅装束に身を包み腰にはやや幅広の片手剣「ブロードソード」を携えている。

左手には小型盾「バックラー」を装着しており、吸い込まれるようなブルーの瞳に髪はブロンドの髪をやや長めに伸ばしてある。ごく普通の旅人といった装備なのだが、どこか気品を感じる、といった印象を受ける。リーオは皮肉っぽい顔を作り口を開く。

「俺に何かあったときは、お前がなんとかしてくれるだろ、メリル?」




メリルと呼ばれた少女はため息をつく。こちらもリーオと同じ様な旅装束に身を包んでいるがこちらの方が動きやすそうである。背中には弓と矢を携えており、黒っぽい髪を肩まで伸ばしてある。

「それはそうですが、ある程度はご自身で身を守っていただかないと困ります。」




「お前の腕を信頼してるんだよ。」

リーオは辺りを見渡す。幸いオドニミ平原は見通しがよく、敵襲にはいち早く気づけるだろう。

「それに父上殿が言うには、レガリアとやらをウーダンより早く見つけ出すことができればこの馬鹿げた戦争も終わるんだ。さっさと探し出さないとな。」




リーオはそう言い放ち、その言葉を聞いたメリルはわずかに表情を曇らす。長く続くウーダンとの戦争の要員がたった1つの財宝だというのだから、人の欲望は計り知れない。





「とはいえ、先に行った先遣隊の隊長ミダースから連絡が途絶えたんだ。ここからは慎重にしなきゃな。」

ミダースは「閃光の刃」の異名を持つオラド随一の実力を持つ騎士だ。最悪の事態になっているとは考えにくいが、何かトラブルがあったと見て間違いないだろう。



「ミダースは闇を払う力に長けています。全滅はしてないと思いますが…敵と交戦中なのかも知れません。」


「そうだな。早く合流してやらないと…」

そう言いながら進んでいたリーオは違和感に気づき立ち止まる。おかしいと思ったのが、さっきまで晴れていた空がいつの間にか重くのしかかるような暗雲に変わっていたのだ。辺りに色の濃い霧が立ち込め始めていた。メリルもすでに弓を構え矢をつがえている。




「リーオ様。警戒を。」


「わかってる。だがこれは…」

リーオは振り返る。背後にもいつの間にか霧が立ち込め、最早自分がどこを向いているのかさえわからないような状況になっていた。

なるほどな、とリーオは舌を打った。




「どうやらここがそうらしいな。」冷や汗が頬を伝った。




一説にはオラドとウーダンの国境付近には未だに観測できていない「地図にない場所」があり両国はそこに眠るとされている絶大な魔力を持っている財宝を取り合っているという。


だが財宝を求めその地に踏み入った者たちは誰1人として戻ることはなく、送り込んだ先遣隊は次々に消息を絶った。両国は次第に睨み合いの状況になり、不毛な争いが長引くばかりだった。





財宝の名は「レガリア」と呼ばれていた。

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ