危険人物対馬鹿な娘!
どうも、第二話です
この世ほど理不尽な世界はない。出来すぎても、出来なすぎてもペナルティをくらう位の理不尽さだ。強制的にまわりに合わされ、自分の考えでも言ったら、異常者だと石をぶつけられる始末。だから、この世界は俺にとって心地がいい。俺みたいに、周りに自分の意見を合わせるのが得意な嘘つきにとっては。
突拍子もない話であるが、この俺、羽白一は殺人を犯した。そりゃまあ、見事なまでの殺しだったといってもいい。首を絞めて殺したのだ。今でも、殺した感覚が残っていて気分が悪い。どこかにしばらく身でも隠しておくかとか考えていた俺の目の前を小さいガキが遮った。当然、俺は殺人をした後だし気も動転していて走っていた。するとどうなるか。お考えの通りだ。ぶつかってけがをする。それはこの状況を考えたら最も悪い一手であり、絶対にしちゃいけないことだ。「気を付けよう、殺人後の子供の接触」だ。だから俺は、ガキをケガさせないように、無理やり避け、地面に盛大に突っ伏した。
「あの、大丈夫ですか?」俺の上から声がした。当然飛び出してきたガキの声だ。俺は紳士だしこの程度で怒ったりなんてしては大人げないと思いつつ返事をした。「これが大丈夫に見えるなら、お前は目を治療してもらったらいいぞ。クソガキ・・・」
大人げなかった。うん、その点に関して俺は大いに反省している。まあ、嘘だけど。手についた砂利をはたきながら、立ち上がって俺はその子に向かって言った。「君、いきなり走っている人の前に飛び出してきたら危ないじゃないか。僕は今から大急ぎでスーパーの大安売りの卵を買いにいかないといけないんだぞ。」すると、その利発そうな顔をした少女は、きょとんとしながら言った。「スーパーに卵を買いにですか?」「ああ、そうだよ、僕にとって卵は世界で一番好きなものだからね!」「しかし、あなたが、今行かなくてはならないのは交番じゃないんですか?」
おい、今なんて言ったよ、このガキ・・・まさか俺の犯行現場を見ていやがったのか。まずい、まずいぞ。こいつは、今こそかわいこぶってるけど、ここで変に嘘を言ったらこいつに通報されるかもしれない・・・こうなったらいっそのことこいつも殺すか。その前に一つ騙してみるか。なぁに、俺も好んで殺生する気はないからここでうまいこと騙しておけば、殺さずに済む。「お嬢ちゃん、僕が一体何をしたっていうんだい?」次に少女が言い出す言葉にもよっては何もしなくて済む。「あなたは、あそこにいた人を首で絞めて殺していたではありませんか、何を言い出しているんですか」予想以上にきつそうだった。ならば「あの人はね、実は凶悪な犯罪ささんだったんだよ。僕が殺されそうになったから殺したんだ。だから、正当防衛ということになるから罪にはならないんだよ。」「なるほど、そうだったんですね!」・・・・あれ、この娘、人信じすぎじゃない?
人を信じるということはそれだけでリスクを得ることになる。
終わり




