音界、音海
夜。静寂。
暗く、音もない世界。
しかし不思議と居心地は悪くない。
耳にイヤフォンをはめて音の海に飛び込む。
静かに、緩やかに、だんだんと、軽やかに、ゆっくりと、深く、深く、深く。
音の海に落ちる。
無数の泡が私の体を優しく、時に鋭く撫でて行く。
それと同時に音色を奏でて行く。
泡が生まれて、弾けて、消える。ド。
泡が生まれて、弾けて、消える。ミ。
泡が生まれて、弾けて、消える。ソ。
時に小さく、時に大きく、時に早く、時に遅く、時に短く、時に長く。
音が生まれて、弾けて、消える。
音で満ちた音の世界。
ここは音界。
音で溢れた音の海。
ここは音海。