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八神物語   作者: 雷嵐
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魔王覚醒4

第4章 衝突




 ヴェルとミアが六本木を出て3日が経過した。

 道に迷わないように海沿いを進んだ為、カシマまではまだ遠かった。

 そして4日目の朝。ヴェルとミアは宿にしていた廃屋から出た時、男女の二人組と遭遇した。男の方はメガネに黒のスーツでネクタイまで着用した若いビジネスマンのような風貌で、女の方は大人しいイメージで服装はどこかの学校に有りそうな制服姿(ブレザーにスカート)だった。

 ヴェルはミアを庇うようにし後ろに下がらせ、睨み付けると言った。

 『何者だ』

 ビジネスマン風の男は嬉しそうに顔歪め言った。

 『良いね! その剥き出しの闘志! 流石は魔王と言った所かな? ふふ』

 『何!?』

 ヴェルは焦った。こんな所で自分が魔王だと知っている者と逢うとは想定していなかった。

 そしてこの遭遇が意味するところは1つ。

 『早速で悪いんだけど、僕に殺されてくれない? ふふ』

 ビジネスマン風の男が人間である可能性は極めて低い。

 人間の多くは、帝国ギアガナン、ユニオンに関係なくセイフィリタ教を信仰しており神族の管理が行き届いている限り人間が魔族を知っている筈がないのである。

 だがヴェルにとっては相手が誰であれ関係無かった。

 ヴェルは後ろに隠したミアの頭を撫でながら言った。

 『貴様が何者かは知らぬが...死に急ぐ事もあるまい。早々に立ち去るがよい』

 しかしビジネスマン風の男はヴェルの言葉を無視し言った。

 『出来れば君と1対1がいいなぁ〜。 女の子には戦わせたくないし、戦いたくもないし! 弱いから!』 

 その言葉に今まで黙っていたミアと女が反応した。

 『女だからって弱いとは限らないのだ』

 『キョーヘイさん、女だから弱いと言うのは理にかなっていませんよ?』

 ミアはそう言うと腰に帯びた刀を抜き出し、ヴェルの前に出て言った。

 『ヴェル、あのキョーヘイとか言う男は僕に殺らせて欲しいのだ』

 キョーヘイと呼ばれた男は女の方と言い争いを続けていたが、ミアの言葉を聞き始めて笑顔崩し睨み付けると言った。

 『女子供に僕を倒せると思ってんの? 舐められたものだね』

 女の方も、ミアに言った。

 『そこの女の子。やめといた方がいいわ。 キョーヘイさんは本当に強いから』

 しかしミアは止めようとはしなかった。

 『やめないのだ』

 キョーヘイと呼ばれた男と女はやれやれといった感じに首を振るとヴェルに向かって言った。

 『止めなくていいのか? 女子供とは戦いたくはないけど戦いになったら...殺すよ?』

 『その子、貴方の...妹? それとも娘さん? 殺されたくなかったら止めた方がいいわよ』

 ヴェルの中で何かが切れた。

 『随分と過小評価しているようだが...1つだけ言っておく。戦闘の能力だけだったら我よりミアの方が強い』

 そして、言った。

 『ミア、殺れ』

 ミアは頷くと一歩目を踏み出したと同時に消えた。

 気づいた時にはキョーヘイの正面にいた。そして、刀を横へ薙いだ。

 必中の速度で飛んできた斬撃をキョーヘイは片手で止めていた。

 キョーヘイは少し驚いた表情で言った。

 『なんだ、なかなかやるじゃないか! だけど甘いよ?』

 キョーヘイは言うと、右手で掴んだ刀を力任せに握った。

 『!?』 

 ミアは焦りを浮かべた。

 暗黒物質により精製された刀を握力で破壊しようしているのだ。

 しかもピキピキと刀は悲鳴をあげ始めた。

 『ま、不味いのだ』

 ミアは刀を離すと、距離をとった。

 しかし、その瞬間にはキョーヘイがミアの刀を握りミアへと突進してきていた。

 絶対に回避が間に合うタイミングでは無かった。

 キョーヘイも勝利を確信していた。

 だがキョーヘイはミアの瞳見てしまった。

 それだけがキョーヘイの敗北の原因であった。

 【邪眼】(イビルアイ)

 魔族のメデューサと呼ばれる種族が持つ先天的能力。相手と目を会わせる事で発動し、相手の感覚と言う感覚を一定時間奪う。より強い魔力を有していると相手を石化させたり、息のねを止めたりする事も出来る。

 キョーヘイの意識は一瞬にして消え、地面へと崩れ落ちた。

 女は何が起こったか分からないと言った顔で呆然としていた。

 ヴェルはキョーヘイを睨み付けたまま固まっている、ミアの側まで行き髪撫でた。

 するとミア泣き出し、ヴェルに抱きついた。

 『また...使って..グスん...しまったのだ』

 ヴェルはミアを強く抱き締めた。

 『すまぬ、ミア』

 ヴェルはミアを抱き締めたまま女に言った。

 『女。勝負は預ける。キョーヘイとか言ったな。もう少ししたら目が覚める。伝えておけ、次は我が相手をすると』

 女は何かを言い返そうと口を開いたが目の前には横たわるキョーヘイ以外の姿は無く、脳に魔王の声が響いた。

 (今日の埋め合わせは後日する。異論は認めん。去らばだ)


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