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第6部
「ここが、トマトン王国…」
馬車に乗って3時間ほど経って、ようやく目的地に到着した。
途中、アクシデントがあったが(といっても俺が姉さんに殴られていただけだが)、無事に着いて良かった。
国に入って、まず目に入ったのは赤い建物、緑の屋根。その光景はまるで…
「…トマト、よね」
「…トマト、だな」
良くみるとトマトのオブジェやトマトの噴水などがある。どれだけトマトが好きなんだか(でもやりすぎ感が大いにある)。
国の中で俺たちはとても目立っていた。何故なら、髪と瞳の色が違うからだ。
トマトン王国の人々は赤やオレンジ色の髪に緑の瞳だけど、俺たちは銀髪で水色の瞳だ(ソルト義姉さんは髪も瞳も俺たちより少しだけ蒼い)。
「あの、早く帰りませんか…?」
人見知り(というより若干対人恐怖症寄り)のソルト義姉さんが俺の袖を引っ張り、涙目でシュガー姉さんに訴えていた。
「そうね、そうしましょう」
ソルト義姉さんが怯える理由は分からないが、この国から早く出ることには賛成だった。