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第9話:勇者の国への道、あるいは美しき盾の決意

魔王城を脱出し、一夜明けた荒野。 全ステータス1のショウにとって、この世界の「外」はあまりに過酷な場所でした。 そんな中、ショーベルは次なる目的地――魔王の天敵たる「勇者の国」への強行軍を提案します。

 朝日が目に染みる。

だが、その光が照らし出したのは、豪華な客室の天井ではなく、湿った岩肌と、どこまでも続く殺風景な荒野だった。


「……死ぬ。マジで死ぬ。昨日の筋肉痛が、今になって本気出してきた……」


 俺は地面に這いつくばったまま、枯れ果てた声で呟いた。

魔王城を脱出して数時間。ショーベルに抱えられて走った衝撃と、昨日からの疲労が重なり、俺のHPは間違いなく赤ゲージだ。昨夜までの「魔王城のアイドル」という肩書きが、遠い前世のことのように感じる。


「しっかりしろ、ショウ。追っ手がいつ来るとも限らぬ」


 傍らで周囲を警戒していたショーベルが、俺を気遣うように膝をついた。甲冑を脱いだ彼女の横顔は、朝日に照らされて息を呑むほど美しい。


「……ショウ、これからのことだが。我々は『ゼラ・ルミナス王国』の王都、シャイニールを目指すべきだと思う」

「ゼラ・ルミナス……? 確か、勇者の国でしたっけ」

「そうだ。光の神ルミナスを信奉する最大の人間の国家だ。あそこなら、転生者であるお前を保護してくれる可能性がある。魔王様の……いや、ゼニスの追手も、流石に勇者の本拠地までは容易には踏み込めまい」


 ショーベルの提案は理にかなっている。魔王が俺を「危険」と判断して消そうとしているなら、その天敵である勇者の元へ逃げ込むのが定石だろう。

だが、俺には一つ、どうしても気になることがあった。


「……ショーベルさん。それ、あなたの身が危なくないですか?」

「私、か?」

「だって、ショーベルさんは魔族……しかも魔王軍の幹部だった人だ。人間の国、それも勇者の都なんて入ったら俺を保護するどころかあなたを真っ先に討伐しようとするんじゃないですか?」


 俺の言葉に、ショーベルは一瞬だけ驚いたように目を見開いた。自分の身を案じられるとは思っていなかったのだろう。


「……構わぬ。お前を守るのが、今の私の使命だ。お前が安全になれるなら、私の首など……」

「ダメですよ、そんなの! 俺のために誰かが犠牲になるなんて絶対にダメです。ショーベルさんも、俺も、二人で助かる方法を考えましょう」


 俺は痛む体にムチ打って、なんとか上体を起こした。

魔王に裏切られた。でも、ショーベルさんは俺を救うためにすべてを捨ててくれたんだ。彼女を死なせるわけにはいかない。


「とりあえず、まずは王都へ向かいましょう。でも、無理だと思ったらすぐ別の手を考えますからね。……魔王様の手が届かない場所まで、なんとか逃げ切りましょう」

「……ショウ」


 ショーベルが、困ったような、でもどこか嬉しそうな微笑みを浮かべた。

29歳、成人男性。ステータスは「1」のままだけど、俺には守らなきゃいけない「一番のファン」ができてしまったらしい。


(神様、見てるか。俺をどん底に落としたつもりだろうけど、俺はまだステージを降りてないぜ。……あんたが作った絶望、本当に弱すぎるんだが!)


 俺はショーベルに肩を貸してもらい(実際はほとんど支えられながら)、勇者の国を目指して、荒野を一歩ずつ踏み出した。


第9話をお読みいただきありがとうございました!

魔王の追撃を逃れるため、危険を承知で勇者の国を目指すことに決めた二人。 魔族であるショーベルをどう守り、人間の国へ入るのか?

次回、お楽しみに。

面白いと思っていただけたら、ぜひブクマや評価をお願いします!

※AIとの共同執筆作品となります。


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