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第2話:牢獄の待遇が、下積み時代よりホワイトな件

【前書き】

第1話ではまさかの牢獄行きとなったショウ。 しかし、29歳のアイドルは伊達じゃありませんでした。 魔族相手に「営業スマイル」は通用するのか? そして謎の暗黒騎士の正体とは――。


 ガチャン、と重苦しい鉄格子の閉まる音が地下牢に響き渡った。

ドームのセンターから一転、湿っぽくて暗い牢獄のセンターへ。人生のアップダウンが激しすぎて耳抜きが間に合わない。


「……あの、 俺、本当にただのアイドルなんです。勇者じゃないんです……!」


 鉄格子の向こう、通路に立っていたのは牛のような角を持つ巨漢の看守だった。背には身の丈ほどもある斧をぶら下げている。

看守は鼻を鳴らし、俺を睨みつけた。


「静かにしろ、成人男性。魔王様の慈悲で生かされているのだ。……ほら、飯だ。さっさと食え」


 差し出されたのは、木の器に入ったスープと、一切れの黒パン。

毒でも入っているのかと怯えながら口に運んだ俺は、その瞬間、目を見開いた。


「……え、うまい」


 スープには野菜がゴロゴロ入り、パンもしっかりと小麦の味がする。

……待てよ。十年前の、電気も止まって水で空腹を凌いでいた頃の俺の食事より、数倍豪華じゃないか。


(下積み生活より、魔王様の牢獄の方がホワイト企業なんだが。……)


 俺は思わず、看守に極上の営業スマイルを向けた。


「あの、お食事ありがとうございます。すごく美味しいです。もしよろしければ、これを作った方に『最高でした』とお伝えいただけますか?」

「……っ!? 貴様かわってるな……」


 看守がたじろいだ。ステータス1の俺の笑顔が、看守にとっては眩しすぎる攻撃になったらしい。

 その時、通路の奥からカツン、カツンと鎧の響く音が聞こえてきた。

現れたのは、魔王と一緒に居たあの黒い騎士だ。


「……下がれ。私が話そう」


 看守が逃げるように去った後、黒い騎士は兜を脱いだ。

中から現れたのは、意外にも端正な顔立ちをした美女だった。鋭い眼光だが、どこか理性的な光を宿している。


「私は暗黒騎士ショーベル。この魔王城の警備と、お前の身辺調査を任された」

「あ、どうも。銀城ショウです。……えっと、ショーベルさん? 名前、ちょっと似てますね。ユニット組めそう」

「……お前のステータスを見た。全項目1。あり得ない数値だ……お前、何しに来たんだ?」

「こっちが聞きたいです!気が付いたら魔王様の前でした!」

「転生者か……? 貴様、やはり何か隠しているな」


 ショーベルは訝しげに俺を凝視した。

どうやら、俺がただ必死に「勇者じゃない」と言っていることが、この世界の強者たちには「嘘」に見えているらしい。


「いいか、ショウ。光の神は現在、新たな勇者を仕立て上げようと躍起になっている。お前のような『普通の人間』が手違いで魔王城にいると知れば神も驚くだろう」

「……俺、手違いなんですか……」

「だが、ゼニス様はお前を気に入られたようだ。……不憫すぎて見ていられない、とな」


 同情! またしても同情だ!

29歳のプライドが少し疼くが、背に腹は代えられない。


「ショーベルさん、お願いします。俺、この世界のこと何も知らないんです。ここで掃除でも何でもしますから、開放してください!」


 俺は鉄格子を掴み、必死に訴えた。ドームで培った、四万人の心を掴む「熱量」を一点に集中させて。


「…………。しばらく、私の監視下に置く。牢からは出してやるが、城からは出るな。いいな?」


 俺の異世界デビューは、牢獄からの「仮放免」というシュールな形で幕を開けた。

神様、あんたが捨てた俺は、案外こっちで上手くやれそうだぞ。


第2話をお読みいただきありがとうございました!暗黒騎士ショーベルを丸め込んだショウ。

次回、お楽しみに。

面白いと思っていただけたら、ぜひブクマや評価をお願いします!

※AIとの共同執筆作品となります。


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