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第19話:崩壊の暗黒騎士団、あるいは神の縫合

偵察に赴いたショウとショーベルが耳にしたのは、信じがたい報せでした。

処刑されるのは、ショーベルがかつて率いた暗黒騎士団の幹部たち。

魔王軍の内部抗争、そして窮地の副隊長との再会。


 新しい衣装をまとい姿を見えなくして街道を堂々と進むが誰にも気づかれない。衣装づくりはうまくいったようだ。

街道の影に潜み、魔族の斥候たちの会話を盗み聞きしていた俺たちの間に、凍りつくような緊張が走った。


「……聞いたか? 明日の王国での処刑、メインはあの『暗黒騎士団』の幹部共だそうだ」

「ああ、ショーベルが人間と逃げたせいで、軍内部で反乱分子扱いされて叩き潰されたらしいな」


 ショーベルの拳が、みしり、と音を立てて握りしめられる。

 処刑されるのは、彼女の腹心たちだった。


豪槍のギルガス: 最前線でショーベルの盾となった、三眼の巨漢。

潜影のシノ: 影の中に潜み、軍の耳目を担った小柄な猫人。

雷弓のフェイ: 千メートル先から針の穴を通す、冷静沈着なダークエルフの射手。

冥界の導き手、ヴァルカス: 闇魔術を操り、後方の守りを固めていた寡黙な魔術師。


 王国の人間に遅れをとるような連中ではない。なぜ捕まったのか。


「……ショウ、今すぐ王都へ――」

「待ってください、ショーベルさん。あっちです、妙な魔力の乱れがある!」


 俺たちは気配を追い、街道を外れた深い森の中へ飛び込んだ。

 そこには、全身を血に染め、息絶え絶えに木に寄りかかる一人の男がいた。


「……副隊長、ゼスタか!?」


 暗黒騎士団副隊長、ゼスタ。ショーベルの右腕として、生真面目に軍を支えてきた人間の騎士だ(彼は魔族ではない、ショーベルに心酔して魔王軍にいた)。

 彼の鎧は砕け、腹部には致命的な裂傷があった。


「ショーベル……様……。ご無事で……。奴ら、獣人軍団と竜軍団が……あなたがショウと逃げたのは『魔王への反逆』だと……。不意打ちを喰らい、騎士団はバラバラに……。生き残った幹部たちは、人間に捕まってしまった……」

「なんだって!魔王様が許可するわけない!!」

「魔王……様……は……知りま……せんでし……た」

「なんてことを……軍団がなくなったということか……」


 魔王の知らないところで、軍内の権力争いが激化していたのだ。ショーベルを失った暗黒騎士団は、残忍な他軍団の「獲物」にされてしまった。


「喋るな、ゼスタ! 今、私が……」

「俺がやります」


 俺は平和の神の『針と糸』を取り出した。

 普通なら助からない傷。だが、俺には見える。傷口の「隙間」が。


(縫える。切れた血管も、裂けた筋肉も……全部繋ぎ合わせてやる!)


 俺は【高速縫製(神速)】を全開にした。

光の尾を引く針が、ゼスタの傷口を瞬く間に縫い閉じていく。ただ治すだけじゃない。俺はそこに【概念付与】で「超回復」と「筋力強化」の糸を織り込んだ。


【スキル:神の縫合ゴッド・ステッチに覚醒しました】

【対象の傷を完治させ、ステータスを大幅に永続強化します】


「……なっ!? 痛みが消え……力が、溢れてくる……。以前よりも体が軽い……!」


 驚愕するゼスタが立ち上がる。


「……ゼスタ大丈夫なのか!?」

「今は驚いている暇はありません。処刑は明日。全員を救い出しましょう」


 29歳、成人男性。

 神の道具で、死に体の騎士を縫い直した。

 最高の仲間を取り戻すための、タイムリミット寸前の救出劇が始まる。


第19話をお読みいただきありがとうございました!

魔王軍によって窮地に陥った暗黒騎士団。

ショウの「縫合」によって覚醒したゼスタと共に、一行は王都の処刑場へと急ぎます。

次回、お楽しみに。

面白いと思っていただけたら、ぜひブクマや評価をお願いします!

※AIとの共同執筆作品となります。


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