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第16話:神の仕立て、あるいは暗黒騎士の着せ替え

完全密室となった古代図書館で、ショウは「反撃の準備」として装備の改良に着手します。

平和の神の『針と糸』が紡ぎ出すのは、常識を覆す防具、そしてショーベルの隠された美しさを引き出す「究極の衣装」でした。


 図書館の静寂の中、ショーベルが俺の隣でじっと石板を見つめていた。

 指先で古代の文字をなぞる彼女の表情は、どこか遠い記憶を掘り起こしているようだった。


「……ショウ。この文字、魔王城の玉座の間にも……ゼニスの私室にも……書庫でも見た気がする。あの方も『移住者』だと言っていた……この文字が読めるかもしれんな」

「え!? 魔王様が読める可能性があるってことですか……神様は一体どれだけの異世界人をこの『争い』に巻き込んでるんだ……」


 怒りと共に、魔王ゼニスの孤独が少しだけ理解できた気がした。だが、今は感傷に浸っている暇はない。俺たちは光と闇の神を敵に回した逃亡者なのだ。

 俺は平和の神の『針と糸』を取り出した。


「神様、まずは自分用の装備からいかせてもらいますよ。全ステータス1でも即死しないくらいの防御力があれば……」

「重要なことだな」


 糸を指先で操って「布」を編み上げていく。

 織り上がったのは、厚手でしなやかな漆黒の生地。触れてみると、金属のように硬質な手応えがあるのに、身に纏えばシルクのように柔らかい。

この布で衣装を作る……派手でも地味でもだめだ……。


「ふふふ……かっこいい」


 思わず声が漏れた。

 パッと見はどこにでもいる小汚い従者の服だが、裏地には神の糸による特殊な回路を縫い込んでいる。早着替えのように瞬時に「影の戦士」を彷彿とさせる漆黒の戦闘衣装へとチェンジできる仕様だ。鏡に映った自分の姿に、成人男性としてのロマンが満たされていく。

 さて、ここからが本番だ。


「ショーベルさん、闇の鎧を改良したいので、脱いでください。隙間を埋めて、もっと動きやすく、もっと硬くします」

「ああ、わかった。黒いモヤでわかりにくいが、これには隙間が多く気になっていたのだ」


 ショーベルは躊躇なく、その場でカチャカチャと黒い鎧を外し始めた。

 だが、俺は次の瞬間、心臓が口から飛び出しそうな衝撃を受けることになった。


「えっ……!? 裸……っ!?」

「? 何かおかしいか? 鎧の下は常にこうだが……」


 鎧を脱いだ彼女は、文字通り一糸まとわぬ姿だった。

 鍛え上げられたしなやかな肢体、月の光を反射するような白銀の肌。そして、暗黒騎士の冷徹なイメージを覆す、女性らしい柔らかな曲線。

 俺は顔が爆発しそうなほど熱くなり、すぐさま180度後ろを向いた。


「す、すいません! 裸だとは思わなくて! ちょっと待ってください、今、今すぐ何か作りますから!」

「む、そうか。では任せる」


 彼女の平然とした声が逆に辛い。俺は震える手で『針と糸』を猛回転させた。

 一秒でも早く彼女の肌を隠さなければ、俺の理性が先に死ぬ。


【スキル:高速縫製(神速)を習得しました】

【効果:縫製速度が100倍に上昇。イメージと同時に形を成します】


「……! なんだこれ、指が止まらない……!」


 焦りまくって縫い上げたのは、薄紫色のシックなワンピース。だが、動揺のあまり布の裁断を誤ったのか、スリットが太ももの付け根近くまで入り、肩周りも大胆に露出したデザインになってしまった。


「……これ、とにかく着てください!」

「む、不思議な服だな。……どうだ、似合っているか?」


 振り返ると、そこには恐ろしいほどに妖艶で美しいショーベルが立っていた。

 鎧という殻を脱ぎ捨て、神の布を纏った彼女は、もはや騎士ではなくどこかの国の王妃か、あるいは夜の女神のようだ。スリットから覗く長い脚に、俺は必死で視線を逸らす。


「とても……似合ってます。……ええ、驚くほどに」

「どうした? 顔が赤いぞ。呼吸が荒いようだが……大丈夫か?」

「なんでもありません! さあ、鎧の改良に入ります!」


 必死に煩悩を振り払い、俺は彼女が脱いだ闇の鎧の改良に取り掛かった。

 鎧全体から出ている黒いモヤを活かしつつ、防御の隙間を埋めるためのインナーを製作する。鎧の下に着る漆黒のアンダースーツ、そしてその上に、全身を包み込む「令嬢のマント」を仕立てた。

 普通にしていれば、上品なマントが彼女の殺気を覆い隠し、高貴な令嬢に見せる。だがひとたびマントを背に回せば、改良された闇の鎧が即座に牙を剥く仕様だ。


「よし、できた……!」


 一息ついて隣を見ると、ショーベルはいつの間にか椅子に座ったまま、静かに寝息を立てていた。

 そういえば、魔王城を脱出してから、彼女はずっと眠らずに俺を守り続けてくれていたのだ。全ステータス1の俺とは違い強靭な彼女だが、心も体も鋼鉄でできてるわけがない。

 俺は平和の神の糸を使い、持ち運びやすくて驚くほど軽い特製の毛布をサッと縫い上げた。

 眠る彼女の肩に、起こさないようそっとかける。


(……神様。この人の笑顔、俺が絶対に守ってやるよ…………今は守られてるけど……)


 俺は、彼女の穏やかな寝顔を見守りながら、石板のさらなる解読を再開した。

 異国の言葉で追記された歌詞……これこそが、俺たちがステージに立つための「勝負曲」になるはずだ。


第16話をお読みいただきありがとうございました!

ショウの「神の仕立て」が炸裂し、二人の装備が大幅にパワーアップ。

露出度の高いワンピース姿のショーベルさんに、ショウのメンタルは崩壊寸前!?

次回、お楽しみに。

面白いと思っていただけたら、ぜひブクマや評価をお願いします!

※AIとの共同執筆作品となります。


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