4 学園祭準備編
こんばんは。五月雨娘です。更新が遅くなって本当にすみません。
注意:今回はクラシック要素が出てきません
「お~い柳瀬、そこに赤いペンキを塗ってくれ。」
「うん、分かった。」
「柳瀬さん、そこの段ボールを取ってくださる?」
「了解です。」
(めっちゃ忙しい!!!)
私は今、文化祭の準備をしている。今は夏休みだが、天明学園は夏休みから文化祭の準備をするのが普通らしい。
天明学園の文化祭は、3日間かけて行われる。
1日目が学園内の大ホールで文化部や個人による発表がある。文化祭実行委員が毎年暴走?するらしい。
2日目は屋台があったり、有名人が来たりするらしい。この日は生徒だけが文化祭を楽しむから、部外者は立ち入り禁止だ。学園長が雇ったボディーガードが学園を守っているよ。
3日目は2日目よりも屋台の数が増えて、文化祭を一般客に公開する。学園の生徒の親や親戚、友達が主に来るらしいから、セレブばっかりなんだって。さらに、後夜祭がこの日にある。後夜祭は大ホールで行われるから本当に社交界みたいなんだって。実際に、後夜祭に参加するときは、礼服じゃなきゃダメなんだって。
(そういえば私、ドレス持ってたっけ…?)
ふとそんなことを考えていると
「さくちゃ~ん!手伝いに来たよ!!」
部活終わりのゆりちゃんとあやとくんが疲れ果てた顔をしながら教室に来た。
「部活お疲れ様!!」
「ありがとう!!さくちゃん。」
ゆりちゃんはニコニコの笑顔で私に抱き付いてきた。
「ところで、さくちゃんは後夜祭のパートナー決めた?」
「ううん、まだ決めてないよ。」
「みんなパートナー探しで必死だよ。さくちゃんも今のうちからパートナー探さないとまずいよ!」
(誰をパートナーにするか全く考えてなかった…)
「ゆりちゃん、どうしよ~。まだ何にも決めてないよ。」
私がそう言うと、ゆりちゃんはニヤニヤしながらこう言った。
「さくちゃん、気になっている人とかいないの~?」
「気になっている人?!」
そう言われたとき、一瞬だけ脳裏に音楽室で会った彼を思い浮かべてしまった。
(あの人はもうパートナー決まってそう。初めて会ったとき、女子に追いかけられてたもんな…。)
「いないよ。」
「ふ~ん。少し返事までに間があったけど、そういうことにしといてあげる~。パートナー探しに困ったら私に相談してね。いい人紹介するから!」
「ありがとう!!ゆりちゃんは本当に優しいね。」
「(さくちゃんが珍しく頬笑んでる!!)さくちゃん~ありがとう。大好き!!」
(さくちゃんって、本当に人タラシだよね。)
「っと、そろそろ下校時間が来たよ。帰ろう!」
外を見るとすっかり空が黄昏色に染まっていた。烏が電線に止まって鳴いている。
(もう夕方だ。早いな~。)
私はカバンを取ろうとしたが、カバンが教室に見当たらなかった。
(音楽室に忘れたかも…。仕方ない、取りに行くか。)
「うん、ちょっと待ってて。音楽室にカバンを忘れたから取ってくる。」
「了解!下駄箱で待ってるね。」
(急がなきゃ。)
私は先生が廊下にいないことを確認しながら小走りで音楽室に向かった。
(やっとついた。)
私は息を荒げながら音楽室のドアに手を掛け、開けようとしたが、音楽室の中から声が聞こえた。
「先輩、ずっと前から好きでした。私とパートナーになってください。」
私はドアから手を離し、音楽室の隣にある音楽準備室にひっそりと入った。
(うわ~!告白だ。さっき見た限り、告白していたのは2年生の先輩だ…。すごい、度胸あるな~。)
「ごめんね。僕、好きな人がいるんだ。君の気持ちには応えられない。好きになってくれてありがとう。」
そう言ったのは皇先輩だった。
(皇先輩ってやっぱり凄くモテるんだ…。まあ、王子様みたいだもんね。そんな先輩に好かれている人ってどんな人なんだろう。きっと素敵な人なんだろうな~。)
「うっ…。こちらこそありがとうございます、皇先輩。」
女の先輩はそう言って涙をこらえながら走り去ってしまった。
(バレないように早くカバンを取って去ろう)
私はこっそり準備室のドアを開けようとした。その時、皇先輩が私に声をかけてきた。
「さくちゃん、盗み聞きは行けないな。」
「す、すす皇先輩!?」
(ど、どどうしよう!聞いていたのバレた…)
「いやー、これはその、わざとでは無くてですね…」
「告白、聞いていたんだね。」
「すみません。聞いてしまいました…。」
皇先輩は少し困ったような顔をしていた。
「こういったことはよくあるんですか?」
「まあ…、よくあるかな。」
(さすがだ。)
「それで、さっきの話の中の好きな人がいるっていう話なんだけど…」
「私、黙っておきます。先輩に好きな人がいることを知ってびっくりしました。私との婚約は大丈夫ですか?もし良ければ私との婚約を解消しても…」
「婚約は解消しないよ。さくちゃんのことは気に入ってるし……」
先輩はニコニコしながら言った。(少し圧を感じた)
「ところでさくちゃんは後夜祭のパートナー決まってる?」
「まだです。今ちょうどパートナーのことについて友達と話していたところです。」
「そうなんだ。パートナー選びって大変だよね。」
「そうなんですよ。もうみんなパートナーを決めているらしくてちょっと焦っていて…」
皇先輩は少し考え込み、名案を思い付いた顔をして私の方を見た。
「さくちゃん、後夜祭で僕のパートナーになってよ。」
(え、え…えぇ~!!!)
「恐れ多いですよ。最後の後夜祭で私とパートナーって…。私、適当な相手ゆりちゃんに紹介してもらいますよ。申し訳ないです。」
「僕は真剣だよ。パートナーはさくちゃんがいいな。僕じゃだめ?」
(うっ…先輩の美貌が眩しい…)
先輩がどうしてもと言うので、私は了承した。
「後夜祭のパートナーよろしくお願いします。」
「さくちゃん、ありがとう。じゃあ後夜祭、よろしくね。」
「はい!」
「じゃあそろそろ帰ろうか。家まで送るよ。」
「いえ、今、友達が下駄箱で待っているので大丈夫です。ありがとうございます。」
「そうなんだ。じゃあ、気をつけてね。また。」
「また。」
こうして私は後夜祭のパートナーが決まったのでした。
お読みくださりありがとうございました。楽しんでいただけたら嬉しいです。次回の更新も遅くなりそうです。




