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3 再会のお寿司屋さん



(ついに着いてしまった…)

「楽しみだな~!」

「ええ、そうねぇ~!」

お父さんとお母さんが手を繋ぎながら話している。

「母さんたち、店の前でいちゃつかないでくれよ」

お兄ちゃんが少し呆れたような顔で言う。


 私は今、高級寿司屋の前にいる。寿司屋なはずなのに、とても大きい庭が見えるし、何より訪れている人皆、和服なのだ。この店だけ、江戸時代にタイムスリップしていると言ってもおかしくないぐらいみんな和服なのだ。

(着物着せられた時点で気づくべきだった…。普通のお寿司屋さんなら着物なんて着ないよね…。)


「じゃあ、そろそろ行こうか!お寿司を食べに。お腹空いただろ?」

とお父さんがニコニコ顔で私たちに言ってきた。



店の中に入ると、着物を着たとても美しい女性が私たちを迎えてくれた。

「ようこそお越しくださいました。柳瀬様ですね。私、当店の女将を務めております陽和ひよりと申します。お部屋までご案内いたします。」

(お部屋…?お席じゃなくて?)

私はそんな違和感を抱えながら、女将さんに案内してもらった。廊下には高級そうな壺や掛け軸が飾ってあって、女将さんが説明してくれたが、私は壊さないようにしないとと思いながら歩いていたため、説明を聞けなかった。

「ここでございます。どうぞ、ごゆっくりおくつろぎくださいませ。」

私たちが案内されたのは、驚くほど広くて、お庭が見える部屋だった。

部屋に入ったとき、お母さんがお父さんに話しかけた。

「ねえ、あなた。どうしても買ってきてもらいたいものがあるの~。今すぐお店まで行って買ってきてくれない?」

「え!今からか~。任せて!」

(何をそんなに急いで買ってきて欲しいんだろう?)

「お兄ちゃんも一緒に行ってきてね!」

とお母さんは凄く圧をかけながらお兄ちゃんに言ったので、お兄ちゃんは

「何で父さんと一緒に行かないと行けないんだ。さくちゃんと一緒なら喜んで行くのに…」としょんぼりした顔で頷いた。

「じゃあ、お兄ちゃんとお父さんは、買い物よろしくね~!お母さんとさくちゃんは、先にご飯食べているから~。」

「行ってらっしゃい。お兄ちゃん、お父さん!」

私は笑顔で2人を送り出した。

「さくら~、かえちゃん!すぐに帰ってくるからな~!」

「さくちゃんも欲しいものあったら、連絡してくれよ!買ってくるからな!」

「ゆっくりでいいからね~!」とお母さんが言ったことによって、お父さんは少し凹んでいた。


「よし!邪魔者は退散したな~!」

「お母さん、邪魔者ってどういうこと?」

(お母さんがお父さんとお兄ちゃんを邪魔者扱いだなんて、いつもしないのに?どうして?)

と不思議に思っていると、コンコンと襖を叩く音がしたので、私とお母さんは意識をそちらに集中させた。

「まあ!もう到着したのね!」

お母さんは嬉しそうに言った。

(え?本当に何のこと??)

「失礼します。」

と女将の陽和さんが言い、襖を開けると、とても綺麗な女の人が入ってきた。

「久しぶり~瑞希!」

「久しぶりだね!かえちゃん!何年ぶり?」

「4年ぶりだよ~!会えて嬉しいな~!」

(え?誰?お母さんの知り合い…だよね?)

「あぁ、ごめんね~。さくちゃんにはまだ言ってなかったよね。彼女は皇瑞希すめらぎ みずき!お母さんの高校からの親友だよ!」


「初めまして咲楽ちゃん、私は皇瑞希。咲楽ちゃんのお母さんの親友だよ。よろしくね!私ね、小中高と天明学園に通っていたの。咲楽ちゃんも天明学園に通っているんだよね。だからぜひ、学校のことと聞かせてほしいな!」

(こんなに綺麗な人が天明学園に通っていたなんて、とても納得したかも。天明学園凄いな~)

「柳瀬咲楽です。よろしくお願いします。」

「そんなに緊張しなくて良いのよ。私のことは瑞希さんか、瑞希ちゃんって呼んでね。さくちゃんになら瑞希ちゃんって呼ばれたいかも。それか、やっぱり……。」

少し緊張しながら言ったので、声が震えていたかもしれない。そのことに気づいたのか、皇さんは、私に優しく微笑んで言った。

(優しい人だな。)

「さあ、席に座って!いろいろ話しましょう。」

女将さんが上品に襖を閉めて部屋から立ち去った所で、瑞希さんはお母さんと私に向かい合うようにして座った。

その時、襖が急に開き、1人の男性が部屋の中に入ってきた。

「母さん、遅くなってごめん。部活が長引いてしまって。」

と言って、その人は瑞希さんの隣にお上品に座った。サラサラな緑がかった髪の毛、綺麗な青空を連想させる瞳、整った鼻筋、モデルのようなスタイルの男性だ。

(うわ~。カッコいい人だな。)

私は思わず見とれてしまった。

「斗真。遅れたのは仕方ないけど、ちゃんと自己紹介しなさい。」

瑞希さんがそう言うと、彼は申し訳ない顔で私たちの方を向いた。

「自己紹介が遅れました。僕は皇斗真すめらぎ とうまと言います。天明学園に通う高校3年生です。よろしくお願いします。」

「あら~、さくちゃんと同じ学校なのね~!すご~い!これはもう、運命なんじゃない!?」

(お母さん、人前でやめてよ…恥ずかしいな。初対面の相手に運命とか…。穴があったら入りたい。)

「私は、柳瀬咲楽です。天明学園に通う高校1年生です。よろしくお願いします。」


「さて、自己紹介も終わったことだし、本題に入りますか。」

「ええ、そうね。」

(本題?)と私が不思議そうにお母さんと瑞希さんを見ると、お母さんが満面の笑みでこう言った。


「今からお見合いをはじめま~す!!」


(え?……………え!?)

「えぇ~!?」





「ちょっと、お母さん?!どういうこと?!私聞いてな「そうね。お見合いを始めましょう。」

と瑞希さんが嬉しいそうな顔で私の言葉を遮り、言った。

こうして、私は訳もわからずにお見合いをすることとなったのだ。






こんばんは!五月雨娘です。お寿司屋さんでの急展開、いかがでしたか?楽しんでもらえたのなら嬉しいです。

次回の更新は遅くなりそうです。すみません。

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