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1 出会い編③

クラシック音楽ありです!



 無事に門限に間に合い、家に帰った私は、お母さんの使っているピアノを使おうとした。だが、お母さんが来月のコンサートの曲を練習していたので、大人しく、自分の部屋で、勉強することにした。 

 突然だが、私の家族の紹介をしよう。私のお母さん、柳瀬奏やなせ かえでは、最初に説明した通り、ピアニストだ。ピアノの世界三大コンクールと呼ばれている、ショパン国際ピアノコンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクール、チャイコフスキー国際コンクールの3大会で優勝したことがある実力者だ。お母さんは、ピアノ業界では、「魅惑の女帝」と言われているらしい。そんなお母さんだが、とても優しいし、いつもニコニコしている。なので、お母さんが怒っている所をあまり見たことがない。だから、私は、怒ると絶対怖いと思っているので怒らせたくない。

 次は、私のお父さんだ。名前は、柳瀬要やなせ かなめお父さんは、フランス人とのハーフなため、美形だ。もう、40代になるのに、20代と言ってもおかしくない見た目をしている。目の色が緑色でとてもきれいだ。また、世界屈指の舞台役者で、有名な海外の劇団に所属している。そんなお父さんだが、お母さんをもの凄く愛している。出かけるたびに、お母さんとキスをしているぐらいだ。

 最後に、私の3つ年上お兄ちゃん柳瀬蒼真やなせ そうまだ。お兄ちゃんは、現役の芸大生で、ヴァイオリンを専攻している。

 見た目は、お父さんの目の色を受け継いで緑色、髪の毛は、女の私も羨むぐらいサラサラだ。小中高大と、永遠にモテ続けている美少年である。そんな兄だが、私のことを溺愛している気がする。小学生のときに、男友達と遊ぶ約束をしたときがあった。兄がそのことを知ったとき、大激怒した。何とか怒りを沈めることはできたが、兄の前で男と関わるのはやめようと、小学生のときに、私は誓った。

 まあ、私の家族はこんな感じである。




そろそろ、お母さんもコンサートの練習が終わった頃だと思って、私は、ピアノの練習をすることにした。

 今から弾く曲は、「ピアノソナタ8番」別名「悲愴」の第二楽章である。この曲は、ベートーヴェンによって作曲された。また、「悲愴」という題名は、ベートーヴェン自ら名付けた数少ない作品の1つだ。ベートーヴェンが聴覚に異常を感じ始めた頃に耐え難い不安や、苦痛を、この曲に表現したと云われている。また、第二楽章は、アダージョ・カンタービレという速度指定で、ゆっくりと歌うように弾くので、とても穏やかな曲である。

 私は、この曲を弾いていると、バスケ部の男の子のことが気になった。

「あの子の怪我は大丈夫だったのかな、無理をしていないといいな。」

ピアノを弾くとき、必ず私は、誰かのことを考えながら弾くようにしている。そうすると、ピアノが私に共鳴してくれている気がして心地良いからだ。



次の日の朝

 今日もいつも通り学校に行き、授業を受けて、放課後になり、いつものように練習をしようとした。

「本当に刺激のない平穏な日々。この平穏にいつまでも浸っていたい。」

と思い、ピアノを弾く。

今日は、リスト作曲の「愛の夢 第3番 変イ長調」にしようと思う。

元々は歌曲として作曲されたが、リストがピアノ曲へと編集した。この曲には、愛の喜びや、愛を失う悲しみ、普遍的な愛が表現されている。恋多き男であったリストが運命の恋人、マリー・ダグー伯爵夫人とのエピソードも有名だ。


 私は、いつも私に愛を与えてくれる家族を思いながら弾こうと思い、弾いていると、音楽室のドアがガラッと開く音がした。

「助けてくれ!!」

そう言ったのは、一人の男子生徒。綺麗な漆黒のサラサラとした髪に、整った鼻筋と唇、キリッとした男らしい目をしていた。

「これが、俗に言うイケメンか…」

と思った。

「どうして助けて欲しいの?見た感じ、何かに追われているって感じだけど…」

と私が話すと、

「複数の女子生徒から追われているんだ。助けてくれ!頼む。」

と顔を青ざめて、男子生徒が言った。

「これは、本当に困っている顔だな……」

と思ったので、

「少しだけですよ、」

と言って、彼をピアノの下に押し入れて隠した。

そのとき、ドアがバン!と開いて、複数の女子生徒が、息を切らしながら私に声をかけてきた。

「ここに、男子生徒は来ませんでしたか?!」

その質問に私は、

「ここには私一人でしたが、さっき、階段を駆け下りていく音がしましたよ。」

と答えた。

「それは本当ですの?」

とさっきと違う女子生徒が私に尋ねた。

「ええ。本当ですよ」

と、相手を威圧しながら言うと

「本当ならいいんじゃない?早くしないと逃げられちゃう!!」

と他の女子生徒が言うので、お礼も言わずに颯爽と女子生徒達は去って行った。

 

 「貴方、何をやらかしたの?」と私は尋ねたが、彼は、心当たりが全くないという顔で否定した。

「さっきはありがとう。本当に助かった。俺の名前は一ノ瀬綺羅いちのせ きら高校1年生だ。君の名前を教えてくれる?」

と、彼は言うので、

「柳瀬咲楽 高校1年生です。よろしくお願いします。」

と言った。

「よろしく。俺、部活あるからじゃあな。」と一ノ瀬君は相づちを打って、そのまま、音楽室から出て行こうとした。

「出て行くならピアノの練習再開しよう」

と思って、再開したところ、一ノ瀬君が立ち止まった。

私は、そのことに気づかないまま、ピアノを引き続けた。

演奏が終わると、一ノ瀬君が

「お前のピアノの音色、好きだわ。」

と言って、私の頭を優しく撫でる。

私はその言葉を聞いて、思わず涙が一筋こぼれてしまった。 

「初めて…こんなに真っ正面から私のピアノを褒めてくれた人…」

「一ノ瀬君、ありがとう。」

と私は心からのお礼を言った。この時、私はとても自然に笑えていたと思う。それほどまでに一ノ瀬君の言葉が嬉しかった。

一ノ瀬君は、私の気持ちが伝わったのか

「また聞かせてくれ。」

と言って、音楽室から出て行った。



こんにちは!五月雨娘です。投稿順をミスりまして、修正しました。すみません。

今回はさくちゃんの家族紹介編ですね。お兄ちゃんのさくちゃんへの愛が少し過激?かもしれません。今後が楽しみですね。

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