1 出会い編②
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高校生活初めての夏、地球温暖化のせいか、7月でも、35℃以上を超える日々が続いてる。
「あぁ~、めっちゃ暑い~!!」
と、友達のゆりちゃんこと、安倍百合香が、私に話しかけてきた。
ゆりちゃんは、街中で見たら、誰もが二度見するぐらいの美少女だ。サラサラな栗色の髪をポニーテールにしている。ゆりちゃんは、初等部から、この学園に通っていたらしい。だから、この学園についてとても詳しい。ちなみに、ゆりちゃんは、テニスが好きなので、幼稚園から、ずっと、テニスを習っているらしい。だから、もの凄く強い。この前、たまたま、学校でテニスの練習試合をやっているのを見たとき、他校の男子生徒、女子生徒をコテンパンにして、勝っている所を見てしまった。(あのときは、他校の生徒に同情したよ…)
「ゆりちゃんは、今日、部活あるの?」
と私が尋ねたところ、
「もう、ずっとあるよ~ さくちゃんと、一緒に帰りたい~!」
と泣きついてきた。
「熱中症に気をつけてね。」
と私は言って、帰りの準備をした。
ちなみに、私は、部活に所属していない。文芸部でもいいと思ったが、何でも、イケメンの先輩がいるので、女子生徒の牽制のし合いで、部の雰囲気がギスギスしているらしい。私は、目立つのが苦手だから、文芸部に入部するのを止めておいたのだ。
そんな私は、放課後、何をしているかというと、音楽室でピアノを弾いている。音楽室は、吹奏楽部とか、軽音部とかが使うから空いていないだろうと思う人もいるかもしれない。だが、この学園は、部活動に力を入れている。だから、学園長が、軽音部、吹奏楽部のために、音楽館という建物を建てたので、そこで軽音部、吹奏楽部は、練習するので、音楽室には、誰も人が来ないのだ。
いつものように音楽室に入ると、突然、
「キャー!!」という女子達の叫び声が聞こえてきた。どうしてだろうと思い、窓を開けて、声の聞こえた方を見てみると、体育館があった。
「そういえば、体育館でバスケ部が練習しているんだっけ。ゆりちゃんがいってた気がするな~」
と思った。
天明学園のバスケ部は、全国大会で3連勝するなどの偉業を成し遂げたとてつもなく強い部活だ。
しかも、バスケ部の人は、男女揃って顔面偏差値が高いため、校内でも1位、2位を争うぐらいに人気がある部活だ。(ゆりちゃんによると)
そんなバスケ部の練習場所の近くに音楽室があるので、いつも叫び声で私はびっくりしてしまう。早く慣れたいものだ。
そう思いながら、いつも私は、ピアノの練習をしている。
(ヤバイ、ヤバイ!つい、練習に没頭しすぎた!!)と思いながら時計を見ると、午後7時である。
外は、日が沈んで少し暗かった。ちなみに、この学校の最終下校時刻は、午後8時であるが、私の家の門限が午後8時なため、いつも、余裕を持って午後6時には校舎を出るようにしている。学校から家まで最短で40分かかるが、音楽室の鍵を職員室に返さないといけないので、急がなければならない。
「よし、鍵の施錠も確認したし、職員室にも鍵を返せた。急いで家に帰ろう!」
そう思っていたとき、男子バスケ部の筋トレに遭遇してしまったのだ。男子バスケ部の周りを通ると、過激なファンクラブの女子達に目を付けられてしまうため、皆、通らない。
でも、今、そこを通らないと、門限に間に合わない。
「どうしよう~!」
と悩んでいると、男子バスケ部の一人が、こっちへ向かって走ってくるのだ。
「えぇ!どうして!!」
と思っていると、私が隠れている所の前にある、水道で怪我の手当をしているのだ。でも、どこか困った様子である。
「あっ!タオルがないのか!!」
と私は、気づいてしまった…
「どうしよう…もし、ここで、タオルを渡してしまったら、平穏な学園生活が終わってしまう…
でも、夜だし、暗くて誰が渡したかなんてわからないよね。」
と思い、男子生徒に
「これ、良かったら使ってください!怪我、お大事に!!」
と言って、無理矢理渡して、大急ぎで家へと走って行った。
「これで、私が渡したなんてバレてないはず!」
と思っていた。




