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1 出会い編


 私は、柳瀬咲楽やなせさくら。花の高校1年生。母がピアニストで父が舞台役者、3つ年上の兄が芸術大学に通っている。つまり、私は、生粋の芸術一家で生まれ育った。でも、私には芸術的センスがあまりなかった。絵を描けば、幼稚園児並の絵となるし、演技をすれば、大根役者と呼ばれるし、歌を歌えば失神する人が続出するぐらいである。ただし、音楽の中でも、ピアノだけは上手く弾けた。国内外問わず、コンクールでたくさんの賞を取ったことがあるぐらいだ。


 そんな私の趣味は、読書だ。読書をしていると他人の目を気にせずに過ごすことができるからである。


 今は朝の7時、そろそろ登校する時間だと思いながら私はスクールバッグを背負った。もう、入学してから3ヶ月経つので、だいぶ高校生活にも慣れてきた気がしている。 


 私が通う学校は、私立天明学園である。この学校は、小中高一貫学園である。私は高校生から入学した。各業界のエリート達が通う学校で、部活動は、どの部活も全国大会出場レベルである。また、学業でも優秀な人が多く通っており、卒業後は、東大や京大などに大半の人が進学する日本屈指の難関私立高校である。 

 なぜ、私がここに通うことになったのか、この経緯を説明しよう。


 ピアノのレッスンの帰り道

「今日もピアノ楽しかったな~!いつも厳しい先生たちにも褒められたし、今日は気持ちよく眠れそう~!」と呑気に歩いていたところ、


「キャァァァー!!助けて!」

と、何処かしらから悲鳴が聞こえてきた。

「ヤバイ!人が襲われているのかもしれない!」

と思い、私は声が聞こえる方へと走って行った。

 「声はこの家からしたのか」と思いながら、

古びた3階建ての館を見た。古びてるとは言っても、庭は誰かが整備した後があったため、誰かが住んでいるはずだと思った。

「すみませ~ん!!大丈夫ですか!!」と館に向かって叫んだが、返事がない。

 ドアの鍵も開いているようだ。

 この館の3階に、明かりがついているのが見えたので、私は、3階を目指してこの館に足を踏み入れた。

 3階の部屋に着くと、大広間があり、そこには1台のピアノが騒然と佇んでいた。私はこの風景が、とても神聖な空間であるように思えて、自分の目的を忘れそうになっていた。だが、ピアノの下に若い男性が一人、倒れていた。

「大丈夫ですか!!」とすぐに駆け寄ったが、男性はビクともしない。これはまずいと思い、スマホで救急車を呼んだ。






次の日

 「昨日の男性は大丈夫かな?」と思いながら、ピアノのレッスンに向かうと、昨日倒れていた男性が、ピアノのレッスン教室の前にいた。私は思わず声をかけた。

「昨日は、大丈夫でしたか?」

すると、若い男性は

「ああ!探していたよ!!昨日は、本当にありがとう!君は命の恩人だ!!君に恩返しをしたくてね。君が昨日落とした、ピアノのキーホルダーを手がかりに探していたんだ。もしかしてと思って、近所のピアノ教室に来てみたんだけど、正解だったみたいだな。」と言った。

 男性は安堵したような目で私を見てきた。「昨日は、混乱していて気づかなかったけど、とても整った顔立ちだな~」と思った。

 金髪碧眼で、整った鼻筋、180㎝以上あるであろう背丈をしている。

思わず見とれてしまったが、気を取り直して、男性に声をかけた。

「お気持ちだけで結構です。体調に気をつけてくださいね。では、レッスンがあるので失礼します。」

待って!と男性が言い、

「私の名前は天明晴彦てんめいはるひこと申します。せめて、貴方の名前を教えてもらえませんか。」

と言った。

まだ少し時間があったので、 

「柳瀬咲楽と言います。中学3年生です。」

と言った。

「中学3年生ですか。なるほど、もしよろしければ、私が経営する学校に通いませんか?貴方のような心優しい人を探していました!貴方は、学園に良い影響をもたらすに違いありません!ぜひ、どうですか?」

と天明さんが言った。私は、この時、まだ進路を決めていないことを思い出したので、

「う~ん?親に相談して見ますね。」

と言った。

天明さんは

「貴方は、きっと、私の学園を気に入りますよ!」

と自信満々に宣言して、嬉しそうに、連絡先を渡して何処かへ行ってしまった。


家に帰って、お母さんに相談して見ると、

「さくちゃんは、この学校に行ってみたいの?行ってみたいなら、貴方の人生なのだから好きにしていいのよ。」

と、温かい笑顔で肯定してくれた。

「でも、お父さんと、お兄ちゃんは、心配するかもしれないわね~。あの二人、さくちゃんのこと大好きだから!」

と笑いながら言った。

私も思わず笑ってしまった。


という感じで、私は、天明高校に入学した。

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