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いつかの日。古い倉庫にて
ギィィィ…
重い扉が開かれる
空気は黴臭く、湿っている
誰も知らない地下に光は入らない
ただ暗く、息苦しい空間が広がっていた
床の木と布の裾が擦れる音が誰もいない倉庫に響く
雑多に積み上げられた書籍や無造作に巻かれた長方形の掛け絵
「どこかな」
放たれた細い声が空気に混じる
部屋の隅
輝きを失った一振りの刀
憎悪を纏って真黒な一振り
「これか」
徐ろに手を伸ばす
指が少し柄に乗り、刀が不安定に少し揺れる
瞬間、無音の爆発が身体の中で響く
人の形を保ったまま血を吐き、倒れ、絶命した
ムクッと起き上がって、再び刀を拾う
そして何事も無かったかのように、倉庫を闇に閉じ込めて光へと消えた