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マーガレット・アン・バルクレーの涙  作者: 高城 蓉理
神は僕を取り巻く環境を複雑にした
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神は僕を取り巻く環境を複雑にした

・・゜・

・゜・゜・

  ゜・ ・゜・・゜・ ・

     ゜ ・゜゜・ ゜・・゜・゜

           ゜・゜・゜゜・゜・




 神は僕を取り巻く環境を複雑にした。

 僕は、そう思った。 






 僕にとって彼女の存在は、原動力であり弱点だ。

 彼女のためなら多少の犠牲を払ってでも、物事を成し遂げたくなるし、自分が形振り構わなくなることも自覚はしている。


 でも、僕は手段を選ばないことを是としない。それでは意味がないからだ。

 何かの犠牲の上に彼女に施しをしたところで、それは受け入れてはもらえない。そんなことをされても、嬉しくはない。僕が彼女の立場ならそう思う。わかりきったことだ。


 その人のためになりたい。その人の力になりたい。

 この気持ちは、人間の脳が構成する感情の中でも極めて単純で、決して難しいことではない。

 それなのに何故、誠意を行動で示そうとすると、話が複雑怪奇になるのだろう。

 僕は僕の周りに取り巻くものを、大切にしたいだけだ。それなのに、何故一つを選んで他を排除することが、この世界では正当化されてしまうのか。

 僕はその社会の定石を、認めたくはない。


 何故、人は自分の一番を見つけたときに、他の大切を簡単に手放してしまうのか。

 それを仕方ないと、許してしまうのか。

 一番を守るためには、他はどうなってもいいと考えてしまうのか。


 好きの対局は、嫌い、どうでもいい、自分には関係ない……

 果たして、本当にそうなのだろうか。

 それは貞節という意味を、都合良く解釈しているだけであって、本当に世界にはその選択肢しかないのだろうか?


 僕はまだ十年とちょっとしか人間ではないから、若造の癖にとか、経験不足だからとか言われたらそれまでではある。けれども、どうしても理解が出来ないのだ。


 僕は彼女のことが好きだ。

 でも、僕を取り巻く人のことも同じくらいに好きだから、大切にしたい。


 だから僕がこれから直面する目下のピンチは、自業自得と言えばそれまでだ。

 だけど、僕は天地天命に誓いたい。

 それは全くもって、僕の本望ではないのだと。







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