名も無き作家の名も無き即興詩
もし、あすの朝日が拝めないとしたら
きょうの月光に満足と言えるだろうか
擦り切れたレコード盤のような命題が
今宵も、わたしの胸にノイズを与える
ざわざわ、ざらざら、じゃみじゃみと
脳裏に浮かぶ有象無象を静かに指折り
両手両足では追いつかぬ数になるころ
思考はゆめとうつつのはざまを彷徨い
たましいはこの世に生まれ意味を問う
きっと、命の灯火が燃え尽きる直前に
われわれは真実をしることになるのだ
後に遺るは、灰とほろ苦い懺悔ばかり
メメント・モリ、メメント・モリ……