第一章 青鳥(ブルーバード) 03
イリナとフェリスは本部に着き、隊長室のドアをノックした。
ちなみにフェリスと出会った場所から数分なのだが、その間にフェリスは買ったパンはすべてフェリスのお腹に行ってしまった。
コンコンッ
「第四軍、イリナ」
「第六軍、フェリス」
「「入ります」」
扉を開けるとリク1人だけがいた。
まだ隊長は来ていないようだ。
「お前ら、遅いぞ」
「しょうがないじゃん、パン買ってたんだから~」
「またパンか・・」
フェリスに呆れるリク。
そんな会話をしながら、イリナとフェリスは隊長机の前に立っているリクの横に並んだ。
・・・・・・
隊長室で騒ぐわけにもいかないのでしばらく沈黙が続く。
しばらくして沈黙を破ったのはフェリスだった。
「ほかの人遅いね」
時計を見るとイリナたちが来てから20分は経っている。
「どうせ、あと2人しかこないだろ」
「それは・・・分かってるけどさ。」
リクの言葉にフェリスは悲しそうな顔をする。
イリナたちの同期はあと5人いて全員で8人いるのだが・・訳あっていつも集まるのは決まった5人だ。
「リク、言い過ぎ」
フェリスの表情を見てイリナはリクに注意する。
「・・悪い、フェリス」
「ううん、大丈夫だよ」
これは私たち同期にとっては難しい問題だった。
コンコンッ
と、急に部屋にノック音が響くと聞き覚えのある男女の声がした。
「第五軍、ソウタ」
「お、同じく第五軍、ク、クニカ」
「「入ります」」