第一章 青鳥(ブルーバード) 01
ピリリリ・・・
目覚まし時計の音が部屋に響いた。
白いカーテンから日光が入り、部屋の中を照らす。
<メルキゼデク>の中心大広場から西へ進み、さらに左に曲がった所にいる寮<白冬寮>に彼女は住んでいた。
目覚ましを止め、『青鳥第四軍副軍長・イリナ』はベッドから体を起こす。
「・・・・もう朝か・・・・」
まだ眠たい目をこすりながら着替えを始める。
『青鳥』に所属している者はには専用の制服がある。
「今日は午後から任務かー・・」
時計を見ると午前七時を指していた。
「まだ時間あるし、買い物でも行くかな」
イリナは着替えと準備、朝食などを済ませ家を出た。
<メルキゼデク>はここら辺ではかなり大きな町だ。
多くの住民に溢れていてにぎやかだ。
そしてこの町には、住民の助けをしたり、町を守ったりする軍隊がある。
それがイリナが所属している『青鳥』だ。
厳しい試験を突破した優秀な者だけが入ることを許される。
軍員は与えれる任務を行い、日々活動している。
イリナは大広場へ向かい歩いていると、聞き覚えのおる男の声が後ろから聞こえてきた。
「おーい!イリナ!」
振り返ると・・『青鳥第四軍軍長・リク』がこちらに走ってきた。
リクは同期の中ではリーダー的存在で、イリナの上司にもあたる。
二人は幼馴染だ。
「なんだ、リクか。おはよ。まだ任務の時間じゃないけど?」
「お前は今日も眠そうだなー・・ったく・・」
リクはため息をつきながら、呆れる顔をする。
「と、そうだ!お前に用事があったんだ」
「なに?」
イリナは嫌な予感しかしなかった。
「これから全員本部軍長室に集合だ」
イリナの予感は的中。
本部からの呼び出し等をしているリクが呼び止める時はだいたい任務だ。
「りょーかい」
とはいえ任務はしっかり行わなければ怒られる。
上の人に・・・。
「んじゃ、オレはちょっと用事があるからまた後でな!」
風のように、という言葉がぴったり当てはまるほどすぐにリクは行ってしまった。
リクはいつも忙しそうにしている。
イリナたちはもちろん、上の人たちもリクのことを信頼し、実力も認めている証拠だ。
イリナは『青鳥本部』に向けて歩き始めた。