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雨、なみだ〜相会で〜
傘を忘れたの?
良いよ、送ってあげる。
自分の一本しか無くて、貸すことも考えたけど家は遠いんだ。立ち尽くす様を見て、置き去りにはできなかった。帰り道が同じと知っているので、雨の音を聞きつつ声を掛けたよ。女子に良い所を見せようと考えもあったな。相手の歩く速さに合わせて、今日の面白かったなど話をする。友達の感情と可愛いと思うだけも、周囲の目は好奇に輝いていた。僕は優しさを捨てていなかった。困りし人に手を延べてあげられたから。
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