前へ目次 次へ 26/501 雨、なみだ~何処へ~ 流れてゆく。 家も、思い出も、何もかも。 水に呑まれてゆく様を、見て居るしかできなかった。堤防があるから大丈夫だと思っていたのに、決壊するなんて信じられなかった。少しでも逃げるのが遅かったら、自分もあの中に沈んでいた。情報を聞いて高台へ来たのは良かったけれど、住み処を失ってしまったことに痛みを覚えたんだ。手に残ったものは無い。僕が声にならないほどの叫びを上げるのは。僕にとって大切な場所だったから。 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆