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残17
時間は流れていく。
正確に止めどなく流れていく。
「互いに良いかんじで、やっていこうぜ!」と別れた者のことを男は、考えていた。
もう、『聞かない』と決めて、考えていることだが、男が手紙を送った相手は、
それから一切、連絡を寄越さなかった。
結果的に、男は、それでよくて、
送った相手に、自分の出した手紙が渡らなかったのかな?
などと、考えると、
全てが破滅すると分かっていた。
それは、インターネットを介してのメールや郵便を『疑う』ことに、彼にとっては『オールを疑う』ことに相当するからだ。
つまり、男は、今いる自分の世界での、
これからを真剣に熟考していたわけである。
それだけ、考えに考えぬいても、
彼は無難に生活できるわけではない『世界』に、おいて、そうしていたのである。
それに当人は、
自然にハッと気づき、自宅を今、出ていった。




