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残61
「あのよ、俺から見て『昔を懐かしむ』ヤツがいるんだ。決してヤツは、そうは言わないが、俺から見たら間違いなく、そうなんだ!」
キングは、笑った。
笑い続けた。
俺には、それが、もう十分すぎる『答え』だった。
大きな広い街で、たった一人が消える。
地球上から、たった一人が消える。
今の俺に、
この2つに差異は、全くない。
偽物は、本物があっての、偽物だ。
その偽物が、真似られても、それも、また偽物なんだ。
俺が抱いた『疑問』は、
世界が、そこに既にあった時から、あった。
俺が生まれる以前に、それは、あった。
その『疑問』には、各々が何かしら答えを出したかもしれないし、
俺が『疑問』だと思うことを、そうとは思わない奴らも結構いるような気がするんだ。




