ゴンゲ
決戦前夜ー。
「女性が本能的に、『強いヒトが好き』っていうのが、あるだろ?それを僕はウケツケナイ。」
「どういう意味だ?」
「世の言い方を正しく使うと、僕は、それを生理的に好まない。」
「よく理解できないな…。」
「君もか!?
あのね、何か感じるんだよ、アイツというか、アイツらから。一見、クリーンにやってるようで、その実、計算高いを通りこして、向こう見ずなだけなんだよ、僕からしたらね。」
「……でも、俺は、あちら側にいくよ。なぁ、冥土の土産に教えてやるよ……おまえ、明らかにアイツに身体的に劣る、でもって、武器の使用はしないというルールに乗っ取った上でテメーの身体をイジッテ、明日に備えたよな……でもな、アイツは、そんなことをしなくても、間違いなく明日、お前をコテンパにする……この意味、分かるよな?」
「もう分かったよ…。
十分、分かった。だから、僕も君を、もう止めない。
最後に、これだけ言って去らしてもらうよ。
君の、その脳で考えられるか、どうか疑わしいが、積み重ねたきたものが僕は全てだと思っている。」




