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闇と影  作者: ガラス
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終着点

人生の終着点を考えた時、


人はいつ死ぬかわからない。


通勤中の電車が脱線するかもしれないし、


津波に飲まれるかもしれないし、


通りすがりの人に刺されるかもしれないし、


突然歩道に車が突っ込んでくるかもしれない。


そんな危険な生活を送りながらも、自分の終着点はどこかを探しながら歩んでいく。



結局どうなりたいかを決めろと言われる。


ただし過程は聞かれない。それは本人がどうなりたいか、そのためにはどうすればいいか。


それは本人次第だ。


いや、本人に投げやりだ。


それなら初めからどうなりたいかなんて聞くもんじゃない。



人それぞれの人生があって、他人がどうこう言う筋合いはない。


ただ、先駆者として助言はあっていいように思う。


親の引いたレールを歩んで見たが、結果いいことにはならなかった。


でもそれは自分の責任で、親はレールを引いただけで、


誰しもが、いつでも飛び出せる環境にある。


その脱線が吉と出るか凶と出るかなんて誰にもわからない。


少なくとも結果が見えていた終点ではなくなる。


親の引いたレールの終点には親がいる。


それは間違いない。


自分の引いたレールの終点はどこにあるかもわからないし、誰がいるかもわからない。


ただし、確実に親はいない。



自分が独自に引いたレールじゃなくてもいい。


この世界には人の数だけレールがある。


それに飛び乗るのも可能だ。


でも、その道筋を隠す人は多い。



世の中には人のレールを見て、その人の人柄を決めるような人もいる。


だから人は自分のレールを隠したがる。


でも隠すことによって、新たな列車が行き先を見失う。



そんなことはどうでもいい。


みんな自分の次の駅が気になるから。


新しい列車より自分の終点を探すのに必死なのだ。



終点に行き着いた人は、列車を降り、休息に入る。



新しい列車は行き先に迷い続ける。



これが社会だ。


これが今みんなが生きている世界だ。


終点に行き着いた人や、次の駅が見えた人こそ、レールは隠さず、


新しい列車を導くべきだ。


自分の武勇伝を語る老害と思わずに、どんどんその人の人生を聞くべきで、


それが自分の終着点になる可能性は高い。



説教に聞こえるかもしれないが、ここで言いたいことは、


良品にならないことだ。


誰もが悪いと思ったことにこそ正解があったりするもの。


見落としがちな、隠れステージを見つけた時。


そこにはきっと他の誰よりも優位に立てるアイテムがあるものだ。







人はなりたくないと思うものに寄って行ってしまう。


なぜなら、そのレールを見つけてしまったから、


走り続けねばならない。でも、行き先がわからない。


見つけたレールには乗ってしまったほうが、今まで見えなかった景色も見えていた景色も違う角度から観察し、


違う一面が見えるはず。



そういった人生の描き方。


まっすぐ走るだけでは、変わらない景色も、嫌だと思う方にこそ行くべきなのかもしれない。




これは新しい列車に限るものではなく、


終点に行き着いた人も、走行中の人にも言えることで、


たまには後ろを振り返って、ちゃんとついてきているか、


もしくは自分の方に来てしまっている人はいないか、


確認すべきである。





それでも、世界は変わらず、駆動し続けている。


違うと思ったことには声をあげ、正しいと思ったことにはそれが正しい説明をしっかりする。


日本は声をあげたがらない。


なぜなら自分のレールにしがみつきすぎているから。





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