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闇と影  作者: ガラス
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ループ

老後資金に2000万円必用


と、トレンド入りした言葉がある。


これは国が発言したことではないが、


国民の収入を真剣に考えた教授らが導き出した言葉とされている。



実際に、少子高齢化により若い世代の年金に危機が迫っているのは事実だ。



少子高齢化と初めて言われた時から、こうなることはわかっていた。


感が良い人は気づいていただろう。


それでもどこか、国がなんとかしてくれる。


年金が受け取れないわけない。など、


どこか国を頼っていた部分があったに違いない。


なぜなら日本だから。自分の母国、すなわち親のような感覚の存在だ。


それに裏切られた気持ちは計り知れないだろう。



まだ、「そんなわけない」と自分を落ち着かせている人もいるだろう。


日本は豊かじゃない。豊かに魅せられていただけだ。


下を見れば貧しい国なんてたくさんある。


世界基準で見て貧しいと言っているわけじゃない。



日本は日本国民が思っているほど豊かな国でもなければ、


プライドを持ったサムライの魂はとっくの昔に捨てている。


小学校のときに散々話しを聞かせてもらった戦時中の日本国民の団結力。


国のために命を捧げた神風特攻部隊。


結果、昭和天皇による独裁政権だった。


日本はちっとも強くなかった。


日本は負けるはずないと教育され、命を捧げることが美学だと。



戦争はしてはいけない。敗戦国はそれしか学ばなかった。


戦時中は確かに誤った知識や感性を植えられていたが、


当時の日本国兵士は輝いていたに違いない。


国のために死ぬなんておかしいと思っていても、


自ら死に向かうその勇気が自分の大切な人を守ることに繋がると信じて戦ったに違いない。


国民が団結していた全盛期は戦時中だったのではないかと今は思う。



それを通じて今はどうだ。


人を殺してはいけない。戦争を起こしてはいけない。


そんなこと、戦時中の人もわかっていたはずだ。


本当に伝えなければならないのは、


戦争を起こしてはいけないことではない。


国のいいなりになってはいけないということだ。



国を愛し、国をよりよくしていこうと思うのなら、


一人一人が立ち上がらないといけない。


国のトップは国民の声に耳を傾けなければならない。


国民全員で国を豊かにしなければならない。



それが戦争を通じて学ばねばならないこと。


今の日本人がそうであるとは思えない。


全員が他力本願。


それだといいことがひとつもない。



私は上司や親にこの話をする。


いいなりでいいわけがない。


入社したなら、会社が国のようなもの。


社長が間違っていると思うなら声をあげるべきだ。と。


しかし返って来る言葉は、


「仕事増やしたくない」「それで仕事量増えたらどうするの」

「そうかもしれないけど、別に言わなくてもいいんじゃない」

「だって俺ら、雇われている側だし」


呆気にとられた。


と、同時に心の底で憤慨した。


結局は人は変わらない。過ちを繰り返し、失敗したとき「次から気をつけよう」と結論付け、


数年後には忘れている。


そんな社会だ。


それが日本だ。


日本は嘘だらけだ。


誰も信用できない。



学校に一人はいる不登校生徒。


世間は白い目で見つめると思うが私は違う。


むしろ期待できる人材だと思う。


こんな不条理な世界で悩みもなしにのうのうと生きている人こそ異常者だ。



出た杭は打たれる。


そんな考え方はとっくに捨てたはずなのに、


誰も捨てたはずの悪魔の人形が、自分の部屋に戻っていることに気づかない。


気づかないふりをしているのかもしれない。


気づけばそれは恐怖だが、知らなければ恐怖でもなんでもない。


自分は捨てた。そう思うことで気づかないふりをしている。



時代は繰り返される。


なぜなら捨てたはずの考え方が、心の奥底に根を張っているのを知らないから。


根っこから完全に無くすのは難しい。


それをするのはもはや日本人を捨てるくらいの難しさに匹敵するだろう。



考え方を改めるのは難しい、ならどうすればいいのか。


それを今まで考えてきてなかったからこそ今の代償だ。



人間は繰り返す。


そう。


じゃあどうしたらいいのかを考えても無謀だ。


だって結局忘れてしまうのだから。




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