表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

第一話:ナンパにはご用心

 風野翡翠、美原紫織、山岡優奈の三人で街に繰り出せば、やはりナンパはつきものだと認めるしかない。


「君達可愛いねぇ。箒星の生徒?」


 今日何度目のナンパかわからない。しかし、いつものこととすっかり慣れきっている紫織は可愛い友人を守るために軽くあしらった。


「そうよ、箒星学院の出身でTEAMのバスターなの。だから関わらないでくれる? 私達を狙う殺し屋もいるわけだし」


 紫織の一言で青くなるナンパ男達は一目散に逃げ出した。


「さすが紫織! カッコイイ!」

「ホントね。アートの女王の殺気に勝てる奴は少ないわ」

「……何となく嬉しくないわ」


 裏返せば最強女である。


「何言ってるの。それだけ強いのに普段は白に助けられてるんでしょ。私や翡翠から見たら凄く羨ましいわよね?」

「うんっ! 白ちゃんは紫織のこと絶対守ってくれるもんね!」


 それに紫織は心の中でつっこんだ。「二人を守る王子様の本気も怖い」と……


「まぁ、TEAMの名前を出せばたいてい逃げてくれるわよ。特に翡翠は気をつけてよ? 治療兵に怪我させると隊長が怒るから」

「大丈夫だよ! 皆のこと信じてるからね!」


 翡翠の満面の笑顔に二人の友人達は心和むのだった。



 しかし、事件はやってくるのである。


「翡翠! どこに行ったの!」


 紫織と優奈は必死になって翡翠を探して回る。十分前にジュースを買いに行った翡翠がいきなり消えたのだ。

 どれだけ天然迷子でも、学校の一直線の道に迷うほどの方向音痴でもない。


「ダメ、携帯にも出てくれない」


 優奈は何度も翡翠にかけたが、彼女は応答してくれなかった。


「……優奈、大地に電話して来てもらおう。私達じゃここまでが限界だもの」

「うん!」


 優奈が大地に電話をかけたその瞬間、鬼の隊長が優奈から携帯を奪った。


「何だ? デートの誘いか?」


 嬉しそうな声が受話器を通して鬼の隊長、篠原快の耳に入る。

だが、一瞬にして快の怒声が響いた!


「一秒で俺達のとこへ来い! 翡翠を早く追跡しやがれ!」


 それだけ伝えて快は電話を切った。


「かっ、快?」

「やっぱ怒ってる……よね?」


 恐る恐る二人は尋ねると、意外にも二人の前では冷静な返答が返ってきた。


「いや、お前らに怒りは感じないさ。ただ、翡翠に何かあったらTEAMの全戦力注ぎ込んでもいいがな」

『マジだ……!!』


 二人は心の底から恐怖を感じた。


「快! 翡翠はこっちだ!」

「遅い! さっさと行け!」


 間違いなく普通は二十分かかる距離を一分弱で大地は飛んで来たのだろうが、それでも快は文句を垂れる始末だった。


「分かってるよ! バスターが数人関わってるんだ。お前らこそ戦闘体勢に入れよ!」


 街のあらゆる声を聞く能力を持つ大地は、すぐに情報を掴んでいた。


「どこの奴らか分かるか?」

「……掃除屋『ホーク』の連中だ」


 それを聞いた三人は顔色を変えた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ