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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編・双王撃終
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六四二話 姫神VS十神


 自身の体から光の粒子を放出するヒロム。

ヒロムの発する光の粒子を前にしてアルトはまるでそれを待ち望んでいたかのような表情を浮かべるとヒロムに言った。

 

「ようやく見せてくれるのか。

攻略不可能と言われたイヴナントを倒し、圧倒的力を見せつけたオマエのシンギュラリティの覚醒の力……いや、全ての霊装の力が一つになったことで生まれる力が」

 

「何で知ってんだよって思ったけど、よくよく考えたらオマエとリュクスが面識ある時点で納得するしかないな。

自分の力のため、己の目的のためにリュクスから全部話は聞いてるってわけだ」

 

「ご名答。

これでも「世界王府」の一員、同じ一員であるリュクスと情報を共有するのは当然のことだ。

その上で……オマエのその力を楽しみに待っていたんだ」

 

「待っていた?」

 

「オマエのその力は言うならば四十二体の精霊全ての力を集約することで生まれた奇跡の力だ。

その奇跡の力を解明することでオレは断片からしか得られなかったオマエの霊装の力を完全にこの手に掴み取れる」

 

「掴み取る?何をだ?」

 

「オマエの力だ。

八神飾音に邪魔され、「一条」に悉く阻止されてきたオレの悲願となる最強への道がオマエの力で達成される」

 

「……くだらない」

 

「何?」

 

 くだらない、その一言で一蹴したヒロムは冷たい眼差しでアルトを見ると彼に告げた。

 

「オマエのそれは強さなんかじゃない。

他人から奪い取ったものを自分のものだと思い込み、その奪っただけの力が持つ意味を知らずにオマエは強くなったと勘違いして終わる。

真の強さを知らないオマエは何も成し得ないし何も達成出来ない」

 

「黙れ。

オマエに何が分かる?親にそう仕向けられたとはいえオマエは一度は「八神」だけでなく「十家」すら潰そうとしていた復讐者だ。

そのオマエが何を偉そうに語る?オマエの言葉こそ飾りでしかない」

 

「オマエの言う通りオレは復讐者で「八神」を憎んで力を求めていた愚か者だ。

だからこそオレは強さとは何かを知ることが出来、仲間がそばにいてくれるからこそ前に進む意味を知った。

アイツらが……守りたい人がそばで支えてくれたからこそオレは復讐の呪縛の中から抜け出して光を掴むことが出来た。

他人を利用して力を得ようとするオマエとオレは違う、だからこそオレはオマエに言う。オマエは間違ってるってな!!」


「……語るなよガキが!!

オマエみたいな世間知らずがこれから起こる変革を前にして無駄なことを口走るな!!」

 

 ヒロムの言葉に感情を抑えられないアルトは禍々しいオーラを纏うとヒロムを強く睨みながら魔力をビームにして撃ち放ち、アルトの放ったビームが迫る中ヒロムは光の粒子を前面に集めるとビームを防ぎ、防いだビームを光の粒子が消し去るとヒロムは深呼吸をすると地を蹴って走り出し、走り出すとヒロムは全身を光の粒子に変えて姿を消してしまう。

 

 ヒロムが光の粒子となって消えるとアルトの周囲に光の粒子が広がっていき、光の粒子が広がるとアルトは禍々しいオーラを解き放ってそれを吹き飛ばそうとする。

 

 が、アルトが光の粒子を吹き飛ばそうとすると光の粒子は眩い光を発しながら禍々しいオーラの攻撃を受け止め、光の粒子が禍々しいオーラを受け止めている中でヒロムは音もなくアルトの背後に現れると攻撃を仕掛けようとした。

 

 現れたヒロムは右手に光の粒子を集めるとそれを光の大剣に変えて装備するとともにアルトを斬ろうと振り下ろし、ヒロムが光の大剣を振り下ろすとアルトはそれを避けて闇を右手に集めるとヒロムに向けて放とうとする。

だがヒロムは左手に光の粒子を集めるとそれを盾のような形に変えるとアルトの放つ闇を防ぎ、闇を防ぐと縦のような形にした光の粒子を光の刀に変えて持ち直すとヒロムは光の大剣と光の刀の二刀流でアルトに猛攻を仕掛けようとする。

 

 ヒロムが二刀流になるとアルトは身に纏う禍々しいオーラの一部を稲妻に変えながら闇と同化させ、闇と同化させた稲妻を剣にするとヒロムの攻撃を次々に止めてしまう。

 

「オマエたちから得た力をオレが使いこなせていないとでも思ったか?

生憎だがオマエ程度の力を把握出来ないオレではない。

この程度の力なら簡単に……」

 

「聞いてもないことをベラベラ喋るな」

 

 アルトが話す最中にヒロムは冷たく言うと自身の周囲に光の粒子を舞わせ、舞う光の粒子を無数の光の拳に変えると一斉にアルトに殴りかからせ、アルトに殴りかかった光の拳は闇と同化させた稲妻の剣を弾き飛ばすとそのままアルトを殴り飛ばす。

 

 殴り飛ばされたアルトはすぐさま立ち上がると禍々しいオーラを強く纏いながら闇を放出し、闇が放出されるとヒロムは光の拳を粒子に戻すと前面に集めた上で敵の攻撃を防ぐ。


「くっ……オマエ!!」

 

「悪いな。

オレは聞いてもいないことを戦いの最中にベラベラ喋るような野郎の話に耳を傾けるような優しさは持ち合わせていない。

喋りたいなら好きに喋ってくれて構わないが、オマエが何を話してようとオレは容赦なく攻撃するから覚悟しとけ」

 

「……そうか。

よほど自分の力に余裕があるということだな。

面白い……ならばその余裕諸共オマエを潰してやる!!」

 

 ヒロムの態度に余裕があると判断したアルトは禍々しいオーラを強く纏うとヒロムを強く睨みながら彼に接近して殴りかかろうとするが、ヒロムは光の大剣と光の刀を粒子へ戻すとそれを全身に纏いながらアルトの攻撃を避け、攻撃を避けたヒロムはアルトにカウンターの一撃を食らわせようと蹴りを放つがアルトは禍々しいオーラをさらに強く纏うとヒロムの蹴りを手刀で弾き、蹴りを弾くと禍々しいオーラを解き放ってヒロムを吹き飛ばそうとする。

 

 解き放たれた禍々しいオーラにヒロムは吹き飛ばされそうになるも光の粒子を強く放出して翼のようにすると吹き飛ばされた際の勢いを殺し、体勢を立て直すと両足に白銀の稲妻を纏わせて加速してアルトに迫ると光の粒子を拳に纏わせて拳撃をアルトの腹に叩き込む。

 

「ぐっ……」

 

「オラァ!!」

 

 拳撃を受けて怯むアルトを殴り飛ばすように光の粒子を炸裂させるとヒロムはその勢いでアルトを吹き飛ばし、白銀の稲妻を強く纏うと大地を強く蹴って吹き飛ばしたアルトが飛んでいく方へ先回りすると稲妻を強く解き放ってアルトに直撃させる。

 

 ……が、ヒロムの解き放った稲妻の直撃を受けたアルトは体から発する禍々しいオーラに助けられたのか大したダメージを受けておらず、何とか立て直したアルトは禍々しいオーラを周囲に広げるとそれらを龍の形にしてヒロムに向けて飛ばしていく。

 

 飛ばされた禍々しいオーラの龍はヒロムを食い殺そうと襲いかかろうとするが、ヒロムは光の粒子を光の大剣に変えると一閃を放ち、放たれた一閃は眩い閃光を放ちながら禍々しいオーラの龍を両断してしまう。

 

「ちぃ……!!」

 

「……無駄な足掻きはやめろよ、アルト。

オマエの力じゃオレは倒せない」

 

「ふざけるな!!

完成したルシファーの力とそれを超えたオマエの力の断片を得たオレがオマエに劣るわけが無い!!

オマエが何を隠していようとオレは……」

 

「なら見せてやるよ、これが……」


 声を荒らげるアルトに向けて静かに言葉を告げるとヒロムの持つ光の大剣と白銀の稲妻が一体化し、さらにヒロムの両手首の白銀のブレスレットから十四の霊装を司る十四の輝きと稲妻が発せられると光の大剣と一体化させられていく。

 

 白銀の稲妻と十四の稲妻と輝きと一体化した光の大剣は白銀の大剣へ変化し、変化した白銀の大剣の刀身には十四色の石が施されていく。

 

 十四の石が施されると白銀の大剣は眩い光を発するとともにヒロムの手に装備され、ヒロムが大剣を手に持つと光の粒子は無数の輝きを放ちながら強い力を発していく。

 

 発せられる力、それを前にしたアルトは威圧されたのか彼の纏う禍々しいオーラは先程までに比べると急に力を弱めてしまう。

 

「何だ……その剣は!?」

 

 いや、威圧されたのではない。心がひどく動揺しているのだ。

自身の知らない武器を手に持つヒロムに対して余裕がないのか、情報が無いが故にどうすべきなのか分からなくなったのかはさておき、アルトは今ヒロムが手に持つ白銀の大剣を前にして心が揺らぎ、それによって力が不安定になり弱まっているのだ。

 

 動揺するアルト、そのアルトも己の心の揺らぎを感じており、それを正すべくアルトは情報の無いヒロムの白銀の大剣についてハッキリさせようと彼を問い詰める。

 

「オマエのその武器は何だ?

リュクスからの情報にもカリギュラからの情報にもその武器についてのデータは存在しなかった。なのにその武器は何だ?

答えろ……オマエは今何をした!!」

 

「……聞かれたからには答えてやるが、オマエがずっと勘違いしてたことを簡単にまとめてやったんだよ」

 

「何?」

 

「いや、オマエだけじゃないな。

大抵のヤツらはずっと勘違いしてる。

たしかにオレはフレイたちの持つ霊装の力を借り受けることでその力を身に纏いその力を十二分に発揮する戦い方をしている。

だがそれはオレがそうでもしないと霊装の使えないからじゃない。その方法が一番効率が良くて臨機応変に対応させやすい上に能力の扱いに慣れてないオレが扱うのに適しているからだ」

 

「オマエ、何を言って……」

 

「この白銀の大剣は言わば鍵だ。

オレの白銀のブレスレットが秘めた力の一つであるとともにこの大剣の力が精霊たちの力をオレに授けるきっかけとなっている。

そして、十四の精霊の霊装の力をオレの持つこの霊装の力と一つにすることで具現化するこの大剣は扱うオレでも制御が難しいほどに強い力を持っている。

要するに……こいつを使うと魔力を大量に消耗するから使いたくなかったって話なんだがな」


「……つまり、それがオレの求めていた霊装の力の形ということか。

ならその力をこの手で掴み取って完全に……」

 

 無理だ、とヒロムは右手で白銀の大剣を軽々と持つと振り上げ、そして勢いよく振り下ろすとともに大剣から白銀の稲妻とともに斬撃を飛ばすとアルトの右側の地面を抉り斬って消滅させる。

 

 あと一メートルほど左ならアルトに直撃していたが、ヒロムは大剣を振り下ろすと構え直して彼に忠告した。

 

「今のはまだオレ一人の力だ。

ここから十四の霊装の力を重ねていくわけだが……わざと外した今の一撃を直撃でオマエが受けたらどうなるか、想像できるか?」

 

「わざと外した……!?」

 

「悪いな。

魔力の消耗の激しさを嫌がってはいるけど、オマエを簡単に潰すのは面白みがないだろ。

だから……オマエをとことん追い詰めてから潰すことにする」

 

 わざと外した、そのヒロムの言葉とその一撃の残した大地の爪痕を前にしたアルトが恐怖にも近いものを感じているとヒロムは白銀の大剣に稲妻を纏わせながら走り出す。

 

「いくぞ……十神アルト。

ここで終わらせてやる」

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