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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編・双王撃終
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六三九話 神機爆動


 十神アルトの使役する神機・アレスとペルセウスを相手に圧倒するゼロ。

そのゼロの力を信じられないアルトに対してゼロは挑発にも等しい言葉を発すると黒い大剣に灰色の稲妻を纏わせながら走り出す。

 

「覚悟しろとは言ったが出来てなくても容赦はしない。

オマエを倒すことに……一切の躊躇いはないからな!!」

 

 アルトを倒すべく走り迫るゼロ。

そのゼロが迫ってくる中でアルトは焦る様子を見せず、それどころかアルトは構えようとしなかった。

余裕があるが故に構えないのか、それとも何か企みがあるからなのかは分からないが構えないのならゼロとしては好都合。このまま一気に……

 

「させないけどね」

 

 ゼロがアルトを斬ろうと大剣を振ろうとしたその時、リュクスが魔力の剣を構えるとゼロの一撃を防ぎ止め、ゼロの一撃を止めたリュクスは不敵な笑みを見せるとゼロに蹴りを入れて自分とアルトから遠ざけさすように飛ばしてしまう。

 

 蹴りを受けたゼロは飛ばされながらもすぐに立て直すと大剣に灰色の稲妻を纏わせながら斬撃を飛ばしてリュクスを倒そうとするが、リュクスは魔力の剣を二本に分裂させると二刀流となってゼロの飛ばした斬撃を冷静に対処してしまう。

 

「赤毛が……」

 

「その言い方だとオレとアルトのどっちに言ってるんだ?

それに姫神ヒロムも赤髪だし……ややこしいだろ」

 

「知るか。

ヒロム以外の赤毛は気に入らねぇ、とりあえず消えろ!!」

 

 理屈のわからぬ言い方とともにゼロは斬撃を再び飛ばし、リュクスはまた同じように二刀流にした魔力の剣を用いて華麗に対処する。

 

 だが、同じではなかった。

リュクスが魔力の剣を用いてゼロの一撃を防いだ瞬間に灰色の稲妻が斬撃に遅れる形で無数の刃となって迫り、刃が迫るとリュクスは全身に魔力を纏って加速しながら魔力の剣で防ごうとした。

 

 しかし、灰色の稲妻の刃の力が強いのかリュクスの魔力の剣は壊れ、リュクスが無防備になるとゼロは刃のビットを横一列に展開すると灰色の稲妻をビームにして撃ち放つ。

 

 放たれた灰色の稲妻のビームはアルトとリュクスの双方を狙いに定めて迫っていき、ゼロの予期せぬ攻撃に二人は驚いたような反応を見せると慌てて防御に移ろうとした。

 

 が、そんな二人を気に止めることも無くゼクスが二人の前に立つと両手を前にかざして障壁を展開し、展開された障壁によってゼロの攻撃が防がれてしまう。

 

「傀儡に邪魔されるとはな……。

少し加減しすぎたか」

 

「……」


 ゼロの言葉を受けても何も言わないゼクス。するとアルトはゼクスにある指示を出した。

 

「ゼクス、オマエが身を呈す必要は無い。

オマエは来るべき時に備えて用意を進めていろ」

 

「……了解」

 

 アルトの指示に素直に従うとゼクスは後ろへ下がり、ゼクスが下がるのを見たゼロはアルトに問う。

 

「そいつに何かさせるつもりみたいだが、自分の影武者のように扱うしかしなかった傀儡に今更何の価値がある?

オマエはオレのことを自分が強くなるために力を蓄えさせる器と称していたが、そいつにはそれ以上の価値があるのか?」

 

「……それはオマエには関係ない話だ。

アレス、ペルセウス!!」

 

 ゼロの問いに答えずに冷たく返すとアルトはアレスとペルセウスの名を叫び、名を呼ばれた二機は颯爽と現れるとアルトを守るように構えてゼロを睨む。

 

 二機に睨まれるゼロだが、先程まで圧倒していた相手に睨まれたところで彼が動じることなどなかった。

それどころか今更睨まれることにため息をつきたくなっていた。

 

「バカの一つ覚えか?

オレとの力の差はそいつらを従えてるオマエが一番理解してると思ったのに……何の真似だ?」

 

「ゼロ、勘違いしてるのがオレだけだと思ったか?

オマエがもはやオレのために存在していないと言うのは理解したが、オマエはオレの神機を理解しているのか?」

 

「理解、だと……?」

 

「来い、ポセイドン!!アポロン!!」 

 

 アルトの言葉をゼロが不思議に思っていると彼は何かの名を叫び、アルトの叫びに応えるように水色の装甲に金色の三又の槍を持った機械兵器とオレンジ色の装甲を纏った機械兵器が現れる。

 

 新たに現れた二機の機械兵器。それを前にしてゼロは首を鳴らすとある考えに到る。

 

「なるほど……ギリシア神話か。

アレス、ポセイドン、アポロンは十二神から、ペルセウスはゼウスの息子である神話の英雄から名前が来ている。

それ故に神機と名付けるか」

 

「ただの名前だけだと思うなよ?

ここにいる神機四機はここに現界する神機の数により出力を底上げしていく機構を持つ。

オマエが余裕を見せていたのは二機のみ。だがその倍の四機となった場合……オマエの余裕はどうなるのか試したくないか?」


 神機について語るアルトは指を鳴らして合図を出し、合図が出るとペルセウスとアレス、ポセイドン、アポロンはゼロを倒そうと走り出す。

 

 迫り来る四機の神機を前にしてゼロは黒い大剣を構えると迎え撃とうと動き出し、手始めにペルセウスを倒そうと斬りかかろうと……したが、ゼロがペルセウスに斬りかかろうとするとアレスが素早くメイスでゼロの一撃を止め、アレスが一撃を止めるとすかさずペルセウスが剣の一閃をゼロに喰らわせようとする。

 

 ペルセウスが一撃を放とうとするとゼロは灰色の稲妻を解き放って剣を防ぎ、同時に大剣を止めたメイスを押し返すと二機の神機に渾身の一撃を放とうと力を溜めていく。

 

 が、ゼロが力を溜める中で三又の槍を構えるポセイドンは槍に水流を纏わせながら連続突きを放ち、ポセイドンが攻撃を放つのを察知したゼロは大剣を持ち直すと三機目の神機の猛攻を全て防ぎ切って見せるが、ゼロがポセイドンの攻撃を全て防ぎ切ったと同時にアポロンがゼロに接近すると攻撃を防いだ後の無防備な状態の彼に向けて拳撃を放つと彼を殴り飛ばしてしまう。

 

「ディヴァイン・ドライヴ……アクセス!!」 

 

 殴り飛ばされたゼロは受け身を取ると大剣を地面に突き刺すと深呼吸をして叫び、ゼロが叫ぶと全身が黒い魔力に包まれるとともに彼の体は灰色のボディースーツを纏うと黒と紫の配色のアーマーを全身に装着するとツインアイの白い仮面を装着する。

 

 仮面を装着するとゼロの紫色の髪は長く伸び、全身を武装したゼロは黒い大剣を持ち直すとともに灰色の魔力の刀身を持つ剣が現れ、それをゼロは左手に持つと大剣と魔力の刀身の剣の二刀流で神機を倒そうと加速する。

 

「予定より早いが、苦戦するよりはマシだ」

 

 灰色の稲妻を強く纏いながらアレスたちに迫るゼロは敵を翻弄するように不規則な動きで敵の視界の中を飛び回り、飛び回る中で灰色の稲妻と魔力をビームや刃にして放つと神機たちに命中させていく。

 

 ゼロの姿を捉えられないからかアレスたち神機はなかなか動こうとせず、四機の神機はただ一方的にゼロの攻撃を受けているだけだった。

 

 そんな中……

 

「やれ、アルテミス」 

 

 アルトが呟くと天に緑色の装甲の纏いし神機が弓を構えながら現れ、現れた緑色の神機はゼロの動きを封じるように矢を放っていく。


 緑色の神機・アルテミスが放つ矢が迫るとゼロは大剣と魔力の刀身の剣で対処することで直撃とそれによるダメージの発生を防ぐが、それによりゼロの攻撃が止まるとアレスたちは武器を構えてゼロに一斉に襲いかかる。

 

「……仕方ねぇか」

 

 アレスたちが迫る中でゼロは何かを決断し、何かを決断したゼロは右腕を覆うように装備された肩の装甲をパージするとそれを無数に分散させて刃のビットに変化させ、それら全てをアレスたちに向けて飛ばすと今度は黒い大剣と魔力の刀身の剣に灰色の稲妻を強く纏わせる。

 

 さらにゼロは全身に灰色の魔力を強く纏うと纏う魔力の一部を翼のように変化させながら飛翔し、飛翔する中で目にも止まらぬ速度で加速するとアレスたち五機の神機を一人で対処しようと連撃を放とうと……

 

「現実を教えてやれ、ヘパイストス」

 

 アルトが指を鳴らすと空間がガラスのように割れ、割れた空間の一部から銅の色の装甲を纏いし大槌を持った機械兵器が現れる。

 

 現れた機械兵器・ヘパイストスはツインアイを光らせると大槌で地面を強く叩き、ヘパイストスが地面を強く叩くと大地が大きく振動すると共に隆起してゼロの前に岩壁を造ると彼をそれに激突させ、岩壁にゼロが激突するとヘパイストスは大槌を岩壁に叩きつけてゼロ諸共それを破壊する一撃を放つ。

 

 大槌が叩きつけられると岩壁は粉砕され、岩壁に激突して動きが止められたゼロは岩壁の向こうから迫る攻撃に対処出来ずに地面に叩き落とされてしまう。

 

 ゼロが地面に叩き落とされても刃のビットは神機を破壊しようと飛んで迫っていくが、アポロンが両手を広げながら全身から光を発すと熱波のような力が放出され、その力を受けた刃のビットは溶けて形を歪ませると爆発して自壊してしまう。

 

「……ッ!!」

 

「さて、ゼロ。

これでもまだ余裕を保てるか?」

 

 右肩の装甲の全てを費やした刃のビットは破壊されたことでゼロの攻撃は全て無に帰し、ゼロが発動した「ディヴァイン・ドライヴ」の力ももはや通用しないと判断したアルトはゼロを見下すように視線を向けながら彼に言葉を発し、アルトの発する言葉を受けたゼロはゆっくりと起き上がってアルトの方を見てため息をついてしまう。

 

「なるほど……。

オマエの力ってのはよく分かったよ」

 

「ようやく理解したか。

なら、大人しくオレに……」

 

「そして、オマエがヒロム以上に甘いってこともよく分かった」


「何?」

 

「オマエの神機とやらはたしかに強い。

二機の相手をしているだけの時より数が増えた場合のその力の増幅値は想像を超えるものだ。

だが、その事をあえてオレに教えたことも、最初から多く出して戦力を整えなかったのもオマエの最大のミスだ。

オマエはオレのことを単なる器ではなくヒロムの力となる戦士と認識し直したようだが内心ではまだオレのことを利用しようとしている。

だから肝心なところで判断をミスしてしまう」

 

「何を言うかと思えば……。

オマエの力を諦めていないのはたしかだが、オレは判断ミスなんてしては……」

 

 したんだよ、とゼロは灰色の稲妻を強く纏いながら言うと全身に纏うアーマーに亀裂を入れ、亀裂を入れる中でゼロはアーマーの内側から今まで見せたことの無い輝きを放出させる。

 

 その輝きが何なのかアルトはもちろん、ヒロムたちも分からないでいる中ゼロは稲妻を強くさせると仮面に亀裂を生じさせる。


「見せてやるよ……これが「ソウル・レイジング」と「ディヴァイン・ドライヴ」を完全な力に完成させたオレの真の力だ」

 

 

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