六三四話 閃光、闇を断つ
『はぁぁぁぁあ!!』
ヒロムの「ソウル・レガシー」の光の力を受けたルシファーは一度は追い詰められたように見えたが、ヒロムの挑発の言葉を受けると闇を強く放出して再起する。
ルシファーが再起するとヒロムは光の剣を構え、光の剣を構えたヒロムは手に持つ武器を強く握ると光の翼を大きく広げながら飛翔してルシファーに接近する。
ヒロムが飛翔するとルシファーは手に闇を集め、集めた闇を強くさせるとヒロムに向けて解き放つ。闇が解き放たれるとヒロムは白い稲妻を強く纏いながら光の剣を振るとともに闇を切り払い、闇を消すとヒロムはルシファーに向けて光の剣から次々に光弾を放っていく。
放たれた光弾はルシファーに襲いかかろうとするが、ルシファーは魔剣に闇を纏わせながら勢いよく剣を振ると光弾を全て破壊し、光弾を破壊したルシファーはヒロムに向けて漆黒の炎を撃ち放つ。
ルシファーが炎を放つとヒロムは光の剣の刀身となっている光を強くさせて大剣のように変化させるとともに一撃を放って炎を一気に斬り潰し、炎を斬り潰すとそのままの勢いで斬撃を飛ばしてルシファーに直撃させる。
『がぁっ!!』
斬撃を直撃で受けたルシファーが怯むとヒロムはすかさず大剣のように変化させた光の剣を強く握りながら接近して更なる一撃をぶつけようとするが、ルシファーは魔剣に闇を強く纏わせるとヒロムの光の剣を防ぎ止める。
「この……!!」
『そう都合よく攻撃を受けると思ったか……!!
貴様はオレを甘く見ている!!』
ルシファーはヒロムの光の剣を押し返すと闇を強く放出して彼を吹き飛ばし、ヒロムを吹き飛ばしたルシファーは禍々しいオーラを魔剣に纏わせるとそれをビームのようにしてヒロムに向けて撃ち放つ。
禍々しいオーラがビームのように放たれるとヒロムは深呼吸をしながら体勢を立て直して光の剣を投げ飛ばし、投げ飛ばした光の剣がビームのように放たれた禍々しいオーラとぶつかって強い衝撃を生むと何故かヒロムは「ソウル・レガシー」の力を解除する。
『!?』
「……苦難を乗り越え如何なる試練も超えてきた不屈の魂。
その不屈の心と万物導く知恵を合わせし時、あらゆるものを耐え凌ぐ忍耐の心を得る!!
来い、「天織」ユリア!!」
ヒロムが叫ぶと彼のそばに杖を持った長い黒髪の少女の精霊・ユリアが現れ、ユリアが現れるとヒロムは全身を杏色の稲妻と輝きに包んでいく。
「コズミック・ソウル!!」
ヒロムが叫ぶと杏色の稲妻と輝きは強くなりながら彼に纏われ、纏われた輝きと稲妻によりヒロムは全身を杏色の装束へと変えるとマントを纏い、そして杖を手にすると無数の魔法陣をルシファーの頭上に出現させる。
『これは……!!』
「バインド!!」
ヒロムが杖で地面を強く叩くとルシファーの頭上に現れた魔法陣が輝き、魔法陣が輝くとルシファーは突然地面に押し付けられるかのような強い力に襲われる。
『ぐぉっ……これは……』
「エレメント、ストーム!!
ブースト・エクスプロージョン!!」
ルシファーが地面に押し付けられるかのような強い力に抗おうとしている中でヒロムは杖を振ると自身の前に魔法陣を出現させ、出現させた魔法陣を光らせると炎と雷を纏った竜巻を解き放ってルシファーに襲いかからせ、竜巻がルシファーを襲うとどこからともなく無数の爆撃がルシファーに追撃を食らわせる。
『がァァァ!!』
「ウェザーシュート……構築。
テンペスト・ダーツ!!」
ヒロムがさらに杖を振るとルシファーの頭上の魔法陣が更なる輝きを発し、輝きを発した魔法陣は小型の嵐を矢のようにして無数に撃ち放つとルシファーの体を貫こうとする……が、ルシファーは闇を強く放出すると小型の嵐の矢を全て破壊し、さらに自身を押さえつける強い力をも押し除ける。
『くたばれ!!』
全ての力をものともせずに圧倒したルシファーは禍々しいオーラをまたビームのようにして放ってヒロムを倒そうとしたが、ヒロムはそれを受ける瞬間に霧となって消える。
霧となって消えたヒロム。ヒロムが消えるとルシファーは辺りを探そうとしたがそれよりも先にルシファーの四方に四人のヒロムが現れる。
『!!』
「「エレメントブレイク!!」」
四人のヒロムが同時に杖で地面を強く叩くと炎、氷、風、雷の攻撃が放たれてルシファーを襲い、四属性の攻撃を受けたルシファーは四人のヒロムの出現に驚いたことで防ぐことも出来ず直撃で受けてしまう。
四属性の攻撃を受けたルシファーは攻撃が止むと膝をついてしまい、ルシファーが膝をつくとヒロムは「コズミック・ソウル」の力を解いて緑色の稲妻を全身に纏う。
「気力無き愚鈍なる魂はいざ闘志燃やせば地を灰燼と化す。
無気力は虚構、真意は裁きの間すら与えぬ最大の力!!
轟け、「天迅」アルカ!!」
ヒロムが叫ぶと天より落雷が降り注ぎ、降り注いだ落雷がオレンジ色の髪の少女の精霊・アルカとなるとヒロムはさらに叫んだ。
「クローズ・ソウル!!」
ヒロムが叫ぶと緑色の稲妻が炸裂してヒロムを飲み込み、炸裂した稲妻に飲み込まれたヒロムは緑色のローブを腰に纏い、袖の無い上着を着てグローブとブーツを装備した姿となって現れると拳銃を構えて引き金に指をかける。
ルシファーに狙いを定めるとヒロムは引き金を引いて緑色の雷撃を次々に撃ち放ち、放たれた緑色の雷撃は轟音響かせながら空間を引き裂くかのような勢いでルシファーに迫るとルシファーに防御の間も与えることなくダメージを与えていく。
『ぐぁっ!!』
雷撃を受けてルシファーが怯んでもヒロムは攻撃を止めない。
次々にルシファーに向けて緑色の雷撃を放ち、放たれた雷撃は空間を引き裂くかのような強い力でルシファーを襲っていき、さらにヒロムは姿を視認出来ぬ速度で動き出すとルシファーの前から消え、ヒロムが姿を消すと四方八方から無数の緑色の雷撃が飛んできてルシファーを焼こうと襲う。
『がぁぁあ!!』
無数の雷撃に襲われるルシファー。
そのルシファーが雷撃に苦しむ中、ヒロムは姿を現すと右足に緑色の雷撃を纏わせながら敵に蹴りを放ち、放たれた蹴りがルシファーに命中すると緑色の雷撃は炸裂してルシファーを勢いよく吹き飛ばしてしまう。
吹き飛ばされたルシファーは地を何度も転がるように倒れ、ルシファーが倒れるとヒロムは拳銃に緑色の稲妻を蓄積させながら更なる一撃を放つべく狙いを定める。
『クソ……クソ……クソが!!
低俗な人間が……貴様のような出来損ないが!!』
「うるさい」
『……目障りなんだよ!!』
ヒロムに対する感情が抑えられず叫ぶルシファーは立ち上がると禍々しいオーラをヒロムに向けて解き放とうとしたが、ルシファーがそれを解き放つ直前にヒロムは音も立てずに一瞬で敵の背後へ移動すると緑色の雷撃を数発放ってルシファーに命中させる。
背後からの雷撃によりルシファーの体勢が完全に崩れるとヒロムは敵を強く蹴り飛ばし、「クローズ・ソウル」の力を解くなり桃色の稲妻を身に纏う。
「アメイジング・ソウル」
ヒロムが呟くと天より流星を思わせる無数の光が降り注がれ、光が降り注ぐ中でヒロムは桃色の稲妻を激しくさせると桃色の装束を纏っていき、その上にローブを羽織りブーツとグローブを付けて杖を構えた姿へと装いを変える。
四度目の装いの変化、追い詰められるルシファーが余裕を無くしていく一方でヒロムは装いを変えると共に手に装備した杖を軽く天にかざすと天から流星群を降らせてルシファーに襲いかからせる。
流星群の襲撃にルシファーは禍々しいオーラをビームのように放つことで迎え撃とうとするが、天より降り注がれる流星群は急降下してくる中で力を増しているせいかルシファーの攻撃では撃ち落とせず、それどころかその勢いすら軽減させることすら出来ずに終わるとルシファーは次から次に流星群に襲われて追い詰められていく。
『ぁぁぁぁぁぁあ!!』
流星群にルシファーが襲われているとヒロムは杖に桃色の稲妻を纏わせ、稲妻を纏わせるとヒロムは自身の周囲に爆炎の球を出現させるとそれをルシファーに向けて飛ばし、飛ばされた爆炎の球はルシファーに命中すると爆裂して敵の全身を焼こうとする。
『ぁぁぁぁぁぁあ!!』
流星群と爆炎、その二つに襲われるルシファーは確実に追い詰められ、ルシファーの纏う漆黒の鎧は酷い損傷を負うとともに至る所に亀裂が生じていた。
『クソが……何故貴様の力にオレが苦戦しなければならないんだ……!!』
「力に考えを支配されてるオマエじゃ理解出来ねぇよ」
ルシファーの言葉を無視するようにヒロムが杖を大きく振ると無数の光が刃となってルシファーに襲いかかり、ヒロムが杖に桃色の稲妻を集めると杖は銀河を思わせるような輝きの光をルシファーに向けて撃ち放つ。
「ギャラクシー・ブラスト」
杖より放たれた一撃がルシファーに直撃すると仮面に亀裂が入り、亀裂が入った仮面はそのまま今受ける攻撃の衝撃に耐えられなくなって砕け散ってしまう。
仮面が砕けたことによりルシファーが体を乗っ取っているトウマの素顔が現れるが、ルシファーに操られているせいかトウマの顔には禍々しい紋様が浮かび上がっていた。
仮面が砕けて素顔が晒されるとルシファーは大きく狼狽え、ルシファーが狼狽えているとヒロムは「クローズ・ソウル」の力を解いて青い稲妻と輝きに身を包む。
「ソウル・ドライヴ!!」
青い稲妻と輝きに身を包んだヒロムはロングコートのような青い衣装を纏い、肩、腕、足にアーマーを装着した装いへと変化するとライフルを構えて光の残像を残しながら敵の周りを縦横無尽に駆けて光弾を展開し、指を鳴らすと共に展開した光弾全てをルシファーに向けて解き放って命中させる。
光弾を受けたルシファーは吹き飛ばされ、吹き飛ばされると勢いよく倒れてしまう。
『バカな……バカ……な!!』
「ルシファー、これが現実だ。
オマエとオレの力の差……それを思い知れ」
『まだだ、まだオレには……』
ヒロムの言葉を否定しようとするルシファーだったが、そのルシファーの言葉が途中で止まると顔の禍々しい紋様が薄れる。
そして……
「兄さん……!!」
紋様が薄れるとルシファー……ではなくルシファーが支配している肉体の本来の持ち主たるトウマがヒロムに訴える。
「コイツを……倒して……!!
ボクのことは構わず……全部終わらせてほしい……!!」
「トウマ……」
ふざけるな、とルシファーの声が吠えると禍々しい紋様がハッキリと浮かび上がり、それによりトウマの意識の上にルシファーが蘇って彼は全身に禍々しいオーラを纏う。
トウマの言葉、それを受けたヒロムは「ソウル・ドライヴ」の力を解くと右手の白銀のブレスレットから金色の稲妻を発せさせながら拳を強く握り、拳を強く握る中でヒロムはトウマに向けて言葉を述べる。
「……任せろトウマ。
オレがオマエを……必ず救ってやる!!
いくぞフレイ……ソウル・マジェスティ!!」