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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編・双王撃終
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六三三話 悪意の鎧


 漆黒の鎧を纏い完全な変貌を遂げたトウマ。

そのトウマを倒すべくヒロムは先陣を切るように走り、トウマに接近すると白銀の稲妻を強く纏いながら連撃を放つ。

 

 ガイ、シオン、ソラ、イクトも力を強く纏うとトウマを倒すべくヒロムの連撃に続くように攻撃を放っていくが、五人の放った攻撃を変貌を遂げたトウマは右手に闇を纏わせると拳撃で全て破壊してしまう。

 

「「!!」」

 

「……」

 

 これまでは何かに守られていただけのトウマに自分たちの攻撃をいとも簡単に防がれたことでヒロムたちは驚きを隠せず動きが一瞬止まり、一瞬の動きの静止が生んだ隙を逃すことなくトウマは左手から闇を衝撃波とともに放つことでヒロムたちを吹き飛ばしてしまう。

 

 吹き飛ばされる中でヒロムは何とかして受け身を取って立ち上がるが、ガイたちはそのまま勢いよく倒れてしまう。

 

 ガイたちが倒れる中でヒロムは左手の白銀のブレスレットを藍色に輝かせると紅い炎をトウマに向けて放ち、トウマは闇を右手に纏わせるとそれを強く解き放ってヒロムの放った紅い炎にぶつけて相殺しようとする。

 

「この……!!」

 

「……」

 

 何とか押し切ろうとするヒロムに対して仮面によって表情すら読めないトウマは闇を強めるとヒロムの紅い炎を圧倒するかのように押していき、トウマの放つ闇が徐々にヒロムに迫ろうとしていた。

 

「こうなったら……『クローズ』、『インディグネイション』!!」

 

 ヒロムが叫ぶと左手の白銀のブレスレットが緑色と藍色の光を発し、二色の光が発せられるとヒロムの左手から緑色の雷撃を纏った紅い炎が新たに放たれてトウマの放つ闇を消し去ってトウマに襲いかかる。

 

 ……が、雷撃を纏う紅い炎に襲われたトウマは鎧を纏っているからか動じることなく片手を大きく振ることで炎をかき消し、炎を消すと闇の翼を大きく広げながらヒロムに向けて雷撃を放っていく。

 

 放たれる雷撃をヒロムは加速しながら避けるとトウマに接近して蹴りを放つが、トウマは闇を纏わせていない右手でヒロムの蹴りを簡単に止める。

 

「コイツ……」

 

「……」

『どうした?

オマエの力はこの程度か?』

 

「!?」

 

 突然の言葉、トウマとは違う何かの声を聞いたヒロムは咄嗟に後ろに飛んで敵との距離を取り、ヒロムが後ろに飛ぶとトウマとは違う何かの声がヒロムに向けて語っていく。


『ほぅ、一度後退するか。

それは賢明な判断か愚かな判断か……オマエの判断力が試されるな』

 

「何だ……オマエは?」

 

『我が名を敢えて教えるなら……ルシファー。

この体を支配している全能なる存在だ』

 

「ルシファー……だと?

その名は機械天使三体を取り込ませてトウマを兵器化した名前じゃないのか……!? 」


『それも間違いではない。

だがそれは全てを支配するための肉体を得るための下準備に過ぎない。

元よりオレはこの肉体を支配するために何年も前に埋め込まれたのがオレだ。

もっとも、埋め込まれた後はこの肉体の主人格が無駄に抗うせいでオレが表で大きく動けなかったのが難点だったが……もはやその心配もない。

肉体の主人格の上にオレが傀儡として操る人格を形成して「八神」の当主を名乗らせていたがもうオレが主人格として動いても問題ない』

 

「オマエが……トウマを……!!」

 

『そうだ。

全ては「十家」の権力を我が手に治めるため。

オマエたちが必死になって傀儡にされた能力者や暴れる当主とこの肉体の主人格を痛めてくれたおかげでオレはあらゆる能力者を凌駕するほどの力を得た。

この力なら……オレが全てを支配することも簡単だ!!』

 

 漆黒の鎧を纏いしトウマ……いや、ルシファーは闇を全身から強く放出するとヒロムを威圧しようとするが、ヒロムは拳を強く握ると白い稲妻を全身に纏ってルシファーの放つ闇に対抗していく。

 

『ほぅ……まだそんな力が残っていたか。

完全覚醒してもその力に耐えれず反動で体力を消耗してると思っていたが、余力があったのか?』

 

「うるせぇ野郎だな。別に余力もクソもねぇよ。

オレはまだ目的を果たせていない、だからまだ戦うんだよ」

 

『目的?「八神」への復讐はオマエの無慈悲な攻撃で全員無様に命を散らして終わっただろ。

なのにまだ戦う目的があるのか?』

 

「オレがここに来たのはトウマを止めて助けるためだ。

今の「八神」がトウマをさせていただけならそれで終わってもよかった、けど……オマエがいるせいでトウマが救われないのならオレがオマエをトウマの中から消して終わらせるだけだ!!」

 

 ヒロムが叫ぶと白い稲妻が天に向けて飛び上がり、飛び上がった稲妻は強い輝きを発する。


「救済の輝き、穢れなき聖輝なる光は闇を祓いて正しさを示す!!

純潔の翼、光とともに翻せ!!」

 

 ヒロムが叫ぶと天で強い輝きを発する稲妻が形を得ていき、形を得たそれは純白の衣装に身を包み白い翼を広げた少女の精霊・「天聖」セラとなり、セラが姿を現すとヒロムは全身に白い稲妻を纏いながら叫ぶ。

 

「いくぞ……ソウル・レガシー!!」

 

 ヒロムが叫ぶと白い稲妻は強い輝きを放ち、セラの翼から眩い輝きが発せられるとヒロムは光に包まれながら姿を変えていく。

 

 光の中で姿を変えるヒロムは純白の装束に身を包みながら光の翼を広げ、腕、肩、足にアーマー、腰にはローブのようなものを巻いた姿となると光の剣を右手に持ってルシファーに向けて構える。

 

 天使の姿をした少女の精霊の霊装の力纏いしヒロムのその姿はこれまでヒロムの前に敵として立ちはだかってきたトウマが光の翼を纏っていた姿に似ていた。

 

 そのヒロムの姿を前にしてルシファーは舌打ちをすると闇の翼を大きく広げ、トウマが武器として使っていた双剣・「天霊剣」を出現させると闇を纏わせながら二本を一つに合体させ、闇と一つになった武器は禍々しい瞳を有した剣へと変貌する。

 

『魔剣・レーヴァテイン、とでも名付けよう。

これでオレの全ては揃った』

 

「揃ったならよかった。

おかげで……一つ残らず潰せそうだ!!」

 

 ルシファーが禍々しい剣を手に持って全てが揃ったことを告げるとヒロムは白い稲妻を強く纏いながら光の剣を構えて飛翔し、飛翔すると共にヒロムは光の翼から光の羽根を放つ。

放たれた光の羽根は意思を持つかのように周囲を縦横無尽に飛びながら光を強く纏って鋭利になるとルシファーに襲いかかっていく。

 

『ほぅ、ビットか。

そんな攻撃も編み出せたとはな!!』

 

 迫り来る鋭さを増した光の羽根が迫る中でルシファーは禍々しい魔剣に闇を纏わせると斬撃を次々に飛ばして光の羽根を破壊し、光の羽根を破壊すると続けてルシファーはヒロムに向けて斬撃を飛ばした。

 

 だがヒロムはルシファーの飛ばした斬撃に対して光の剣から眩い閃光を発すると消滅させ、白い稲妻を光の剣に纏わせるとヒロムは光の剣を強く握りながらルシファーに接近すると光の剣を振り上げ、狙いを定めると勢いよく振り下ろした。

 

 しかし……


『ふん!!』

 

 ルシファーは剣を持っていない方の手に闇を纏わせて光の剣を弾き防ぐと続けてヒロムをその手で殴り、殴られたヒロムが一瞬とはいえ怯むとそのまま蹴りを食らわせる。

 

 ヒロムに蹴りを食らわせたルシファーは魔剣に闇を纏わせるとヒロムを斬ろうとするが、ヒロムは体勢を立て直すと光の剣に光を強く纏わせながら迎え撃つように斬撃を放つ。

 

 互いに相手を斬ろうとして放った斬撃同士がぶつかり、斬撃と斬撃がぶつかると二つの力は相殺される中で強い衝撃を生み出して二人を引き離すように吹き飛ばしてしまう。

 

 吹き飛ばされたヒロムは光の翼を大きく広げると吹き飛ばされた際の勢いを殺して立て直し、ルシファーは難無く立て直すと魔剣に闇を纏わせて巨大な斬撃をヒロムに放つ……と同時にガイたちに向けて雷撃を放つ。

 

 最初のルシファーの一撃に吹き飛ばされたガイたちは負傷しており、放たれた雷撃を避ける余裕など無かった。

 

 だが、ヒロムは見捨てることはしない。

 

「はぁぁあ!!」

 

 ヒロムはまずルシファーの放った斬撃を破壊すべく白い稲妻を纏わせながら斬撃を飛ばし、斬撃を飛ばした後の光の剣を地面に突き刺すと刀身から強い光を発させる。

 

 白い稲妻を纏いし斬撃は放たれるとルシファーの放った斬撃を破壊し、続けて光の剣の刀身から光が発せられるとガイたちの前に彼らを守るように障壁が展開されてルシファーの放った雷撃を防いでみせる。

 

 ガイたちへの攻撃を防いだヒロムは光の剣を地面から抜くと光の羽根をいくつも飛ばしてビットのように操りながらルシファーの方へ飛ばし、光の羽根のビットが放たれるとルシファーはそれを雷撃を放って撃ち落とそうとした。

 

 しかし……

 

 光の羽根のビットは白い稲妻を帯びると結界のようなものに守られ、結界のようなものに守られたことによりルシファーの放った雷撃を弾き飛ばしてしまう。

 

『何!?』

 

「レクイエム・イヴ・テスタメント!!」

 

 雷撃が弾かれたことにルシファーが驚いているとヒロムは光の剣の切っ先をルシファーに向けて構え、ルシファーに向けて光の剣が構えられると光の羽根のビットもルシファーに狙いを定める。

 

 光の剣と光の羽根のビットがルシファーに狙いを定めると白い稲妻とともに光がビームのように放たれ、放たれた光と白い稲妻が次々にルシファーに襲いかかっていく。


『ぐぉぉぉぉ!!』

 

 光のビームと白い稲妻に襲われるルシファーは襲われる中で漆黒の鎧に闇を纏わせてい耐久性を上げて耐えようとするが、ヒロムの放つ攻撃の力の強さを前にして負傷は免れず、攻撃を受けるルシファーの鎧は一部が損壊してしまう。

 

 ヒロムの攻撃が止むとルシファーは魔剣を支えの代わりにして倒れるのを避け、倒れるのを免れたルシファーは闇を強く纏うとヒロムを強く睨む。

 

『貴様……貴様!!』

 

「どうした?

完全な力とやらを得たと思っていたが、違うのか?

この程度がオマエの全部なら……拍子抜けだぞ」

 

『調子に乗るなよ……人間!!

オレは……オレはまだ戦える!!』

 

 ヒロムの言葉にルシファーは声を荒らげながら全身から闇を強く放出し、ルシファーが闇を放出していく中でヒロムは深呼吸をすると構えた。

 

「まだ戦えなきゃ困る。

こんなのでオマエを倒して終わりだなんて思ってないからな!!」

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