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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編・双王撃終
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六一五話 戦闘経験


「オマエには答えを教えてやろう。

デバイスシステム、たしかにオレはそのシステムを使うがカリギュラのヤツらとは違う。

オレのデバイスシステムはオレの脳の中に組み込まれて常にアップグレードを続けている」

 

「頭の中に……!?」

 

「オマエは壊せば何とかなると言ったな?

なら……壊してみろ!!」

 

 驚きを隠せぬ真助に強く言うと貴虎は走り出し、走り出した貴虎は紫色の稲妻を纏うと真助に連撃を放つ。

 

 放たれた連撃を真助は黒い雷を纏いながら避け、攻撃を避けた真助は小太刀の霊刀「號嵐」に黒い雷を纏わせながら斬撃を放とうとした。

 

 しかし真助が攻撃を放とうとすると貴虎は紫色の稲妻を蛇の形にして放つと真助の小太刀の攻撃を相殺し、敵の攻撃を相殺すると貴虎は足に紫色の稲妻を纏わせると真助に連続で蹴りを食らわせていく。

 

「がっ……」

 

「はぁっ!!」

 

 貴虎の蹴りを受けた真助は仰け反ってしまい、仰け反った真助に追撃を食らわせようと貴虎は紫色の稲妻を全身に強く纏いながら連続で拳撃を叩き込んで真助を追い詰めていく。

 

 拳撃を受けた真助は怯むと後退するように体がフラついてしまい、フラつく真助にトドメをさせようと貴虎は紫色の稲妻を大きくさせると炸裂させるように解き放って強い衝撃と共に真助に叩き込み、貴虎の一撃を受けた真助は吹き飛ば……されるかと思われたが、貴虎の一撃を受けるその瞬間に彼の放った一撃は真助の前で自壊するように消えてしまう。

  

「……相手の戦闘能力ちついての学習ってのがオマエだけのものだと思うなよ?」

 

 フラついてしまっていたはずの真助はしっかりと立つと小太刀を強く握って構え、小太刀を構えた真助は黒い雷を纏いながら貴虎に襲いかかる。

真助が迫ってくると貴虎は紫色の稲妻を右手に収束した状態で手刀の一撃を放って真助の一撃を防ぎ、攻撃を防いだ貴虎は紫色の稲妻を強くさせると真助に反撃しようとした。

 

 だが真助はそれを見越したかのように黒い雷を強くさせると貴虎の背後へと素早く移動して敵の攻撃を回避し、攻撃を回避されて隙ができている貴虎の背中へと真助は斬撃を食らわせて負傷させようとした。


「!!」

 

 真助の一撃は見事に貴虎の背中を抉り、貴虎にたしかなダメージを与えることに成功した。

だが貴虎の背中は何やら光の像のようなものが現れて重なるとその光によって真助の攻撃によるダメージを消してしまう。


「……またか」

 

「何度やっても無意味だ。

オマエの戦闘能力はすでにラーニングしているからな」

 

「デバイスシステムのアップグレードか。

脳みそに組み込むとかイカれたことしやがって……壊そうにもオマエを殺す以外道は無さそうだ」

 

「殺すことを躊躇うのか?

戦闘種族のオマエが殺しを躊躇うとは情けないな」


「別に躊躇ってねぇよ。

ただ、普通に殺すだけってのはつまんねぇだろ。

だから考えてんだよ……脳みそに埋め込まれてるか組み込まれてるか知らねぇデバイスシステムの限界を試してぇと考えてただけだ」

 

「楽しむ余裕があるとはな。

その余裕、どこまで持つか見物だな!!」

 

 一瞬は追い詰められたように思われた真助の余裕の感じられる態度に対して貴虎は紫色の稲妻を強く纏いながら真助に襲いかかり、迫り来る貴虎の攻撃を真助は小太刀で防ぐと共に敵を倒そうと攻撃を放つ。

 

 互いが互いを倒そうと放つ攻撃、その攻撃を両者とも避けると更なる一撃を放つ。

攻撃を放っては避け、避けるとともに反撃の一撃を放つ……デバイスシステムのアップグレードによる成長を続ける貴虎、戦闘種族「月閃一族」のみが持つ戦闘を経て強さを重ねる「戦血」によって強さを増していく真助。

両者ともに戦いの中で成長していくせいか攻防は激しさを増し、両者ともに一歩も譲ることの無い戦いが繰り広げられていた。

 

 そんな中、真助は貴虎の攻撃を避けると小太刀に黒い雷を纏わせ、黒い雷を纏わせると真助は右の頬にある黒い痣を半身に広げていく。

 

 右腕にまで痣が広がると真助が身に纏う黒い雷は力を増していき、黒い雷が力を増すと真助は貴虎に強力な一撃を食らわせようと小太刀を振る。

 

……が、真助の一撃を前にして貴虎は紫色の稲妻に加えて白銀の稲妻を身に纏うと片手で止め、真助の一撃を止めると貴虎は白銀と紫色の稲妻を纏わせた拳で真助を殴り飛ばす。

 

 殴り飛ばされた真助は地面を数度転がるようにして倒れるが、真助は急いで立ち上がると小太刀を構えて黒い雷を纏わせた小太刀で無数の斬撃を貴虎に向けて飛ばす。

 

 真助の飛ばした斬撃を貴虎は白銀の稲妻と紫色の稲妻を解き放つことで消滅させ、真助の攻撃全てを消滅させた貴虎は二色の稲妻を纏う中で青い輝きを纏いながら真助の前に一瞬で移動して彼の腹に蹴りを入れる。


「っ……!?」

 

「今のオレはこんなことも出来る。

姫神ヒロムはこのような使い方をしないが、オレは目的のためなら力を有効活用する」

 

 真助に蹴りを食らわせた貴虎はそのまま彼を蹴り飛ばし、蹴り飛ばした真助の方に右手をかざすと貴虎は白銀の稲妻と紫色の稲妻、そして青い輝きを同時に解き放って真助の方へと飛ばす。

 

 解き放たれた三つの力は真助を倒そうと向かっていき、蹴り飛ばされた状態のままの真助は防ぐことも出来ずに貴虎の放った攻撃を直撃で受けてしまう。

直撃で受けた真助は全身を負傷して倒れてしまい、真助が倒れると貴虎は全身に纏う力を強くさせながら彼に歩み寄ろうとする。

 

「さて、鬼月真助。

オマエはよく頑張ったが、それもここまでだ。

最後の最後に戦闘種族として最高のデータをのこしてくれたな。

戦いの中で常に経験したことを強さに変える力、デバイスシステムの実用に向けての最終調整として利用出来る最高の一品を残してくれて助かる」

 

「……へぇ、もう終わらせるのか?」

 

 別れを告げるかのように言葉を並べる貴虎に対して真助は負傷している体を立ち上がらせると彼に向けて言った。

 

「オレはまだ本気じゃないのに、もう終わらせていいのか?

こっちにはまだ、手の内は残ってるのによ」

 

「必要ない。

デバイスシステムにはこれ以上のデータは必要ない。

姫神ヒロムの力を元にしたこの力とオマエから得た成長する力さえあれば……」

 

「それは違うなぁ、四条貴虎。

オマエは……限界に来てるから終わらせたいだけだ」

 

「何?」

 

 真助の言葉、それが何を意味するのか分からないような口振りの貴虎。その貴虎の反応を面白そうに笑み浮かべて見る真助が指を鳴らすと突然貴虎は口から血を吐き出し、鼻と目から血を流す。

 

「何……!?」

 

 予期していない突然の事なのか貴虎は動揺しており、彼が動揺するとそれに反応するかのように彼の纏う白銀の稲妻、紫色の稲妻、青い輝きが消えてしまう。

 

「バカな……何故だ……!?」

 

「デバイスシステムってのは開発したオマエにしか分からねぇことばっかりだけどな……経験を経て強くなるって点はオレの分野だ。

そこはさておいて……四条貴虎、何が起きたか教えてやろうか?」

 

「オマエ……何をした!!」


 真助が何かをした、そう考えた貴虎は鼻や目、口血を流す中で真助に走って近づくと殴り掛かるが、真助は小太刀を構えるなり避けるとそのまま貴虎の体に斬撃を食らわせて肉を抉る。

 

 肉を抉られた貴虎は仰け反り、貴虎が仰け反ると真助は黒い雷を解き放って吹き飛ばし、吹き飛んだ貴虎が倒れると真助は彼の身に何が起きたのかを話していく。

 

「ヒロムの話からオマエは相当な手練だってことは容易に想像できた。

そんなヤツを相手にするにはどうすべきか、それを考えた時に思いついたのが内側からの攻撃。

シンクが過去に八神トウマと戦った時に体内の水分を凍らせることをやったことがあると話していたのを思い出したから黒い雷を楔として打ち込むことでその布石を打った」

 

「布石だと……?」

 

「黒い雷の楔をオレはオマエに魔力を断ち切って行動を制限するだけのように説明したが……あれは嘘だ。

本当の目的は可能性の一つを潰すためだ。

楔を打った後にデバイスシステムの話をしたが、実の所を言うとオマエがデバイスシステムを体に埋め込んでるってのは予測していた。

カリギュラのデバイスシステムは外付けだったが、開発者のオマエなら「四条」の家の力やらを使えば外付けどころじゃない画期的なものを作ってるはずだってな」

 

「なら普通に殺すのがつまらないっていうのは……」

 

「ただの建前さ。

本音はオマエ相手に時間稼ぎとオレの経験値稼ぎだ。

楔を打たれたオマエの中の魔力は普段通りの流れを失っていく。

時間を稼いで完全に魔力の流れを狂わせた上でデバイスシステムをバグらせ、オマエの脳や体が処理できずに限界を迎えればオレの勝ちだ」

 

「まさか……オレと戦ったのは……」

 

「脳みそに埋め込んでるってのは驚きだったが、おかげで早い段階で終わって助かった。

これでオマエの中の名ばかりの戦闘種族「月閃一族」って認識を正せただろうからな」

 

「そんな事のために……オマエは……オマエはオレの力を!!」

 

「仕方ねぇだろ。

そうでもしねぇとオマエを足止めして潰せねぇんだからな。

オマエ、案外プライド高そうだしなかなか潰れそうにないからよ」

 

「……ふざけたことを!!」

 

 真助の策にはめられたこと、そして真助に見下されていることが許せない貴虎はひどく激昴して全身に魔力を纏いながら真助を睨む。


 貴虎に睨まれる真助は深呼吸をすると両手に持つ二本の小太刀の霊刀「號嵐」に黒い雷を収束し、小太刀を黒と紅の刃を持つ妖刀「狂血」に変化させると自身のそばに黒い狼を出現させる。


 黒い狼、それは「七瀬」のリゾートの際のカリギュラ戦で真助が宿した精霊・空牙だ。

 

「……マスター、呼んだか?」

 

「空牙、手を貸してくれ。

あの男をここで完全に終わらせる」

 

「了解だ」

 

「……人狼一身」

 

 真助が呟くと空牙は嵐となって真助を包み込み、嵐に包まれた真助は頬の痣が元の形に戻すと狼の毛皮を思わせるマントや狼を彷彿とさせる装備を身に纏い、それらを身に纏った真助の左手の刀は黒刀に変化する。

 

「さて、四条貴虎……。

お望み通り終わらせてやるよ。

オレの本気で今のオマエを否定してやる!!」

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