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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編・覇乱
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五二〇話 悪鬼の運命


  七瀬アリサ主催のパーティーが行われる最中……

ヘヴンとキリスが乗っている飛行船の管制室。

その管制室ではリュクスと彼に協力する男がいた。


  二人は何やらモニターを見ており、モニターには海上を進行する軍艦数隻が映されていた。


「あの軍艦何?

あんなの聞いてないよ?」


「……貴様の作戦が不安要素だらけだったからオレが用意した。

海上を拠点にする国外の荒くれ者……所謂賞金稼ぎの端くれだ。

金を払えばやる気になったからな。

適当な理由でヤツらを襲うように指示してある」


「イレイザーの発展系のテストと戦闘データ収集がオマエの目的じゃないのか?」


「……オレの目的は確かにそうだ。

だがオレの目指す結果としては不十分だ。

オレの統べる軍事力が最強であることの証明……それこそがオレの悲願だ」


「悲願、ね。

軍事力が全てと考えてるオマエらしい言葉だ」


「貴様の目的は知らんしオレは貴様の言った試験運用の場に価値があると判断したからここにいる。

そしてその場にあの男……姫神ヒロムがいるのならなお都合がいい」


「まだ諦めてないのか?

オマエじゃアイツには……」


「貴様ら「一条」の人間には分からぬことだ。

あれには利用価値がある。

今後の軍事力の発展はもちろんのこと、あの男をうまく操ることが出来ればオレの理想とする軍事力を超える最高の兵器が完成する」


 リュクスに対して淡々と話す男。

自身の目的を語る男の目には狂気のようなものが宿っており、それを感じているリュクスはため息まじりに彼に言った。


「残念だけどオマエにそれはさせない。

姫神ヒロムはこっちの計画には欠かせない鍵だ。

それを奪うのなら……」


「貴様が人質としているオレの身内にかけた呪いを解けばやめてやる。

それが無理なら黙って見てろ」


「……オレに取り引きを持ち掛けるつもりか?」


「貴様が先に仕掛けてきたことだ。

あと少しで姫神ヒロムを追い詰められたかもしれないのに貴様が邪魔したせいで全てが台無しになったからな」


「その腹いせか?

軍事力のことになると頭は切れるのに人質の妹のことになると短気になるんだな。

少しは相手を選んで話を進めるんだな」


「あのテロリスト紛いの集団と人質を利用してオレを動かすしか出来ない貴様に偉そうに言われる筋合いはない。

悔しいのなら己が手で何とかする度胸をつけることだな」


「……まぁ、いい。

オレの見立てではオマエがどうやっても姫神ヒロムは倒せないよ。

オマエはせいぜい姫神ヒロムをいい所まで追い詰めて倒されて終わる」


「それは貴様の過去のデータによるものだろ?

今のオレは前回とは違う。

あの男を倒し捕まえるために用意した秘策を用いれば苦戦するなどありえん」


「秘策?

そんなものは聞いて……」


「利用し合うオマエに教える筋合いはないだろ?」

 

リュクスと男、互いに相手を挑発し牽制するかのようにかけひきを続ける。

 

この二人が協力関係にある中、それに反するように険悪なムードが広がっていく。


そんな中……


「まもなく作戦開始地点αに到達します」


管制室にて操舵を担当する乗員がリュクスに向けて報告し、報告を受けたリュクスはまとまることの無い男の話を無理やり終わらせるように乗員に指示を出した。


「第一陣の発艦用意を急がせろ。

準備が出来次第発艦して海上の軍艦とともに標的のクルージング船に接近して攻撃、クルージング船内の人間を始末させろ」


「了解、ただちに準備させます」


リュクスの指示を受けた乗員は彼の指示に従って第一陣となる部隊に連絡を入れ、リュクスは男にも指示を出していく。


「さて……オマエも準備しろ。

この作戦、その成功はオマエら第一陣にかかってるからな」


「……勝手に言ってろ。

保険をかけて第二陣を用意してる時点で信用してないのはバレバレだ」


「念の為だ。

口よりも体を動かしてもらおうか」


「……好きに言えるのも今のうちだ」


男はリュクスに向けて言葉を発すると管制室を去っていき、リュクスは男が管制室を出て行くのを確認すると無線機器を取り出して誰かに連絡を入れる。


「……ヘヴン、キリス。

まもなく第一陣の出撃が開始される。

第一陣の出撃後、キミたち第二陣は状況に応じて発艦して作戦を開始してくれ」


『了解した』


無線機器からヘヴンの声が返事をし、それを聞くとリュクスは無線機器の電源を切って投げ捨て、何故か不敵な笑みを浮かべる。


「さぁ姫神ヒロム……。

これからオマエらを導いてやるよ。

楽しい宴は幕を閉じ……狂気に満ちた最悪の宴にな!!」











***


パーティーの行われるクルージング船……


ユリナとともにパーティーへと戻ったヒロムは彼女に付き合うかのように参加していた。


「ねぇ、ヒロムくん。

何か食べる?」


「別に腹減ってねぇけど……辛いのが食いたいな」


「辛いの?

家でもいつも食べてるのに?」


「仕方ないだろ?

そういう気分なんだから」


「あるかな……?

一応飛天くんも食べれるように用意してくれてるみたいだから……」


「仕方ねぇな。

とりあえず……」


ヒロムはテーブルに置かれた真っ白な皿を手に取るとテーブルに並べられた料理の中からローストチキンを選んで皿に盛りつけた。


そして……


ヒロムはスーツのポケットに手を入れると何かを取りだし、ユリナは思わずヒロムが取りだしたものを取り上げて確認した。


取り上げたものを見たユリナは不思議そうな顔をしながらヒロムに訊ねた。


「ねぇ、なんでタバスコがポケットから出てきたの?」


「あん?

ああ……もしものためだ」


「もしものためなんだ……ってならないよ!?

なんでタバスコ持ち歩いてるの!?」


「仕方ねぇだろ?

たまに辛いのが食べたい時があるからその時のために持ち歩いてるんだよ」


「仕方なく無いよ!?

というかいつもそんなの持ち歩いてたの!?」


「そんなのって失礼だな……。

あとはデスソース、七味と一味唐辛子、それからこの前仕入れた激辛スパイスもある。

まぁどれもあんまり辛くはないけど……」


ユリナの言葉に対して少し傷ついたような反応を見せるヒロムは負けじと次から次にポケットから取り出していくが、ユリナはそれを没収していく。


「……返せ」


「ダメ。

パーティー終わるまでは没収です」


「安心しろ。

オレは一度もユリナの作ってくれた料理にそいつらを使ったことは無い」


「それを聞いても何も安心できませんけど!?」


「何やってんだよ……」


ヒロムとユリナのもとにやってきたソラは今の二人のやり取りを見て呆れており、ソラの反応を見たユリナは彼に説明しようとした。


「聞いてよソラ。

ヒロムくんがポケットにこんなにいらないもの入れてたの!!」


「……だから言い方が失礼じゃないか?

オレにとってはそれは……」


「クソどうでもいい。

勝手にすればいいことだ」


「……ソラ、なんか冷たくない?」


「普通だよ、ソラのこれは。

むしろユリナがくだらないことで騒ぎすぎなんだよ」


「……その言い方は酷くないかな?」


「なら返せ」


「いや」


「あのな……そういうのは……」


「何仲良く夫婦漫才してんだ?」

 

ヒロムとユリナの会話に呆れながらソラが注意しようとしたが、そのソラの言葉を邪魔するかのように真助が話に入ってくる。

が、そんな真助の言葉に対してヒロムは一つ注意をした。


「真助……。

頼むから今のは他のヤツらの前で言うなよ?

とくにユキナとかアキナみたいなうるさくなるヤツらの前では絶対に言うな」


「悪い悪い。

次から気をつける」


「……適当に返事しやがって……」


「ほんとに気をつけるって。

あっ、それよりヒロムに相談があったんだよ」


「相談?

オマエがオレにか?」


「意外だったか?」


「……まぁな。

で、相談って何だよ?」


「実はチカからこの旅行が終わったらオレと二人で最近できたっていう和菓子屋に行きたいって言われてさ。

オレは別に構わないんだが、ヒロムの許可をもらってからって話になってな」


「……なんでオレに許可もらうんだよ?

行きたきゃ行けばいいだろ?」


「けどオマエとチカって一応は……」


「婚約者云々の話は忘れていい。

婚約者候補だの何だの話は姫神愛華が用意したものでオレの意思じゃない。

そんなの気にする必要は無い」


「そうか。

ならそうさせてもらう。

けど、チカにかぎらず他の女はヒロムとのその婚約者云々の件は気にしてるんじゃないのか?」


「気にされても困る。

そもそもその婚約者云々の話で何人も相手がいるのが不自然だろ?

どの道最後には一人しか選べないってんなら婚約者なんてもんは飾り言葉でしかない」


「ふーん……。

オマエがそう言うならそれでいいのかもな」


「珍しいな。

昔からこの手の話ははぐらかすオマエがそんな風に答えるなんて」


真助に返したヒロムの言葉が意外だったのかソラは少し驚いており、ソラの反応に対してヒロムは言った。


「いつかは答えを出さなきゃいけないこと。

その中の一つだからすぐに自分の中でケジメをつけた、それだけの話だ」


「それだけ、か」


「ああ、今のオレには……それしか出来ないからな」


「どうかな。

案外他にも……」


「大変だ!!」


ヒロムの言葉にソラが何か言おうとしたその時、パーティーの会場へとカズマが慌てて走ってくる。


慌てて走ってくるカズマの様子から何かを感じたヒロムたちはパーティーを楽しんでいたこれまでとは打って変わって真剣な表情になり、彼から話を聞こうとする。


「カズマ、何があった?」


「ヒロム、大変だ……!!

軍艦と戦闘機が……こっちに向かってくる!!」


「!!」


「何だと!?」


カズマの報告にヒロムと真助は驚き、そして彼の報告が聞こえた会場は楽しんでいたムードから一転して緊張感に包まれようとしていた。


その中でソラは状況を知るべくカズマからさらに聞き出そうとする。


「カズマ、数と距離は?」


「軍艦は七隻、戦闘機は十機ほど……距離はおおよそ三キロだ」


「かなり近いな……」


「ヒロム、まさか……」


「カリギュラのヤツらだな。

ここを知ってて攻められるとすればヤツらしかない。

戦力揃えてまた来るとはな……」


「どうするヒロム?

このまま戦って敵を倒すか?」


「ダメだ。

この船を守らなきゃオレたちは帰れない。

なるべくこの船を守りながら迎え撃つ」


「だがどうやって……」


決まってる、とヒロムはカズマの言葉に対して返すと続けてソラたちにも伝えるように言った。


「向こうが軍艦で向かってくるのなら……そこを戦場にしてやるだけだ!!」

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