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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編・覇乱
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四九五話 アサルト・ナイツ


キリスと戦うゼロ、そのゼロはキリスを相手に苦戦していた。


「くっ……!!」


ティアーユの霊装の力である「ソウル・ドライヴ」を借りて発動しているゼロは青い輝きと稲妻を纏ってキリスは倒すべく戦っていた。


が、対するキリスは「ソウル・ドライヴ」と同じように青い輝きを纏ってゼロの動きに反応して応戦していた。


「この……!!」


ゼロは加速してキリスを翻弄しようとするが、キリスはゼロの加速に対応するかのように加速してその動きに反応していく。


「無駄だ。

オマエのその動きは読めている」


ゼロの動きの全てを把握しているかのようにキリスは言うとゼロの頭を掴むなり地面に叩きつけ、さらに彼の体に蹴りを入れると天に蹴り上げる。


ゼロを蹴り上げると同時にキリスはサーベルでゼロに斬撃を喰らわせようと攻撃を放つが、ゼロは青い稲妻を一点に集中させると放たれた斬撃を相殺して防いでみせる。


「なめんな!!」


ゼロは青い稲妻を強く纏うとキリスに向けて刃のように鋭く尖らせた稲妻を解き放ってダメージを与えようとするが、キリスはサーベルで防ぎながら華麗に動くと放たれた稲妻を全て避けてしまう。


「コイツ……!!」


「オマエの動きは読めている。

何度かそう言ったんだがな……理解できてなかったか?」


「黙れ!!」


ゼロは斧を勢いよく振って斬撃を放つとキリスを倒そうとするが、キリスはサーベルで上手く攻撃を受け流すとゼロの攻撃を受け流したと同時に完全に避けてしまい、そしてそこから連続で突きを放つとゼロの体を負傷させていく。


「ぐっ……!!」


「この程度のダメージを受けたところでまた再生するのなら無意味か?」


キリスはダメージを受けたゼロに対して訊ねるように言い、彼の言葉に反応するかのようにゼロの体からキリスから受けた攻撃によって出来た負傷が消えていく。


「……オマエ、わざと手抜いてんだろ?

本当はもっとダメージ与えれるはずなのに……」


「手加減と言ってもらおうか。

オマエを相手に最初から本気になるわけもないからな」


「どっちにしろナメてるってことだな。

ふざけやがって!!」


キリスに加減されてると分かったゼロは斧を強く握るとキリスを斬ろうと攻撃を放つもキリスはまた避けてしまい、攻撃を避けたキリスはサーベルを地面と水平に構えると勢いよく突きを放つ。


が、ここでゼロはキリスも驚かざるを得ない行動に出た。


キリスが突きを放つと同時にゼロは斧を投げ捨て、無防備にも近い状態になったゼロは突きを放ったキリスのサーベルを左手で掴み止め、掴み止めたサーベルの刀身を強く握って砕いてみせた。


「なっ……!?」


「どうした?

これは予想できなかったか?」


サーベルを一本砕かれたキリスの動きはゼロの大胆な行動に驚かされたことによって止まってしまい、ゼロは右手に稲妻を集中させるとキリスの顔面を思いっきり殴って敵を殴り飛ばした。


殴られたキリスは防御も受け身も取れずに殴り飛ばされ、飛ばされた先で倒れてしまう。

そしてサーベルを握り潰したゼロの左手は当然のごとく掌が切れて出血していた。


そんな状態でも冷静なゼロの姿にキリスは彼を疑うかのように立ち上がりながら問う。


「ば、バカな……正気なのか?

サーベルを素手で止めるなんて自殺行為を……」


「別にオレには自殺行為でも何でもない。

どうせオレの体はすぐに再生するからな」


ゼロの行動に正気を疑うキリスの言葉に対してゼロは簡単に説明し、彼の言葉通りに左手の掌の出血する切り傷が徐々に消えていく。


傷が消えるとゼロは何事も無かったかのように構え、ゼロが構えるとサーベルを一本失ったキリスは残る一本のサーベルを構えてゼロを倒そうとする。


だがゼロはそんなキリスに対してある事を言う。


「オマエの行動、悪いがオレも把握させてもらった」


「オレの行動を?

デタラメなことを……」


「試してみるか?

それならさっさとかかってこい」


「その程度のハッタリにオレが……」


「ハッタリに聞こえたならあえて教えてやるよ。

オマエ、一見するとオレを攻撃してるように見えるけど実際はその逆だったんだよ。

オマエは的確にオレを追い詰めるためにオレに攻撃させて隙が生じるタイミングでカウンターの攻撃を放っている。

つまりオマエの攻撃は全て初動でオレを仕留めてはいない。

オマエの攻撃の引き金はオレの攻撃によって引かれている」


「……」


「そこを悟られないように銃を使ってるのが上手いところだ。

サーベルによるカウンター攻撃を悟られぬように銃を使って遠距離からの牽制を交えることで悟られぬようにすると同時にオレをカウンター攻撃を当てやすい攻撃範囲内に誘導しようともしていた。

そして「ソウル・ドライヴ」を真似たようなその力を使ってからはオレの後を追って動くことで速度に対応してるように見せてた……違うか?」


「……なるほど。

姫神ヒロムの中で消えることも無く無駄に残ってた怨念と認識していたがどうやら違うようだな」


ゼロの考察の言葉にキリスは余裕があるのか拍手を送り、拍手を送るとキリスはゼロに向けて言った。


「データの少ない中でオレの行動を分析し、それを咄嗟に戦闘の中に取り入れて攻撃するとは見事なものだ。

賞賛に値するものだ」


「……バカにしてんのか?

オレが言いたいのはそこじゃねぇよ」


「今の話からならそうとしか取れないが何が違う?」


「オマエはさっきオレを相手に加減してると言ったろ。

つまり、オマエのカウンター戦法は本気の時のものではなくオレを相手に加減して戦うためにあえて用意した急場凌ぎのやり方ってわけだ」


「……つまり、本気になれと?」


「ここまで来たなら本気になれよ。

下手な演技されるくらいなら……本気の相手と本気の戦いしてる方がマシだ」


「……なるほど。

本気の戦いを望むか……いいだろう」


ただし、とキリスはサーベルの切っ先をゼロに向けるなり彼に一つだけ宣言した。


「オマエ相手にアップグレードを使うことは無い。

そしてこれからオマエに披露するのは……オレの全力の中の四割の力だ」


「最初から負けた時の言い訳を用意するのか?

敵のくせして……」


「どうかな?」


ゼロが話す中、キリスはいつの間にかゼロの背後へと移動しており、そしてゼロの腹と背にはそれぞれサーベルで斬られたような傷が生じていた。


「……!?」


「四割の力しか出さなくて済むのはオマエがオレに「ソウル・ドライヴ」の力を与えてくれたからだ。

この「ソウル・ドライヴ」の力があるかぎり、オレは加減しながらでも十分な力を発揮出来る!!」


「……!!」


キリスはゼロを後ろから突き殺そうとサーベルで攻撃を放つが、ゼロは青い稲妻を強くさせるとキリスの眼前から一瞬で消え、再び姿を現すと小太刀を構えてキリスに襲いかかる。

が、キリスはゼロの小太刀の攻撃をサーベルで防ぐと拳銃を構えて至近距離からゼロの脳天を撃ち抜こうとするが、ゼロは青い稲妻を強くさせながら拳銃を睨むと同時に稲妻を刃のようにして拳銃を破壊して防ぐとキリスに蹴りを放つ。


「甘い!!」


ゼロの放った蹴りを蹴りを放つことでキリスは防ぎ止め、そしてサーベルでゼロの小太刀を彼の手から弾き落としてみせると回転して勢いをつけるなり蹴りを食らわせてゼロを蹴り飛ばす。


「がっ……!?」


蹴りを受けたゼロは勢いよく蹴り飛ばされてしまい、ゼロは何とかして受け身を取ると新たな武器を装備して迎え撃とうと考えた……が、キリスはゼロの考えが行動に移るよりも先に彼に接近しており、キリスのサーベルはゼロを貫こうと迫っていた。


「しま……」


「これがオレの四割の力。

その身に……」


キリスがゼロをサーベルで貫こうとしたその時。


爆発と轟音が響くとととにキリスのもとへと何かが勢いよく吹き飛んできて彼の攻撃を妨害し、キリスは攻撃を中断すると飛んできた何かを避けるように後ろに飛んだ。


「今のは……」


「何苦戦してんだよゼロ」


飛んできたものが何かをキリスが気にする中、それを飛ばしたと思われる張本人がゼロのもとへと歩み寄って姿を見せる。


「オマエ……」


「らしくねぇな、ゼロ。

オマエが苦戦するような相手なのか?」


炎を身に纏い、紅い拳銃を右手に持ったソラは歩み寄るなりゼロに話しかけ、声をかけられたゼロはソラが来た方向に視線を向ける。


視線を向けるとキリスが連れてきた機械兵器・イレイザーの一機が大破して爆発しており、残りの二機のイレイザーを他のメンバーが力を合わせて撃墜しようとしていたのだ。


「まさか倒したのか?」


「楽勝だったけどな。

あと二機なら問題ないと思ったからオレはこっちに加勢しに来た。

あまりにも苦戦してるようだったからな」


「余計なことを……」


「余計なお世話かもしれないけど……ここでオマエがアイツを倒すのを待つ余裕もないんでな。

手っ取り早くコイツらを倒して終わらせるぞ」


加勢に来たソラに対してゼロは不機嫌そうに舌打ちをするが、ソラはこの状況を早々にどうにかすべきだと伝えると紅い拳銃「ヒート・マグナム」をキリスに向けて構えた。


ソラが構える姿にゼロはため息をつくと期限を戻して青い稲妻を纏い直すと刀を出現させて装備してキリスを倒すべく構えた。


が、キリスは加勢に来たソラを見るなり何故かサーベルを下ろしてしまう。


「……邪魔をしないでくれるか、相馬ソラ。

オマエの相手をしてる暇はない」


「オマエがオレをどう思おうが関係ない。

ヒロムを狙う敵ならそれだけで理由は十分だ」


「シンギュラリティにも達していない能力者のくせにオレを倒せるとでも?

生憎だがゼロにはその可能性が少なからずあるがオマエにはその可能性はほんの僅かにもないんだよ」


「シンギュラリティだと?」


キリスの口からシンギュラリティというワードが出たことが気になったゼロ。


シンギュラリティ、その言葉を知ったのは鬼桜葉王がヒロムにその話をしたからであり、シンギュラリティという呼称は「一条」だけが使っているものだとゼロは思っていた。


が、今目の前にいるキリスはその呼称を口にした。


何故それを知ってるのか?


「何故オマエがシンギュラリティのことを知っている?

シンギュラリティの能力者のことを何故オマエが知っている?」


「別に不思議ではないさ。

海外では特異点に到達した能力者のことを昔からそう呼んでいるし、それにオレたちの協力者からもその話を聞かされたからな」


「協力者だと?」

(鬼桜葉王はヤツらに内通してるのか?

それとも「一条」の人間の中にヤツらの協力者が……?)


「その協力者ってのは誰だ?

オマエらにシンギュラリティについて話したのは一体誰だ?」


「それを聞かれてオレが素直に教えると思うのかゼロ。

残念だがオマエに教えることは……」


「なら死ね」


ゼロの問いに答えようとしないキリスの言葉を最後まで聞くことなくソラは引き金を引くと炎の弾丸を無数に放ち、キリスは放たれた炎の弾丸をサーベルで切り払って防ぐ。


「……話の途中に攻撃とは野蛮だな」


「オレはオマエの話を聞く気はない。

オマエらの話を聞くくらいなら……さっさと殺す」



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