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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編
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四七六話 覇王対鬼神



「口で言って分からないのなら体で分からせてやるだけ。

そうするしかないなら……こうするしかねぇよなァ!!」


高原へと一瞬でヒロムたちを移動させた葉王は両手を大きく広げながら走り出し、それを見たヒロムは真助、ノアル、セイナに指示を出した。


「来るぞ!!

こうなったら戦うしかない!!

真助とノアルはオレとアイツを迎え撃つ、セイナはオレたちの援護だ!!」


「「任せろ!!」」


「了解しました!!」


「いくぞ……葉王!!」


指示を出したヒロムは精霊・マリアの武装であるガントレットを装備すると走り出し、小太刀の霊刀「號嵐」を構えた真助と「魔人」の力で両手を黒く染めたノアルはヒロムを追うように走り出す。


ヒロムから援護を指示されたセイナはどこからか指揮棒を出すと取り出したそれに魔力を纏わせて援護できるように構えていた。


ヒロムたちが完全に戦闘態勢に入ると葉王は不敵な笑みを浮かべながら高く飛び上がり、飛び上がるとともに右手を動かすと一瞬で無数の魔力の矢を出現させてヒロムたちに向けて撃ち放っていく。


「なんつう速さだ……!!」


「驚いてる暇ないだろ真助!!」


葉王が一瞬で無数の魔力の矢を出現させたことに驚く真助にヒロムは強く言うと稲妻を纏いながらさらに加速しながら走り、地面を強く蹴って飛ぶと迫り来る魔力の矢を破壊しながら葉王に接近しようとする。



……が、葉王はヒロムが飛んで迫ってくるのを見ると身に魔力を纏って音も立てずに消え、ヒロムの視界から消えると葉王は一瞬で真助の背後へと移動する。


「っ……!!」


「鬼月真助ェ、強さに自信があるならよォオレを楽しまろよォ!!」


葉王は手刀で真助に襲いかかろうとするが、背後へと移動した葉王の気配を感じ取った真助は即座に敵の方を向くと二本の小太刀で手刀を防御する。


葉王の手刀を防いだ真助だが、葉王のただの手刀を小太刀で受け止める真助は葉王の一撃の重さにさらに驚かされる。


「コイツ……!!」

(ただの手刀でこの重さ……!!

武器無しでこの力ならコイツの本気は……)


「どうしたァ、考え事かァ!!」


手刀を止めた真助は頭の中で葉王の実力を分析しようとすることにより体の動きが止まってしまい、葉王はその真助の大きな隙を突くように蹴りを食らわせると勢いよく蹴り飛ばしてしまう。


「ぐぁっ!!」


「オレの攻撃を止めたくらいで余裕になったのか?

それとも……元々何の策もないってかァ!!」


葉王は真助に向けて魔力の矢を放とうとするが、ノアルは黒く染めた両手の爪を鋭くさせると葉王に接近して背後から切り裂こうとする。


「はぁぁあ!!」


「……バレバレなんだよォ、東雲ノアルゥ!!」


ノアルの鋭くなった爪が葉王に襲いかかろうとすると葉王は背後を一切見ずにノアルの攻撃を全て回避し、攻撃を回避した葉王は魔力を右手に集めて刀を生成するとノアルに斬撃を放とうと振り下ろす。


葉王が一撃を放つが、ノアルも負けてはない。


葉王の魔力の刀が身を抉ろうと迫る中刀が命中するであろう部分を「魔人」の力で黒く染めて硬化させるとノアルは葉王の刀を受け止め、そして左手で刀を掴むと砕いて壊した。


「やるなァ魔人。

人間の中で生きてるうちに人間らしく機転が利くようになったかァ?」


「鬼桜葉王、何故だ?

何故人であるオマエがこんな非情なことを躊躇いもなく行える?」


「何故?

分かりきってる事だァ……強者が弱者を淘汰して世界をあるべき形にする!!

オレの力はそのためにある!!」


ノアルに刀を砕かれた葉王は至近距離からノアルに魔力の弾丸を叩き込んで彼を倒そうとし、彼は負けじと魔力の弾丸が着弾するポイントを「魔人」のチカラで硬化させて防いだ。


が、ノアルが攻撃を防ぐと葉王は魔力を周囲に出現させ、出現させた魔力を龍の形に変えるとノアルに噛みつかせていく。


「!!」


魔力の龍がノアルに噛み付こうとし、それを察知したノアルは龍が噛み付こうとする部分を硬化させて防ごうと……したが、ノアルのそれを読んだかのように龍は噛み付くのをやめるとノアルの体に巻きついていき、龍が巻きついたノアルは身動きが取れなくなってしまう。


「何!?」


「オマエのその「魔人」の力は厄介だよなァ。

けどよォ、見方を変えればその力は簡単に攻略できるんだよォ!!」


龍に体を拘束されたノアルに葉王は詰め寄ると連続で掌底を叩き込み、掌底を叩き込む葉王は掌底とともに魔力も叩きつけてノアルを吹き飛ばしてしまう。


「がっ……!!」


吹き飛ばされたノアルが倒れ、蹴り飛ばされた真助とノアルが立ち上がろうとすると葉王は二人に向けて手をかざし、かざした手に魔力を集約するとビームにして撃ち放つ。


「まずは二人だァ!!」


「させません!!」


葉王の放ったビームが真助とノアルに迫っていく中セイナは手に持った指揮棒を円を描くように動かし、彼女の指揮棒の動きに呼応するように真助とノアルを守るように光の盾が現れて葉王の放ったビームを止める。


光の盾がビームを止めるとセイナはさらに動かして盾を空へ向けるように傾けるとビームを天へと弾き返し、葉王は彼女の力を見ると興味深そうに視線を向けた。


「セイナ・フローレスゥ……。

光の盾がオマエの能力かァ?」


「いいえ、私の能力は「光陣」。

光の力を操り盾などを生み出す力です!!」


「敵に対して親切に話すなんてバカなのかァ?

それにオマエのその能力じゃオレの攻撃は止められねェ。

弾き返すので精一杯なんだろォ?」


「たしかにアナタの言う通りです。

アナタの攻撃を完全に止めることは今の私には難しい……ですが!!」


セイナが指揮棒をさらに振ると光の盾に弾き返されたビームが向かう先に光の盾が数個現れ、現れた光の盾はそれぞれが異なる場所、異なる角度で展開されるとビームを次々に弾き返し、光の盾に弾かれたビームは気づけば放った張本人である葉王を背後から襲おうと向かっていた。


「へェェ……」


「私の力で止められなくても弾き返すことは出来ます!!

アナタが放った攻撃……アナタがその身で受けてください!!」


セイナが巧みに光の盾を操ったことにより葉王の攻撃は防がれるところで止まらず撃ち返され、放った張本人である葉王を襲うべくビームを返した。


セイナの一連の行動に葉王は少し感心したような表情を見せるが、右手をポキポキ鳴らすと迫り来るビームを片手で止め、そしてビームを止めた右手で掴むように強く力を入れるとビームを消し去ってしまう。


「そんな……!!」


「悪いなァ、セイナ・フローレスゥ。

オマエの発想は悪くなかったけどよォ、その程度じゃァオレには届かないなァ」


ビームを握り消した葉王は両手に力を溜めると真助とノアル、セイナに向けてビームを放つべく両手を前にかざして攻撃を放とうと構える。


……が、その攻撃を一人の男は許さなかった。


「はぁぁぁぁ!!」


葉王を倒すべく高く飛んだはずのヒロムが拳に稲妻を纏わせながら急降下して葉王に迫り、攻撃を放とうとする葉王に向けてヒロムは左の拳の稲妻を解き放って葉王を妨害する。


「!!」


妨害を受けた葉王は両手に溜めた力でヒロムの放った稲妻を相殺し、葉王が攻撃を相殺すると同時に着地したヒロムは休むことなく地面を蹴って敵に接近すると右の拳を叩き込もうと拳撃を放った。


だが葉王は落ち着いた様子でヒロムの拳撃を蹴りで防ぎ、攻撃を蹴りで防いだ葉王は魔力を集めると至近距離からヒロムに撃ち放つ。


「無闇に接近するからこうなるんだよォ!!」


葉王がヒロムに向けて魔力を撃ち放ち、放たれた魔力はヒロムに直撃する。


……が、直撃を受けたヒロムは全身が稲妻となって消えてしまう。



「……何!?」


「んな分かりきったこと今更言われなくても分かるんだよ!!」


魔力を受けたヒロムが稲妻となって消えたことに葉王が驚いているとヒロムが彼の死角から現れて蹴りを食らわせ、蹴りを受けた葉王は軽く飛ばされてしまう。


葉王を蹴ったヒロムの体には魔力を叩き込まれたようなダメージは一切なかった。


その事から葉王は何が起きたかすぐに理解出来た。


「……稲妻を用いた分身かァ。

最初の左の稲妻で本体が移動する時間を作るとはなァ」


「正攻法じゃオマエには勝てない。

なら頭使って戦う、それだけだ」


「頭使ってねェ……。

オマエ程度の知恵で倒せると思ってんのかァ!!」


葉王は魔力を両手に纏わせるとヒロムを倒すべく動き、ヒロムも葉王が動き出すと稲妻を纏って迎え撃とうとする。


セイナの光の盾の防御とヒロムの攻撃によって時間が稼がれたのか真助とノアルは立ち上がって構え直し、ヒロムに加勢すべく走り出す。


「ノアル、ヒロムの援護するぞ!!」


「ああ!!」


真助は自身の能力「狂」の黒い雷を纏い、ノアルは全身を黒く染めると鬼のように姿を変えて白髪を長く伸ばして爪を鋭くさせ、力を纏った二人はヒロムを援護しようと葉王に攻撃を放つ。


真助とノアルが攻撃を放ったことに気づいた葉王は足に魔力を纏わせるとヒロムから距離を取るように後ろに飛び、そして真助とノアルの攻撃を両拳で防いでしまう。


「コイツ……!!」


「ったく……学習能力ねェヤツらだなァ!!」


攻撃を防いだ葉王は二人に衝撃波を放って吹き飛ばそうとするが、真助は両手首の黒い痣に黒い雷を帯びさせると両腕全体に痣を広げながら黒い雷を強くさせて衝撃波を防ぎ、ノアルも全身に纏う「魔人」の力を強くさせると衝撃波を受け止めてみせた。


「学習能力がない?」


「それは……」


「「オマエの方だろ!!」」


真助とノアルは葉王の放った衝撃波を受け切るとそのまま反撃に転じて一撃を放ち、放たれた二人の一撃を両拳で防ごうとした葉王は力負けして押し飛ばされる。


「何ィ!?」

(コイツらの力が急激に増しただとォ?

コイツらのデータには今みたいな力の増幅はなかったはずなのに……)


「……まさか、シンギュラリティと一緒に行動してるせいで感化されて同じ道を辿ろうとしてるってのかァ?」


真助とノアルの一撃に驚きながらも葉王は押し飛ばされた体を立て直そうとするが、その葉王が立て直すのを邪魔するようにヒロムは接近して葉王に拳撃を叩き込む。


「はぁぁぁぁ!!」


「しまっ……」


ヒロムの接近に気づいた葉王は慌てて防御しようとするが、ヒロムはそれよりも先に拳を葉王に叩き込むと拳に纏わせた稲妻を炸裂させて勢いよく吹き飛ばす。


吹き飛ばされた葉王は強く地面に叩きつけられると転がっていき、飛ばされた先で何とかして立ち上がると服に付着した汚れや埃を払うような動きをしながら首を鳴らす。


「……予想外だなァ。

姫神ヒロムがシンギュラリティに到達した影響なのかァ、そもそもその素質があったかは知らないがよォ。

まさか同じように感情の高ぶりで力を増加させる術を得てるとは驚きだなァ」


「?」


「何言ってんだアイツ?」


「分からない。

だがヒロムの攻撃もオレと真助の攻撃もヤツに通用してる。

このまま……」


甘いな、と葉王がノアルの言葉を遮るように言うと彼の体から今受けた攻撃で負うはずのダメージが消えていく。


「なっ……!?」


「まだ本気になってないオレを相手に優位に立った気でいるなら教えてやるよォ。

既にシンギュラリティに達してその力を掌握した能力者の力をなァ」

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