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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編
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四三六話 助けての声


「オレが消してやる!!」


稲妻を強く纏い、殺意に満ちた瞳でクロムを睨むヒロム。

そのヒロムに睨まれ、宣告されたクロムはため息をつくと彼に向けて言った。


「殺すとか消すとか言ってるけど、どうやって倒す気だ?

今のオマエは新しい「アンリミテッド・クロス・リンク」がなければ何も出来ないし、それを発動したところでオレは倒せない。

今のオレはこの場にいる全員の力を吸収して完全な力を得た存在だ。

ゼロ・ロードと名乗っていたあの時の比ではない」


「……もうしゃべるな。

聞くだけで殺意が増すだけだ」


「殺意が増すだけ?

殺意が増したところでオレに通用する手段のないオマエが今更どうしようって言うんだよ!!」


決まってんだろ、とヒロムは稲妻をさらに強く纏うと言った。


「更なる先……限界の先にある更なる限界を超えるだけだ」


「更なる限界だと?」


「それを今から見せてやる……!!」


何かをしようとするヒロム。

ヒロムが何をするのか気になるクロムはそれを見ようとするが、ゼロはヒロムを止めるべく叫んだ。


「やめろヒロム!!

今のオマエが更なる限界を超えたら体が持たないぞ!!」


「……分かってる」


「分かってるならやめろ!!

ヤツより先に体が壊れたら……」


「だとしてもオレがやらなきゃ救えないんだよ!!」


ヒロムはゼロの言葉に強く反論すると続けて彼に向けて告げた。


「……聞こえたんだよ。

ヤツの中にいる八人の精霊の苦しみから助けを求める声が!!

それを聞いて黙ってろって言うのか!!」


「だからってオマエが無茶したら意味無いだろ!!」


「そんなもん……後から見つけるだけだ!!」


ゼロに冷たく言うとヒロムは更に稲妻を強くさせ、稲妻を強くさせるとフレイたち精霊に言った。


「オレのワガママに付き合ってもらうぞ!!」


「「分かりました!!」」


「……はぁぁあ!!

エボリューション!!」


強く放出される稲妻が輝きを放つとフレイ、ラミア、ティアーユ、ステラは光となってヒロムに重なり合って一つとなり、光と一つになったヒロムは光を身に纏おうとした。


しかし……


突然、稲妻が暴発してフレイたちが弾き飛ばされ、そしてヒロムは無防備となって暴発した稲妻に襲われてしまう。


「ぐぁっ!!」


稲妻に襲われたヒロムは吹き飛ばされて倒れ、それを見たクロムはヒロムをバカにするように笑う。


「ハハハハハハハ!!

無様だな、ヒロム!!

それがオマエの限界、オマエにはどうにも出来ない限界の壁だ!!」


「黙れ……!!」


「さて、限界を超えられなかったことを後悔しながら消えろ」


「黙れって言ってんだろ!!」


ヒロムは稲妻を纏うとフレイとステラによる「アンリミテッド・クロス・リンク」を発動して走り出し、クロムに攻撃を放つが、放たれた攻撃はクロムに命中する前に何かに止められてしまい、攻撃を止められたヒロムは強い衝撃に襲われてしまう。


「!?」


「その力は通用しないって言ったろ?」


「……黙れ!!」

『マスター、落ち着いてください!!』

『フレイの言う通りですマスター!!』


「黙れ!!」


フレイとステラがヒロムを制止すべく声をかけるもヒロムは二人の言葉を振り切るように叫ぶと大剣を装備して斬撃を放つ。


が、クロムに向かっていく斬撃はクロムが右手で簡単に握り潰し、そしてクロムが右手で大気を軽く叩くと何も無いところから爆撃が生じ、爆撃に襲われたヒロムは倒れ、「アンリミテッド・クロス・リンク」が解けてしまう。


が、ヒロムは立ち上がるとまた稲妻を纏って構えようとするが、フレイとステラはヒロムを止めようとする。


「待ってくださいマスター!!」


「迂闊に攻撃しては負傷するだけです!!」


「だとしてもやるしかねぇだろ!!」


「……いい加減にしろ!!」


フレイとステラの制止を無碍にしようとするヒロムにゼロは叫ぶと彼に向けて言った。


「万全でないオマエが何度挑んでも返り討ちにあうだけだ!!

ヤツを倒すためにもあの八人の精霊の力がいるのに、その精霊の取り戻す前にオマエが倒れたら意味無いだろ!!」


「だったら黙って見てろって言うのか!!

今も苦しみの中で悶えてるのを知りながら見捨てろって言うのか!!」


「オレが命張るのを止めるくらいなら無謀なことすんなって話なんだよ!!」


「……!!」


ゼロの言葉にヒロムは何も言い返せず、そんなヒロムに向けてゼロは言った。


「オマエはオレに死ぬなら連れ戻して殴り飛ばすって言ったよな?

ならオレもオマエが死にかけたら殴り飛ばして目ェ覚まさせてやる」


「……」


「……分かったら冷静になって構えろ。

運のいいことにまだチャンスはある」


「何……?」


ゼロの言葉に耳を疑うヒロム。

そんなヒロムにゼロは自身の言うチャンスについて説明した。


「ヤツはバッツの干渉する力によって開いた入口を壊すのではなく取り込んだ。

仮にそれが八人の精霊の近くに存在しているとしたら……オマエの呼びかけに応じるかもしれない」


「なら……」


「いつまで話してるつもりだ?」


ヒロムとゼロが話しているとクロムが翼を羽ばたかせて衝撃波を放ち、放たれた衝撃波を二人はギリギリで避け、フレイたちは衝撃波を避けると武器を構え、ヒロムはゼロに作戦があるのか質問した。


「呼びかけるにしても作戦なしじゃないよな?」


「作戦ならある。

けど……覚悟決めろよ?」


「何をする気だ?」


「……オレとオマエ、そしてフレイたち霊装を持つ全員で命を張る。

ここにいるオレたちの持つ六つの霊装の力を同時に高め、高めたその力をヒロムに集約してクロムに叩き込めば入口を介してヤツらも解放されるかもしれない」


「……確率は?」


「成功する確率は低いが……やるだけの価値はある。

下手すりゃオマエの霊装に集めた力がエボリューションを完成させるかもしれないからな」


「無謀な賭けってことはよく分かった。

なら……早く始めるぞ!!」


ああ、とヒロムの言葉に応じるようにゼロが言うとヒロムと彼は金色と灰色の稲妻をそれぞれ纏い、白銀の稲妻をフレイ、紫色の稲妻をラミア、青い稲妻をティアーユ、赤い稲妻をステラが纏っていく。


六人が稲妻を纏うとクロムは呆れてるのかため息をつき、そして闇を強く纏うと飛翔する。


「何をしようと所詮は無駄な足掻き!!

オマエらがオレに優ることはもう無い!!」


「そんなもん……」


「やってみなきゃ分からねぇだろ!!」


ヒロムとゼロは稲妻を強く纏うと地面を強く蹴って高く飛び上がり、高く飛ぶとともに飛翔しているクロムに接近して一撃を放とうとする……が、クロムは接近してくる二人に向けて左手をかざすと天から雷撃を落とし、二人は雷撃に襲われると地面に叩きつけられてしまう。


「「!!」」


「所詮オレの力を受けて圧倒される程度の力しかないオマエらじゃ何も出来ない!!

それを理解しろ!!」


「「まだです!!」」


クロムが叫んでいるとフレイとステラは剣を構え稲妻を纏って高く飛んでクロムに斬撃を放って敵を攻撃するが、放たれた斬撃をクロムは簡単に防ぐと衝撃波を放ってフレイとステラの武器を破壊し、さらに爆炎をどこからか放つと二人を吹き飛ばしてしまう。


「「きゃぁぁぁ!!」」


「非力なオマエらがオレに傷を与えるなど不可能!!

ここで終わらせて……」


「「まだよ!!」」


フレイとステラが吹き飛ばされるとラミアとティアーユが武器を構えてクロムに向かっていき、フレイとステラは受け身を取って体勢を立て直すと稲妻を強く纏わせて二人に続くようにクロムに向かっていく。


性懲りも無く向かってくるフレイたちに苛立ちを隠せないクロムは翼を大きく広げると翼を妖しく光らせ、翼が光を放つとフレイたちは烈風と吹雪に襲われ、そして黒い稲妻が妖しく光を帯びながら翼から放たれて四人を襲うと四人をヒロムやゼロと同じように地面に叩きつけるように吹き飛ばす。


「「きゃぁぁぁ!!」」


地面に叩きつけられるように吹き飛ばされた四人はそのまま地面に衝突してしまい、負傷して倒れる中で何とかして立ち上がろうとする。


そしてヒロムとゼロも立ち上がると構えようとするが、六人がしぶとく立ち上がるとクロムは苛立ち混じりに叫びながら攻撃を放つ。


「勝ち目のない相手に何度も挑むのがどれほど滑稽か思い知れ!!」


クロムが叫びながら攻撃を放つと嵐が巻き起こり、爆撃と爆炎、さらには稲妻が六人を襲っていく。


「「あああああ!!」」


クロムの攻撃を受けた六人はボロボロになるまで追い詰められ、追い詰められた六人は為す術もないまま倒れてしまう。


倒れたヒロムたちは諦めずに立ち上がろうとするが、そんな彼らにトドメを刺すべくクロムはドス黒い闇の玉を出現させ、力を凝縮すると撃ち放とうとする。


「終わりだ。

何も残せなかったこと自分たちの弱さを憎みながら消えろ!!」


「くっ……」


消えろ、とクロムが力を凝縮させた闇の玉を撃ち放ち、攻撃が放たれるとヒロムは何とか立ち上がろうとするが体が思うように動かず、そんなヒロムに襲いかかろうと闇の玉が迫ってくる。


「くそ……!!」


ここまでか……

そう覚悟を決めた時だ。


「「うぉぉぉ!!」」


覚悟を決めたヒロムを守るように魔力を纏ったガイとソラ、そしてイクトとシオンの四人が闇の玉の前に立ちはだかり、そして四人は全ての力を込めて闇の玉を止めようとする。


が、闇の玉は四人が止めようとすると炸裂して四人を吹き飛ばし、吹き飛ばされた四人はヒロムの前に倒れてしまう。


「オマエら何やって……」


「……全員で命を張るんだろ?

ならオマエらだけで頑張ろうとするなよ」


ヒロムに向けて言うとガイは立ち上がり、ソラたちも立ち上がるとヒロムに向けて言った。


「……ったく、ここまで散々付き合わされて仲間外れとか無しだろ?」


「大将ってこういう時も好き放題やるよね」


「まったく……付き従う人間の気持ちも考えろ」


「オマエら……」


立て、とソラはヒロムを強引に立ち上がらせると胸ぐらを強く掴み、そしてヒロムを強く見ながら彼に伝えた。


「あんなヤツ倒すのがオマエのケジメだって言うなら付き合ってやる。

オレたちはオマエのためなら何でもやってやる」


全くだ、と真助とシンクがやってくると続けてノアル、夕弦もヒロムのもとへやってくる。


そしてアリサとイグニスに守られるユリナたちもヒロムを見守っていた。


その光景を目の当たりにしたクロムは気持ち悪そうにヒロムに言った。


「弱い者同士が群がるとは気持ちの悪い……。

全員揃って死期を早めたいのか?」


「……いや、悪いが死なない」


「何?」


「天国にも地獄にもオレたちは行かない。

そう……「天獄」がオレたちの居場所だ」


「わけのわからんことを……」


それに、とヒロムは白銀の稲妻を纏い、ヒロムが稲妻を纏うとフレイも立ち上がって白銀の稲妻を纏い、二人が白銀の稲妻を纏うとヒロムはクロムに言った。


「オマエを倒す希望はここに生まれた」


「希望?

そんなものはない!!」


ヒロムの言葉を否定しようとするクロム。

そのクロムの言葉に耳を貸すことも無くヒロムとフレイは顔を見合わせて頷くと息を合わせて叫んだ。


「「ソウル・リンク!!」」

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