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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編
430/672

四三〇話 真理の精霊


「全部終わらせるぞ」


ヒロムが言うとヒロムを守るように立つテミス、フラン、マリア、ランファンは構え、槍を構える仮面の女は黒い稲妻を纏う操り人形のような二十八人の精霊……ドールに指示を出すように叫んだ。


「ヤツを殺してあの力を奪え!!」


女の指示に返事もなくドールは動き出し、ドールが動き出すとテミス、フランは炎を放ち、そしてマリアとランファンは敵を迎え撃とうと走り出して拳撃を放つ。


「……オレの力はオレのもんだ。

オマエらじゃ奪えねぇ」


「ほざけ!!

私たちはオマエのような偽りの存在を許すと思うな!!」


「別に許されたくねぇけどな 」


ヒロムが左手首の金色のブレスレットに右手をかざすと光とともに大剣が現れ、ヒロムは大剣を構えると女に向けて言った。


「オレの弱さがこの結果を招いたなら受け入れるだけだ。

その代わりに……受け入れる気のないオマエらを排除するだけだ!!」


「黙れ!!」


女は槍を新たに生み出すとヒロムに向けて走り出すが、ヒロムは女の背後へと瞬間移動したかのような速さで移動すると蹴りを食らわせ、蹴りを受けて無防備となった女に斬撃を食らわせる。


「がぁっ!!」


「言っておくけど、ドールじゃないとしてもオマエらじゃ勝てねぇ」


「隙だらけだ!!」


ヒロムが槍を持つ女に話していると彼の背後から二人の仮面の女が現れ、二人はヒロムに向けて魔力を撃ち放とうとする。


が、ヒロムのブレスレットが光を放つとヒロムの背後にアルカとアウラが現れ、二人は魔力を放とうとする敵に魔力の弾丸を放つとともに迎え撃つ。


「!?」


「この力は……!?」


「マスター、怪我はない?」


「ご無事ですか?」


「オレのことはいいからオマエらの姿してるあの操り人形壊してこい」


了解です、とアルカとアウラはテミスたちの援護に向かい、ヒロムは大剣を構えると仮面の女たちを相手にしようとする。


ヒロムが構える中、アルカとアウラの攻撃を受けた仮面の女は納得のいかぬ様子でヒロムに強く言葉を発する。


「何をした!?

オマエに味方する精霊の力が私を上回るなんてありえない!!」


「……ありえない、か。

信じられないことからはそうやって目を背けるのか?」


「黙れ!!

何をした?あの精霊にオマエは何をした!!」


「……別に。

オレはただ自分の中にある全てを使ってドールから回収したアイツらの心を組み上げて精霊としての存在を新しく構築し直しただけだ」


「構築し直しただけ?

オマエのような何の力もないようなヤツが何を言うか!!」


仮面の女は短剣を構えるとヒロムに向けて走り出し、彼女と同じようにアルカとアウラの攻撃を受けていたもう一人の仮面の女は剣を構えると刀身に魔力を集め、集めた魔力を強くさせると魔力をビームのようにして撃ち放つ。


ビームのように放たれた魔力をヒロムは大剣を盾にする形で防ぎ、短剣を構えた女は攻撃を防ぐヒロムの隙を突こうと接近して斬りかかろうとする……が、ヒロムの左手首の金色のブレスレットが光を発すると光とともに銃剣が現れ、ヒロムはそれを片手に装備すると短剣を構えた女に向けて無数の魔力の弾丸を撃ち放って吹き飛ばしてしまう。


「ぐぁあ!!」


「バカな……」


短剣を構えた女はヒロムの攻撃を受けて吹き飛ぶと倒れ、剣を構える女はヒロムに仲間が倒されたことに動揺していた。


女が動揺している隙にヒロムは大剣と銃剣を振ってビームのようにして放たれた魔力を消し、大剣を地面に刺すと剣を構える女に向けて銃剣を構えて力を溜める。


「食らえよ」


ヒロムが引き金を引くと数発の魔力の弾丸が撃ち放たれ、放たれた弾丸を女は斬り落とそうと剣を振り上げようとする……が、ヒロムが銃剣を投げ捨てるとともに大剣を光に変え、光とともに二本の小太刀がヒロムの両手に装備され、その瞬間、女に迫っていく魔力の弾丸が突然動きを止める。


「!?」


自分を襲うはずの魔力の弾丸が動きを止めたことに一瞬困惑する女は剣を握る力が緩んでしまい、その一瞬を見逃さぬようにヒロムは小太刀を構えると女に音も立てずに接近して連撃を放つ。


「ぐぁっ!!」


「じゃあな」


女に連撃を食らわせたヒロムは高く飛ぶと指を鳴らし、彼が指を鳴らすと動きを止めていた魔力の弾丸が動き出し、連撃を受けた女に追撃を加えるように魔力の弾丸が次々に命中していく。


弾丸を受けた女は剣を手放すように倒れ、女が倒れるとヒロムは小太刀を光にして消してしまう。


が、先程の槍を構えた女は斬撃を受けながらも立っており、残った他の仮面の女五人もそれぞれ武器を構えてヒロムに狙いを定めていた。


「……全員やる気のようだな」


「今のようなまぐれが起きないかぎり私は同じ攻撃は受けない」


「まぐれ?どこがだよ?

オマエが間抜けなだけだろ?」


「……今のオマエの言葉、私への侮辱として心に刻んでやる。

その代わり……その命を寄越せ!!」


槍を構える女はヒロムの命を奪うことを宣告すると走り出し、他の五人の女も武器を構えてヒロムを攻撃しようと動き出す。


六人の女が同時に走り出した中、ヒロムは呑気にあくびをし、あくびを終えるとヒロムは突然無表情になる。


そして数秒後……


「槍のオマエはオレを突こうとするが、オレに攻撃を避けられる。

他の五人は槍を避けたオレに対して順番に攻撃を放つもオレには命中しない」


「寝言は寝て言え!!」


槍を構える女はヒロムの言葉に強く返すと武器を強く握ると鋭い突きを放つが、ヒロムは天へと高く跳んで避ける。


槍の一撃を跳んで避けたヒロムに対して五人の女はじゅんにヒロムに攻撃を放つが、ヒロムは左手首のブレスレットを光らせると光を二本の槍へと変化させて装備し、装備した槍で五人の攻撃を全て防いでしまう。


「なっ……」


「そんな……」


「だから言ったのにな。

今のはオレの忠告とオマエらの行動がどうなるかを教えてやったのに……無知なのか?」


「何?」


「何も知らないから教えられても理解出来ずに無駄な行動をするのか?

だとしたら……オマエらみたいな「無能」に価値ねぇよな?」


「……オマエに「無能」と言われる筋合いはない!!」


ヒロムの言葉に女は怒りを抑えきれず槍を強く握ると全身に黒い稲妻を纏いながら走り出し、加速するとヒロムに連続で突きを放つ。


「……右に二歩」


ヒロムは一言呟くと呟いた通りに右に二歩ズレるように動く。


ヒロムが動くと先程までヒロムのいた場所へと女の攻撃が放たれ、攻撃が外れたことに驚く女にヒロムは蹴りを食らわせる。


「がっ……!?」


「無駄なんだよ。

オマエの動きは見えてる」


「オマエは……オマエその流動術さえなければ何も出来ない「無能」なのに!!」


「……これは流動術じゃない」


ヒロムは手に持つ二本の槍を光に変えるとその光を女が持つ槍と同じ刺突に特化した槍に変化させると女の武器を突いて破壊する。


「なっ……私と同じ武器!?」


「脆いな……感情の揺らいだヤツの武器は」


「オマエェェェ!!」


槍を破壊された女は黒い稲妻を纏いながらヒロムを殴ろうとするが、ヒロムは槍を地面と水平に構えると呼吸を整え、そして地面を強く蹴ると視認出来ぬ速度による連続の突きを放ち、放たれた突きを受けた女は全身にダメージを受けて倒れる。


「そん、な……」


「オマエ如きに流動術の先読みなんて無意味だ。

露骨に動きが読めるようなオマエにはな」


女が倒れるとヒロムは槍を光に変えて消し、そして全身に魔力を纏うと残る五人を倒すべく構える。


「……オマエら!!

ヤツを殺せ!!」


一人の女がヒロムを殺すようにドールに指示を出すが、ヒロムが指を鳴らすと周囲に光が現れ、現れた光が精霊・フレイ、ステラ、ロザリー、マキア、アリア、セラに変化すると六人は一斉に攻撃を放ち、さらにドールを迎撃していたテミス、フラン、ランファン、マリア、アルカ、アウラも続くように攻撃を放つ。


十二人の放った攻撃は一つになると巨大な光となって自分たちと同じ姿をした操り人形であるドールを破壊していき、光が消えるとクロムの呪縛に囚われて生まれた二十八人の精霊を模した操り人形は塵となって消える。


「そ、そんな……!?」


ドールの消滅に指示を出した女は言葉を失い武器を落とし、その女を倒すべくフレイは大剣、ステラは赤い剣を構えて接近していく。


「「はぁぁあ!!」」


「させるか!!」


フレイとステラが武器を落とした女を倒すべく迫る中、彼女を守ろうと一人の女が剣を構えて迎え撃つべく攻撃を放つが、フレイとステラはその一撃を武器で弾くとお返しと言わんばかりに強力な一撃を放って敵を二人まとめて吹き飛ばす。


「きゃぁぁぁぁ!!」


「こ、こんな力がアイツらに……!?」


吹き飛ばされた二人は吹き飛ばされた勢いにやられて倒れ、残った三人は何が起きてるのか理解出来ずにいた。


「何故……!?」


「私たちはアイツらを超える力を持った精霊なのに……何故アイツらの力に負けるの!?」


簡単な話だ、とヒロムは理解出来ずにいる三人に向けて言うとフレイとステラの前に出、そしてフレイたちの前に立つと魔力を纏いながら敵に伝えた。


「オマエらの力はクロムが与えただけの固定された力だ。

最初に強くさえしとけば一見強そうに見えるが、変化には対応出来ない。

けど今のフレイたちは違う。

一度はオマエらのように固定された力によって塗り潰されたが今は違う」


「何が違うと言う?

精霊の強さなど生まれた時から……」


「今のフレイたちはオレの全てとこれまでの記憶とともに生まれた特別な思いを胸に秘めてここにいる。

その思いはクロムにも奪えないしクロムにも覆せない。

今のコイツらは自分の在るべき姿と意義を理解し、その上で前に進む力を持っている」


「夢物語を……!!

そんな都合のいい話が……」


「生まれた時って言ったよな?

オマエらがどうやって生まれたかは知らないが、フレイたちはオレの心と共に生まれた。

これまでの時の中で培ってきた全てを受け止めたフレイたちの力は……常に進化し続ける。

故に真理の精霊は……本来の姿を理解したことで能力のリミッターすら外れている!!」


「能力のリミッター!?」


「まさか……」


「そう……今のフレイたちはオレやゼロが手にした真理によって覚醒し、精霊を超えた精霊へと進化した。

そして……」


ヒロムは左手首の金色のブレスレットに光を纏わせると全身に金色の稲妻を纏う。


これまでに見た事のない稲妻の色に三人の女は戸惑い、その三人に向けてヒロムは告げた。


「見せてやるよ、オレが精霊へと魂を昇華させ、精霊と人として全てを導くために得た霊装……この力をな!!」

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