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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編
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四一五話 覇王VS不死鳥


「はぁぁあ!!」


「魔人」の力を解放して全身を黒い鬼のような魔人の姿に変えたノアルは雄叫びをあげると闇と共に衝撃波を放ち、放たれた一撃は新たな角王である鎚角と流角を吹き飛ばし、吹き飛んだ二人に向けて追撃の一撃をノアルが放つと敵は完全に気を失って倒れてしまう。


「……呆気ないな」


「そうかよ!!」


ノアルはため息をついているとシンクが戦っているはずの狼角が狼の獣人となってノアルを倒そうと襲いかかるが、ノアルは首を鳴らすと背中から三本目となる黒い腕を出現させ、出現させた腕で狼角の腕を掴むと握り潰す。


「!!」


「……倒す気があるならもっとマシな攻撃をしてくれ。

それと……相手を間違えるな」


「全くだ」


ノアルは狼角を天に向けて投げ飛ばし、投げ飛ばされた狼角のもとへとシンクは冷気を纏いながら接近すると蹴り飛ばす。


投げ飛ばされ蹴り飛ばされた狼角は山林を薙ぎ倒すように吹き飛ばされ、吹き飛ばされた先で倒れてしまう。


……が、獣人となった狼角は見た目通りタフなのか起き上がり、首を鳴らすとシンクとノアルを睨みながら雄叫びをあげる。


「……とっとと倒れやがれよ」


「加勢しようか?」


「……頼む。

さっさと倒してヒロムを助ける」



その姿を見たシンクは舌打ちをし、ノアルは舌打ちをしたシンクに加勢するかを訊ね、ノアルの申し出に対してシンクはそれを求めるように答える。


わかった、とシンクの言葉にノアルは返事をすると爪を鋭くさせてシンクとともに走り出そうとする……のだが、突然強い気が二人を襲い、二人は思わずその気が発せられる方に視線を向ける。


視線の先にはヒロムと……ヒロムと戦い全身に膨大な量の炎を纏った拳角の姿があった。


「あれは……」


「拳角だ。

アイツが手にしてたガントレット……やっぱりフェニックス・ギアだったか」


「シンク、それは一体……」


聞き慣れぬ言葉を口にするシンク。

そのシンクの口にした「フェニックス・ギア」と呼ばれるものが気になったノアルはシンクに説明を求めようとした。


……のだが……


「余所見とは余裕だな!!」


ノアルの言葉を邪魔するように狼角が迫り、迫ってきた狼角は一撃を放って二人を倒そうとするが、二人は力纏うとその一撃を避ける。


「……ノアル、説明はあとだ」


「わかった。

まず敵を倒そう!!」


シンクとノアルは互いに呼吸を合わせるようにして頷くと構え、そして敵である狼角を倒そうと一撃を放つ。


「「はぁぁあ!!」」




***



不死鳥を摸した装備を身に纏った拳角。

その拳角から放たれる強い力を前にしてヒロムは少し面倒そうに舌打ちをした。


「……オレを倒すためにわざわざ新しい武器用意したとはご苦労なこった」


「このガントレット……フェニックス・ギアは何もオマエのために作られたものではない」


「フェニックス・ギア?」


「そう、このギアは角王の一人となったオレと能力を最大限に引き出すために用意された角王の証。

本来ならオマエのような「無能」に使うものでは無い」


「ギア……魔剣「ラース・ギア」と同じってことか」


「そう、斬角の魔剣も角王の一人として認められたことで送られた武器だ」


「なるほど。

けど、「無能」相手に使うもんじゃないなら何で今それを使う?

使うってことはオマエはそれがなきゃオレに勝てないって言ってるようなもんだ」


「そうだ。

だからこそ……ここでオマエを完全に倒して汚点となるその事実を焼却する!!」


「……実力行使の口実ってわけか。

くだらねぇな」


ヒロムはため息をつくと身に纏う白銀の稲妻と装備した二本の大剣を消してしまう。


無防備となったヒロム。

するとその彼のもとに拳撃を得意とする少女の精霊・「絶拳」マリアとチャイナドレスのような衣装の少女の精霊・「龍擊」ランファンが現れる。


そして……


「悪いが拳角、装いを新たにできるのはオマエのその何とかギアだけじゃねぇ。

特に……戦局によって姿を変えられるのはオレたちの得意分野だ!!

クロス・リンク!!」


ヒロムが叫ぶとマリアとランファンは魔力の龍となってヒロムを包み込み、魔力の龍はヒロムを包み込むと炎のようになるとヒロムと一体化し、炎のようになった魔力の龍と一つになったヒロムは装いを新たにすると拳角の前に姿を現す。


「……「絶拳」マリア、「龍擊」ランファン!!

荒ぶる魂を拳に宿せ!!龍擊拳王!!」


袖のない青いロングコートを羽織り、右肩に龍の頭の肩当て、両腕にはガントレット、そして腰布を巻いた姿となったヒロムは拳を強く握ると構え、他の精霊もヒロムを支援するかのように武器を構える。


が、ヒロムの「クロス・リンク」の姿を見た拳角はヒロムに対して不満があるらしく、彼に向けてある力を発動するように告げた。


「その姿では物足りんな。

「竜鬼会」のリーダー……ゼアルを葬ったあの力を見せてみろ」


「あ?」


拳角が「エボリューション」のことを口にするとヒロムは思わず疑問を抱いた。


(スローネって野郎はオレたちの「エボリューション」のことを知らなかった。

だが拳角は知っている……ってことは「十家」自体は「エボリューション」を把握してるってことだ。

けどスローネは知らなかった……だとしたら、ヤツは「十家」とは関係の無い存在?)


「どうした?

今更その姿ではなくあの力に頼るべきだと後悔してるのか? 」


「……いいや、まさか。

オマエにはこれで十分だ」


拳角に向けて言葉を返すとヒロムは頭の中でシンクに言われたある言葉を思い出していた。


『スローネってヤツがヒロムのあの「エボリューション」のことを知らなかったのがまぐれでないとしたら何が何でもそのデータを求めるはずだ。

どこから見てるか分からない以上……「クロス・リンク」で止めるようにしてくれ』


「……安心しろよシンク。

「クロス・リンク」だけで済みそうだ!!」


ヒロムは地面を強く蹴ると高く跳び、拳角に接近すると龍の形をした魔力を撃ち放つ。


が、放たれた魔力を拳角は殴り潰し、拳角はヒロムを殴り飛ばそうと炎を纏った拳撃を放つ。

放たれた拳撃はヒロムに命中し、命中すると炎が炸裂してヒロムを襲う……のだが、ヒロムは魔力を強く纏って炸裂する炎を相殺すると回転して勢いをつけて拳角の顔面を殴った。



「!!」


「甘い」


ヒロムは拳角の顔面を殴ると頭を掴んで地面に向けて投げ飛ばし、投げられた拳角は体を回転させて体勢を整えると翼を羽ばたかせて飛翔しようとする。


が、ヒロムは拳角の飛翔を阻止しようと無数の魔力の龍を呼び出して襲いかかるように仕向け、さらにアウラ、アルカ、テミスが遠距離から弾丸を拳角に向けて放つ。


「ふざけた真似を!!」


拳角は右手に炎を集中させると地面を強く殴り、拳角が地面を殴ると熱波と強い衝撃が周囲を走る。


周囲を走る熱波と衝撃はヒロムたちの攻撃を相殺し、相殺すると拳角はヒロムを倒そうと飛翔する。


「少しはやるようだな」


「偉そうな言い方だな。

また肩の骨砕かれたいのか?」


接近してくる拳角に前回と同じように倒してやろうかと挑発するヒロム。


その挑発を受けた拳角はヒロムに接近すると連続で拳撃を放つが、ヒロムは足に魔力を纏わせて空中を走ると拳角の攻撃を避け、全ての攻撃を避けると両手に魔力の龍を宿しながら拳撃を放つ。


「はぁっ!!」


「はっ!!」


ヒロムが拳撃を放つと拳角も負けじと拳撃を放ち、二人の攻撃同士がぶつかり、ぶつかったことにより生じた力に二人は吹き飛ばされてしまう。


「ちっ……!!」


「このギアを使う以上、オマエをここで倒す!!」


吹き飛ばされてもなお拳角は体勢を立て直すと炎の翼を燃え盛らせ、そして加速させながら飛翔するとヒロムとの距離を一気に詰めていく。


「……」


「ここで終わらせる!!

「無能」をここで……」


「仕方ねぇな……」


接近してくる拳角は炎を拳に纏わせるとヒロムを倒そうと一撃放つために構える。


その拳角の構える姿にヒロムはため息をつくと右手に魔力を集め、集めた魔力を長く伸ばすとそれを棒術武器に変化させると回転させながら構え、拳角の攻撃を避けると棒術武器で拳角を殴る。


「!?」


「龍擊棍……ランファンが使う武器の一つだ!!」


ヒロムは棒術武器……龍擊棍に魔力を纏わせると連続で拳角を殴り、勢いよく振り回すと重い一撃を叩き込んで地面に叩き落とす。


「がっ……!?」

(ありえない……!!

フェニックス・ギアを解放したのに何故……)


「悪いな拳角。

オマエがどんだけ武器揃えてようが無意味だ。

今のオレたちは……誰にも負けねぇ!!」


ヒロムは龍擊棍を勢いよく頭上で回転させると竜巻を発生させ、発生させた竜巻に魔力の龍を上乗せすると拳角に向けてその全てを解き放つ。


「龍擊竜旋翔!!」


竜巻と魔力の龍が拳角に向けて放たれ、龍擊棍によって地面に叩きつけられた拳角は避けることも防ぐことも出来ずにその全てを受けてしまう。


「がぁぁあ!!」


「轟き穿て!!」


ヒロムが叫ぶと彼の放った攻撃が炸裂し、炸裂した衝撃によって拳角は全身を負傷、そして纏っていたアーマーは砕け、ガントレット「フェニックス・ギア」も粉々に砕け散ってしまう。


「そ、んな……」


全身ボロボロに負傷する拳角は倒れ、ヒロムはゆっくりと着地すると「クロス・リンク」を解除して拳角に視線を向ける。


「……」


「がっ……はっ……」


ヒロムの攻撃によってボロボロになり倒れた拳角は吐血しながらも何とかして立とうとするが、立つ気力もない拳角はバランス崩して倒れてしまう。


「こんな……ところで……」


「……悪いな。

オマエじゃオレは倒せない。

オレは……」


「ならばオレの相手になってもらおう」


ヒロムの言葉を遮るようにどこからか誰かが話すと、それと同時に一人の男がヒロムに向けて歩いてくる。


黒髪の男……その男の顔を見た時、ヒロムは男の正体に気づいた。


「まさか……オマエは!?」


「初めましてだ「覇王」。

だが……ここでオマエは終わる。

これまでの勝利は全て泡のように散り、そして「四条」の軍事のために働いてもらう」


男は……四条貴虎は首を鳴らすと構え、ヒロムはその姿を前にして拳を強く握りながら構えた。


「四条貴虎……!!」


「オレを知ってるとは光栄だな。

だが……オマエはここで倒す」

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